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【2022年10月更新/GA4対応】Google Analytics (GA4・UA)のコンバージョン設定手順と確認方法を解説!

Time 2022年10月21日

 

Google Analyticsを活用する際、サイトの運営改善を行うためにコンバージョン設定は不可欠です。今回は、このコンバージョンについての説明と、Universal Analytics(UA)とGoogle Analytics4(GA4)それぞれにおけるコンバージョン設定方法と特徴を解説いたします。

 

Google Analyticsの「コンバージョン設定」は、サイトの運営改善に必須の作業であり、コンバージョン計測により、「どの程度、成果につながるサイトであるか」を定量的に分析できます。サイト運営のご担当者様の中には、Google Analyticsを導入したものの、うまく使いこなせていない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

本記事では、Google Analytics4でのコンバージョンの設定手順やコンバージョンの確認方法を解説します。GA4とUAのそれぞれの設定方法を紹介しますので、きちんとコンバージョン設定を行って、サイトの効果測定や改善に活用してください。

 

「コンバージョン」はどういう意味か?

コンバージョン(conversion)とは、英語で「変換」や「転換」を表す単語です。Web業界では、自社サイトへアクセスしたユーザーが特定のアクションによって「顧客に転換する」ことに由来して、コンバージョンという言葉が使われています。

 

要約すると、コンバージョンとは「成果につながるユーザーの行動」を指します。以下のイメージ図を見て、理解を深めてください。

 

具体的なコンバージョンの例は、資料請求やサービスの申し込みボタンのクリックなどです。商品ページの閲覧のような「間接的に成果につながるアクション」もコンバージョンと呼ばれます。

 

「コンバージョン」はどういう意味か?

 

Google Analyticsでは、運営者が選んだユーザーのアクションをコンバージョンとして計測、分析できます。

 

ちなみに、コンバージョンの略称は「CV」です。CV獲得単価(CPA)やCV率(CVR)といった用語も、セットで覚えておきましょう。

 

Google Analytics(UA・GA4)のコンバージョン設定に関する基礎知識

Google Analyticsには、従来の「Universal Analytics(UA)」と、新バージョンの「Google Analytics 4(GA4)」があります。

※UAは、2023年7月1日にサービスが終了しますので、覚えておきましょう。

 

それぞれでコンバージョンの設定方法や計測の定義が異なります。2つの違いを理解して、うまく使い分けながら、コンバージョンを計測しましょう。

 

Google Analyticsを導入していない方は、下記の記事を参考に初期設定を行ってください。

 

【2022年10月更新/GA4対応】GA初心者必見!Google Analyticsの基本的な使い方と設定方法

 

※2023年7月1日をもってUAのヒット処理は終了しますが、2023年7月1日以前のUAデータは最低でも6ヶ月間アクセスできることがGoogleアナリティクスヘルプで明記されています。UA利用者は6ヶ月の猶予期間のうちにデータをエクスポートし、同時にGA4の運用に向けて準備を進めなければなりません。

 

Universal Analytics(UA)におけるコンバージョンの特徴

UAでは、1セッション(サイトへの訪問)ごとに、ページ閲覧やクリック、スクロールといったコンバージョンをカウントします。

 

ただし、ひとつのセッションにつき、コンバージョンをカウントするのは最大1回までです。仮に一度のセッションで、複数回のコンバージョンがあっても、コンバージョン数は「1」以上にはなりません。

 

つまり、今までのUAでは、ユーザー1人の複数のコンバージョン数を計測できず、各コンバージョンの関連性や相関性を把握できませんでした。UAはあくまで「セッションごとのコンバージョンの有無と種類」を明らかにするのに留まっていたのです。

 

Google Analytics 4(GA4)におけるコンバージョンの特徴

一方、GA4ではコンバージョン数に上限がありません。1セッションで複数回のコンバージョンがあれば、すべてカウントされる仕組みです。

 

