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【2024年5月更新】GA4(Google Analytics 4)のイベント設定手順は?作成時の注意点を解説!
2024年5月30日
GA4(Google Analytics 4)では、データの分析軸が「イベント」として設定されています。イベント設定はWebサイトやアプリの成功に不可欠です。正しく設定すれば、ユーザーの行動を追跡し、貴重な洞察を得ることができます。
本記事では、GA4でのイベントの設定方法について詳しく解説します。効果的なイベントトラッキングを実装して、成果の最大化をねらいましょう。
目次
GA4(Google Analytics 4)のイベント設定とは?
GA4(Google Analytics 4)のイベント設定を行うと、Webサイトやアプリ内で特定のユーザーアクションやイベントの追跡(トラッキング)が可能です。
従来のユニバーサルアナリティクス(UA)では、イベントは「カテゴリ」「アクション」「ラベル」「値」ごとに分けられ、「サイト内での特定の行動(ページビューを除く)」をイベント設定してデータを計測していました。
一方でGA4のイベント設定の役割は、ユーザーの行動データを把握することです。具体的には、クリック、ページスクロール、動画の再生、資料のダウンロードなどが含まれます。GA4では、ページビューを含むすべてのユーザーの行動が「イベント」として扱われますが、それらのデータが一元管理され、Webサイトやアプリ内のユーザー行動を計測・分析できます。
GA4のデータ軸は「イベント」であるため、GA4を使用する上でイベントの設定について理解することは必須だといえます。
なおGA4については以下の記事もご参考ください。
「【2024年/GA4対応】初心者必見!Google Analyticsの基本的な使い方と設定方法」
「【2024年4月更新】UTMパラメータとは?使い方とGoogle Analyticsの計測方法を解説【GA4】」
「【2024年4月更新】Googleタグマネージャ―とGoogleアナリティクスの違いは?特徴やポイントを解説」
「Google Analytics(アナリティクス)を活用したレポート作成方法と分析ツール「Looker Studio」のご紹介」
「Google Analytics(アナリティクス)の初期設定で抑えるべき5つのポイントを徹底解説!」
「Search Console(サーチコンソール)とAnalytics(アナリティクス)を連携して分析する方法」
「Google Analytics (GA4・UA)のコンバージョン設定手順と確認方法を解説!」
「GA初心者必見!Google Analyticsの基本的な使い方と設定方法」
イベント設定の種類
GA4のイベント計測は、Webサイトの成果につながる行動を分析する時に役立ちます。
計測できるイベントは「自動的に収集されるイベント」「拡張測定イベント」「推奨イベント」「カスタムイベント」の4種類あり、種類によってデータを「自動収集」するか「手動設定して収集」するかに分かれます。今回は、計測対象がWebサイトのときの各データを解説します。
1.自動的に収集されるイベント(自動収集)
GA4が自動的に収集を行う計測データを指します。特別な設定は不要で、いつでも数値を確認できます。
これらのイベントは、GA4のトラッキングコードが設置されているWebサイトやアプリ内で自動的に収集されます。
▼自動的に収集されるイベント(※1)
初回訪問(first_visit) | ユーザーがページを訪れたとき |
離脱クリック(click) | ユーザーが現在のドメインから移動するリンクをクリックしたとき |
サイト内検索(view_search_results) | ユーザーがサイト内検索を行ったとき |
初回利用 | ユーザーがWebサイトを利用したとき |
エンゲージメント(user_engagement) | ユーザーがWebサイトで1秒以上の時間を費やしたとき |
スクロール(scroll) | ユーザーがページをスクロールしたとき |
動画再生(video_start) | ユーザーが動画を再生したとき |
動画視聴率(video_progress) | 動画視聴が動画時間の 10%、25%、50%、75% 以降まで進んだとき |
動画視聴終了(video_complete) | 動画の視聴が終了したとき |
ファイルのダウンロード(file_download) | ユーザーがファイルに移動するリンクをクリックしたとき |
フォームへのアクセス(form_start) | ユーザーがフォームに初めてアクセスしたとき |
フォーム送信(form_submit) | ユーザーがフォームを操作したり送信したとき |
2.拡張測定イベント(自動収集)
「拡張測定イベント」は自動的に収集されない特定のイベントやアクションを追加収集するためのもので、特定のボタンのクリック、カスタムなフォーム送信、特定のページビューのタイミングなどが含まれます。
拡張測定イベントはGA4のタグマネージャーを使用して手動設定する必要がありますが、活用することで、ユーザーの行動データ(特定のアクションや動作)に関する詳細なデータを収集し、分析することができます。
拡張測定が有効になっている場合に自動的に収集されるイベントで、サイトコンテンツに対するユーザーの行動データを把握できます。
設定は「アナリティクス管理画面」>「管理」>「データの収集と修正」>「データ ストリーム」で、オン・オフを切り替えることで測定が開始されます。
▼拡張測定イベント(※2)
ページビュー(page_view) | ページが読み込まれたとき |
スクロール(scroll) | ユーザーがページをスクロールしたとき |
離脱クリック(click) | ユーザーが現在のドメインから移動するリンクをクリックしたとき |
サイト内検索(view_search_results) | ユーザーがサイト内検索を行ったとき |
離脱クリック(click) | ユーザーが現在のドメインから移動するリンクをクリックしたとき |
動画再生(video_start) | ユーザーが動画を再生したとき |
動画視聴率(video_progress) | 動画視聴が動画時間の 10%、25%、50%、75% 以降まで進んだとき |
動画視聴終了(video_complete) | 動画の視聴が終了したとき |
ファイルのダウンロード(file_download) | ユーザーがファイルに移動するリンクをクリックしたとき |
フォームへのアクセス(form_start) | ユーザーがフォームに初めてアクセスしたとき |
フォーム送信(form_submit) | ユーザーがフォームを操作したり送信したとき |
3.推奨イベント(手動設定)
推奨イベントは「GoogleがWebサイトの運営に必要と考えているイベント」です。「小売業」「eコマース」「教育」「旅行」など、様々な分野のサイト運営に役立ちます。より有益なレポートの生成に加え、新しい機能と動作の測定を行えます。
アナリティクスの自動収集ではカバーしきれないデータを収集したり、アナリティクスで特定の機能を使用する必要があるときに役立ちます。
▼推奨イベント(Webサイト/全業種向け)(※3)
generate_lead | ユーザーが問い合わせのためにフォームまたはリクエストを送信したとき |
join_group | ユーザーがグループに参加したとき |
login | ユーザーがログインしたとき |
purchase | ユーザーが購入手続きを完了したとき |
refund | ユーザーが払い戻しを受け取ったとき |
search | ユーザーがWebサイトを検索したとき |
select_content | ユーザーがコンテンツを選択したとき |
share | ユーザーがコンテンツを共有したとき |
sign_up | ユーザーがアカウントを登録したとき |
earn_virtual_currency | ユーザーが仮想通貨(コイン、ジェム、トークンなど)を獲得したとき |
spend_virtual_currency | ユーザーが仮想通貨(コイン、ジェム、トークンなど)を使用したとき |
tutorial_begin | ユーザーがチュートリアルを開始したとき |
tutorial_complete | ユーザーがチュートリアルを完了したとき |
ECサイト向けまたはゲーム向けのイベント設定項目については、こちらをご参考ください。
4.カスタムイベント(手動設定)(※4)
カスタムイベントは、独自にイベントやパラメータを設定するイベントです。自動的に収集されない特定のイベントやアクションを手動で設定することを指し、特定のユーザーアクションやサイトの特定の動作に関する詳細なデータを収集。通常のイベントと同様にトラッキングされます。
カスタムイベントで関連付けることができる項目は、ボタンのクリック、フォームの送信、ページビューのタイミングなどで、Webサイトやアプリ内で発生するさまざまなアクションや動作が対象です。GA4のタグマネージャーやJavaScriptコードを使用してカスタムイベントを設定し、追跡することもできます。
カスタムイベントの設定を行うことで、特定の目標達成やユーザーエンゲージメントに関するデータをより詳細に把握し、Webサイトの改善に役立てられます。
GA4でイベントを設定するときの注意点
GA4でイベントを設定する際には、いくつかの注意点があります。
- イベント名の名付けルールを守る
- 登録できるイベント数は500個まで
- イベント名は途中で変更しない
1.イベント名の名付けルールを守る
イベントの作成時には、「イベント名」と「パラメータ」を設定します。イベント名は「計測するデータを示す名前」、パラメータは「イベントごとに追加できる情報」を指します。