UAと違って、GA4では「ユーザーが成果につながる行動をどれだけしているか」を計測できます。そのため、UAに比べて、GA4のコンバージョン数は多くなります。

 

GA4のコンバージョンの特徴は、設定が簡単でコンバージョンの計測がしやすい点です。UAでは、ページビューや到達ページ、イベントなどコンバージョンの項目が分けられており、それぞれ手動でコンバージョンの設定が必要でした。

 

しかし、GA4のコンバージョンはすべてイベントとしてまとめられています。初回の訪問や広告のクリックなどの指標を自動で計測し、オンオフの切替のみで簡単に測定を開始できます。

 

Google Analyticsでコンバージョンを計測する必要性について

Google Analyticsでコンバージョンを計測するメリットは以下の3つです。

 

  • 売上目標に対する達成度を可視化できる
  • サイトの現状と課題を明確にできる
  • コンバージョンが発生した流入元を確認できる

 

コンバージョンの計測によって、具体的な改善点を把握しやすくなります。また、サイトの改善前と改善後のコンバージョンを比べることで、改善策の効果検証も可能です。

 

たとえば、Google Analyticsを用いて、「流入経路から、成約までの流れ」を分析し、ターゲットの見直しを繰り返すことで的確なターゲティングを実現できます。

 

コンバージョンは業種やWebサイトの種類によって内容が異なるため、自身が携わる事業に合わせたコンバージョンを設定することが重要です。以下に、業種別のコンバージョンポイントの例を表にまとめています。

 

Google Analyticsでコンバージョンを計測する必要性について

 

上記のように、成約につながるポイントをコンバージョンに設定するのが有効です。データが少ない場合、下の例のように1段階前のアクションをコンバージョンとして設定しましょう。

例:「商品購入ボタンのクリック」の前の「商品ページの閲覧」をコンバージョンに設定

 

前段階のコンバージョンを測定することで、「成約率を下げる原因となるページ」を明確にし、改善を試みることが可能です。

 

Google Analyticsでコンバージョンを計測するデメリットはありません。事前の設定は5〜10分程度で完了しますので、この記事を参考にして設定してみましょう。

 

Google Analyticsでコンバージョン計測する際の設定パターン

Google Analyticsでコンバージョンを計測するパターンは、「到達ページ」「イベント」「滞在時間」「ページビュー」の4つがあります。

 

一般的には、「到達ページ」「イベント」を用いて「会員登録」や「お問い合わせ完了」といった成果に直結するコンバージョンを計測します。レアケースですが、成果に影響するユーザーの行動を把握するために「ページビュー」「滞在時間」をコンバージョンに用いる場合もあります。

 

それぞれの設定パターンを解説します。

 

 

「到達ページ」でコンバージョンを計測する

コンバージョンの計測で、一番使われているパターンです。ユーザーが特定のページに到達するたびに、コンバージョンとしてカウントします。

 

お問い合わせや、商品・サービスの申し込みページのような収益に直接つながるページに設置します。サイトを訪問したユーザーのうち、成約につながる数や割合を測定できます。

 

また、コンバージョンにつながった流入経路も把握できるため、集客方針の見直しにも役立ちます。

 

 

「イベント」でコンバージョンを計測する

電話発信のボタンのクリック、資料やPDFのダウンロード、動画再生など特定のイベント(行動)が発生した際にカウントする設定パターンです。

 

特定のアクションを計測したい場合は、イベントでコンバージョンを計測してください。

 

「ユーザーがサイト内でどんな行動をしているか」「どの内容に興味を持っているか」を可視化できます。

 

 

「滞在時間」でコンバージョンを計測する

「ユーザーがどれだけの時間、ページを閲覧しているか」を把握したいときには、滞在時間をコンバージョンとして計測しましょう。設定した時間を超えて、ユーザーが滞在した場合にカウントされます。

 