イベント名を付ける際には、以下のルールに従うように注意しましょう。イベント設定に入力ミスがあると正確にデータを計測できず、GA4のレポート上に反映されません。
▼GA4 イベント名の名付けルール
- 英数字とアンダースコアのみを使用する(スペースは使用不可)
- イベント名の先頭は英字にする
- アルファベットは大文字と小文字で区別する
なお、「自動的に収集されるイベント」「拡張測定イベント」では、Webサイトでのデータ計測に必要なイベント名やパラメータはGoogle側で設定されているので、本記事の『イベント設定の種類』をご参照ください。
「推奨イベント」「カスタムイベント」を設定するときも本記事の『イベント設定の種類』をご参照いただきつつ、Googleの「アナリティクスヘルプ「イベントとコンバージョン」」も参考にしてください。
2.登録できるイベント数は500個まで
「自動的に収集されるイベント」や「拡張測定イベント」を除き、GA4で作成できるイベント数はプロパティひとつあたり500個までに制限されています。ただしこの制限は対象がアプリの場合で、Webサイトの場合は上限がありません。
目的を明確化する観点からも、売上や目標達成に直結する重要なデータを計測する場合にのみ、カスタムイベントを作成することをおすすめします。500個を超える場合は重要なイベントのみを設定し、定期的にイベントの削除や見直しを行うこともおすすめです。
3.イベント名は途中で変更しない
GA4はイベントの作成・変更後からデータを計測する仕様です。GA4のイベント名を変更するときはイベント自体を変更しますが、変更前のイベントは上書きされ、別イベントとしてデータの計測を開始するようになっています。
イベント名を途中で変更すると、同じイベントに関連付けられたデータが一貫性を失ったり、過去データとの整合性がとれなくなる可能性があります。データ分析やレポート作成時に、過去と現在のデータを比較する場合に問題が生じることも考えられます。
またイベント名の変更は、トラッキングコードや設定の変更を必要とする場合があります。つまりトラッキングの複雑さが増し、データの正確性や信頼性が損なわれる可能性もあります。
なおイベントの作成から1時間後は、当該イベントを変更できない制限もあるため気を付けましょう。
GA4でイベントを設定する手順
イベントは種類によって設定方法が異なります。「自動的に収集されるイベント」と「拡張測定イベント」、「推奨イベント」と「カスタムイベント」の2つに分けて、イベントの設定手順を紹介します。
- 「自動的に収集されるイベント」と「拡張測定イベント」の設定
- 「推奨イベント」と「カスタムイベント」の設定
1.「自動収集イベント」や「測定機能の強化イベント」の設定
まずGA4で「どんなデータを取得しているか」を確認しましょう。GA4にログイン後、左下の「管理」>「データストリーム」の順にクリックしてください。
「データストリーム」の項目が表示されない場合は、プロパティが「ユニバーサルアナリティクス(UA)」になっている可能性があります。UAはGA4の前身であり2023年7月以降はデータ処理が停止しているため、「プロパティ」の下をクリックし、GA4のプロパティに切り替えてください。
切り替えが完了すると「データストリーム」が表示されます。Webサイトに紐づいているデータストリームを選択してください。
「ウェブストリームの詳細」画面を下にスクロールします。「イベント」の下にある「拡張計測機能」を確認しましょう。
測定中の「自動的に収集されるイベント」が表示されます。「他◯個」をクリックすると、すべての測定データを確認できます。以上が、現在の測定中のイベントの確認方法です。
続いて、測定中のデータの横にある「歯車マーク」をクリックしてください。
「拡張計測機能」画面が表示されます。測定が必要なデータにチェックを入れ、右上の「保存」をクリックすると「自動的に収集されるイベント」と「拡張測定イベント」の設定が完了します。
2.「推奨イベント」や「カスタムイベント」の設定
「推奨イベント」や「カスタムイベント」は、どちらも手動で設定します。今回は、例として「問い合わせページへの到達」をイベントに設定する手順を紹介します。
GA4の「管理」>「データの表示」>「イベント」>「イベントを作成」の順に選択します。
「イベントの作成画面」に遷移した後、右上の「作成」をクリックしてください。各項目は、以下に従って入力します。
- イベント名:page_view(任意に設定可能)
- パラメータ:event_name
- 演算子:次と等しい
- 値:page_view
続いて「条件を追加」をクリックし、二段目の各項目を入力します。今回は「問い合わせページの到達」をイベントに設定するため、以下に従って入力してください。
- パラメーター:page_location
- 演算子:次を含む
- 値:「問い合わせページ」のURLを記入