たとえば、記事広告のようにユーザーに熟読してもらう必要があるサイトで有効です。滞在時間は成約に直結はしないものの、滞在時間が長い場合「コンテンツの内容が充実している」「ユーザーのニーズに合っている」と判断できます。また、滞在時間を把握することで、コンテンツを一定時間閲覧した確度の高いユーザーに対してリターゲティング広告を行うことも可能です。

 

 

「ページビュー」でコンバージョンを計測する

「1度の訪問における、閲覧ページ数」を計測する際に使用する設定方法です。事前に指定したページ数を超えた場合に、コンバージョンとしてカウントされます。

 

たとえば、ECサイトのように、多数のページを閲覧されることが多いサイトで有効です。

 

1セッションあたりのコンバージョン(ページビュー)が低い場合は、ユーザーの回遊率が低いことを示し、「おすすめ商品や関連商品の設置場所が適切でない」といったケースが考えられます。改善を図ることで、回遊率の高いサイト作りを目指しましょう。

 

 

Google Analyticsでコンバージョンを設定する手順

ここではGoogle Analytics4(GA4)とUniversal Analytics(UA)のそれぞれのコンバージョンの設定方法を紹介します。

 

はじめにGoogle Analyticsのページにアクセスしてください。

 

Google Analytics 4のコンバージョン設定手順

GA4では、イベントごとにコンバージョンを計測します。ページビューやスクロールなどの基本的なイベントは、自動でデータを収集するため事前の設定が不要です。

 

一方、購入完了やサイトページへのログインのようなイベントの計測や、細かく条件を指定した計測では、イベントの作成が必要です。

 

自動計測できるイベントだけでは、知りたいデータを計測できない可能性が高いため、イベントの作成方法を覚えておきましょう。

 

ここでは、例として「申し込みの完了ページの到達」をイベントとして作成します。Google Analyticsにログインしたら左下の「管理」を押して、プロパティの下をクリックしましょう。プロパティを「UA」から「GA4」に切り替えてください。

 

Google Analytics 4のコンバージョン設定手順

 

Google Analytics 4のコンバージョン設定手順

 

次に画面左の「レポート」から、一番上の「イベント」>「イベントを作成」の順にクリックします。

 

Google Analytics 4のコンバージョン設定手順

 

Google Analytics 4のコンバージョン設定手順

 

設定画面では、以下のように項目を入力してください。

 

  • カスタムイベント名:自由に入力してOK
  • パラメータ:event_name
  • 演算子:次と等しい
  • 値:page_view

 

「条件を追加」を押して、パラメータを追加します。基本的にイベントを作成するときは、1段目に「パラメータ:event_name」を入力してください。この設定を行わない場合、ページの閲覧だけでなく、クリックやスクロールなどのコンバージョンもカウントされてしまい、正確なデータを取得できなくなります。

 

今回は、「申し込み完了ページの到達」をイベントとして設定するので、以下のように入力してください。

 

  • パラメータ:page_location
  • 演算子:次と等しい
  • 値:到達ページのURL(ドメイン名より後ろの部分)

 

Google Analytics 4のコンバージョン設定手順

 

入力が完了したら、右上の「作成」をクリックしましょう。以上でイベントの作成が完了します。

 

Google Analytics 4のコンバージョン設定手順

 

続いて、画面左の「設定」から「コンバージョン」をクリック、作成したイベントの「コンバージョンとしてマークを付ける」をクリックしましょう。

 

Google Analytics 4のコンバージョン設定手順

 

以上の設定で、コンバージョンの計測を開始できます。

 

Universal Analyticsのコンバージョン設定手順

UAでコンバージョンを設定するために、はじめにGA4からUAにプロパティを変更します。左下の「管理」からプロパティの下の部分をクリックして、UAに切り替えてください。

 

Universal Analyticsのコンバージョン設定手順

 

右側の「目標」を選択して、画面が切り替わったら「新しい目標」をクリックしてください。

 

Universal Analyticsのコンバージョン設定手順

 