以上で「推奨イベント」や「カスタムイベント」の設定は完了です。
なおどのイベントでも「一致する条件」には、必ずベースとなる既存のイベントを一段目に設定しましょう。一段目の「event_name」を設定しなかった場合、ページビュー以外のクリックやスクロールもカウントされ、正確なデータ計測ができなくなります。
GA4(Google Analytics 4)で計測したイベントを確認する方法
イベント作成後、しばらくすると計測したイベントがGA4に反映されます。GA4>「管理」>「データの表示」>「イベント」で、「作成したイベント」が表示されているか確認しましょう。
イベントメニューを確認しても作成したイベントが反映されていない場合、後述の「GA4でイベントが反映されないときの対処法」を確認してください。
GA4で設定したイベントをコンバージョン登録する方法
コンバージョンとは「成果につながるユーザーの行動」を指す言葉です。例として、「商品購入」「資料請求ボタンのクリック」「フォームの送信」などが挙げられます。
成果につながるイベント(ユーザーの行動)をコンバージョンに登録することで、Webサイトの成果を数値で把握できます。
GA4では、すでにイベントを作成していれば、1分ほどでコンバージョン設定が完了します。
コンバージョン設定の手順
GA4の画面から「イベント」>「コンバージョンイベント」の順にクリックします。作成したイベント名の横にある「コンバージョンとしてマークを付ける」をオンにすると、コンバージョン設定が完了します。
GA4でイベントが反映されないときの対処法
GA4でイベントを設定してもレポートに反映されない場合、以下の3つの原因が考えられます。原因が複数に該当している可能性があるため、1つずつ確認してください。
- データ計測に必要な時間が経過していない
- イベントの設定に誤りがある
- 計測に必要なIPアドレスを除外している
1.データ計測に必要な時間が経過していない
GA4ではイベントの作成後、データの計測を開始するまでに時間がかかります。場合によっては反映されるまでに1〜2日ほど要することがあるため、しばらく時間を置いてみましょう。
2日経過後もイベントが反映されない場合は、そもそも作成したイベントの設定が間違っている可能性があります。
2.イベントの設定に誤りがある
イベントが反映されていない原因は、設定した「イベント名」「パラメータ」などの入力ミスが原因かもしれません。作成したイベントを確認してみましょう。
GA4から、「設定」>「データの表示」>「イベント」>「イベントを変更」からイベントの修正を行い、入力した項目の値をチェックしましょう。各項目が正しく入力されており、イベントの設定に誤りがなければ確認完了です。
3.計測に必要なIPアドレスを除外している
Webサイト運営にあたっては、正確なデータ計測を行うため、サイト管理者のIPアドレスを除外します。しかし除外するIPアドレスの中に、計測に必要なIPアドレスが含まれている可能性があります。
GA4で「除外されているIPアドレス」を確認しましょう。GA4の「管理」>「データストリーム」の順に選択して、自社サイトのデータストリームをクリックしてください。
「データ ストリーム」画面で該当ストリームをクリックしてください。「ウェブ ストリームの詳細」画面に推移したら、ページ下部「Googleタグ」の「タグ設定を行う」をクリックします。
「Googleタグ」画面に移ります。「設定」の下部にある「内部トラフィックの定義」や「除外する参照のリスト」から、計測に必要なIPアドレスを除外しているかを確認してください。除外されているときは入力値やデータを修正し、変更点を保存しましょう。
IPアドレスの除外を解除した後は、トラッキングが正常に動作しており、データが正常に収集されていることを確認してください。なお最新の設定を反映させるため、必要に応じて新しいトラッキングコードを取得し、Webサイトに適用する場合もあります。
まとめ
GA4のイベント設定手順を解説しましたが、それぞれの手順を実践する際にはいくつかの注意点があります。正確なイベントの追跡が必要なので、イベントの設定は慎重に行うことと、イベント名やパラメーターを適切に定義することが重要です。
また、イベントの設定後はしっかりとテストを行い、データの正確性を確認することも欠かせません。さらに、GA4のアップデートや変更にも注意し、常に最新の情報を把握していきましょう。
【参考・引用】
※1…Googleアナリティクス ヘルプ「[GA4] Automatic collection events」
※2…Googleアナリティクス ヘルプ「[GA4] Extended measurement function event」
※3…Googleアナリティクス ヘルプ「[GA4] Recommended events」
※4…Googleアナリティクスヘルプ「[GA4] カスタム イベント」