Universal Analyticsのコンバージョン設定手順

 

UAでもGA4同様に、「申し込み完了ページの到達」をコンバージョンとして計測します。目標設定で「カスタム」を選択して、「続行」をクリックしてください。

 

Universal Analyticsのコンバージョン設定手順

 

目標の説明で、「名前」を入力して目標の「タイプ」を選びましょう。

 

今回は「申し込みページへの到達」をイベントとして作成するので、「到達ページ」をクリックします。次に「続行」をクリックして、目標の詳細へと遷移してください。

 

Universal Analyticsのコンバージョン設定手順

 

目標詳細では、以下のように設定してください。

 

  • 到達ページ:等しい、到達ページのURLを入力
  • 値:オン
  • 目標達成プロセス:オン

 

「値」には、コンバージョン獲得単価を入れましょう。申し込みや購入の売上を管理できます。

 

目標達成プロセスの設定によって、申し込み完了の前段階のデータを計測可能です。以下のように、トップページやサービス紹介ページをプロセスとして設定すれば、「どのページを改善すべきか」を分析しやすくなります。

 

Universal Analyticsのコンバージョン設定手順

 

最後に「作成」をクリックすると、コンバージョン計測が開始します。

 

設定したコンバージョンを確認する方法

Google Analyticsのリアルタイム機能では、過去30分間のデータが反映されます。個人の携帯で自社サイトにアクセスして、コンバージョンが問題なくカウントされているか確認しましょう。

 

もしコンバージョンが反応していなければ、設定の段階でミスをした可能性があります。もう一度、イベント作成やコンバージョン設定をやり直してみてください。

 

コンバージョンが計測されていれば、続いてコンバージョンの詳しいデータを確認しましょう。コンバージョンの確認方法はGA4とUAで異なるので、それぞれ紹介します。

 

Google Analytics 4のコンバージョンの確認方法

まずはGA4のコンバージョンの確認方法から説明します。「管理」からプロパティをGA4に変更し、左の「レポート」>「エンゲージメント」>「コンバージョン」より、コンバージョンを確認してください。

 

Google Analytics 4のコンバージョンの確認方法

 

流入経路やコンバージョンが発生したページの確認は、以下の手順を行ってください。

 

  • 流入経路:「レポート」>「集客」>「トラフィック獲得」
  • コンバージョンが発生したページ:「エンゲージメント」>「ページとスクリーン」

 

ユーザーの流入経路や成約したページを参考に、コンバージョンを高められるようにサイトを見直してください。

 

作成したイベントがうまく計測されない場合は、「GA4タグがサイトページに設定されているか」や「イベントのパラメータ設定などにミスがないか」をチェックしてください。

 

Universal Analyticsのコンバージョンの確認方法

次に、UAでコンバージョンを確認する方法を紹介します。

 

「管理」からプロパティを「UA」に変更して、左の旗のマークの「コンバージョン」をクリックしてください。「目標」>「概要」から、全体のコンバージョン数やコンバージョン数の推移を確認できます。

 

Google Analytics 4のコンバージョンの確認方法

 

複数の商品を扱うサイトであれば、「目標」の下にある「eコマース」から商品別の売上を把握しましょう。

 

最下部の「マルチチャネル」からは、コンバージョンが発生したユーザーの流入経路を計測が可能です。検索流入やSNS流入などの割合を見て、集客の施策やコンテンツの内容を見直すことが大切です。

 

まとめ

Google Analyticsのコンバージョンを設定することで、サイトに訪れたユーザーがどの程度成果につながる行動をとったか計測できます。サイトを運営する上での「成果」は、企業によって異なります。

 

自社サイトを見てもらうことが目的の場合は、「特定の行動」をイベントに、問い合わせ件数を増やすことが目的の場合は「指定のページへの到達」を設定するなど、目的に合わせたコンバージョン設定と改善策の実施を心がけましょう。

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