リサーチ
YouTubeを利用しているユーザーは91.4%!未就学児ママのYouTube利用状況アンケート
2024年2月10日
YouTubeは、子育て世代の主婦層のみならず年代を問わず幅広く利用されている動画プラットフォームです。ブランドイメージの向上や商品のプロモーション、顧客の獲得などを目的として多くの企業が参入しています。
今回は弊社で2023年2月に実施した「未就学児ママを対象としたYouTubeの利用調査の結果」をもとに記事にまとめました。未就学児ママのYouTubeの利用実態を把握いただけますので、ぜひご覧ください。
目次
- 1 日本におけるYouTubeの利用状況
- 2 25歳~44歳の未就学児ママの、YouTubeの利用状況
- 2.1 未就学児ママのYouTube利用率は「91.4%」
- 2.2 YouTubeを1日1回以上視聴するユーザーは「約7割」
- 2.3 YouTubeの1回あたりの視聴時間は「30分」が最多
- 2.4 YouTubeを視聴するデバイスの1位は「スマホ」2位は「テレビ」
- 2.5 YouTubeを視聴する主な目的は「趣味に関する情報収集」と「子どものため」
- 2.6 視聴されるジャンルは「音楽」「家事・育児」「料理」
- 2.7 子どもがYouTubeを視聴することについて賛成が「77.3%」
- 2.8 子どものYouTube視聴に賛成する理由は「ママの負担軽減」「子の視野が広がる」
- 2.9 子どものYouTube視聴に反対する理由「視力が低下する」「見せたくない動画をブロックできない」
- 2.10 子どもにYouTubeを視聴させるときの心がけ「視聴時間を制限する」
- 3 未就学児ママのYouTube利用状況まとめ
日本におけるYouTubeの利用状況
画像引用:総務省の情報通信政策研究所「令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」
令和3年度に総務省が実施した「各種SNSの利用調査」によると、日本では「全年代で87.9%の方がYouTubeを利用している」ことがわかっています。
年代別のYouTube利用率を確認すると、「10代から40代までの利用率が90%以上」と高い傾向にあります。前年(令和2年度)と比較して、全年代の利用率が2.7%増加し、女性の利用率も5.4%増加しました。
今後は、YouTubeの新規ユーザー数は減少するが、YouTubeの利用時間は増大すると予測できます。
25歳~44歳の未就学児ママの、YouTubeの利用状況
マムズラボでは25歳〜44歳の未就学児ママ244人を対象に、YouTubeの利用状況に関するアンケート調査を実施しました(調査期間:2023年2月21日~2月28日、調査方法:Webアンケート)。
▼調査項目
- YouTubeの利用状況
- YouTubeの利用頻度
- 1回あたりのYouTubeの利用時間
- YouTube視聴時に使用するデバイス
- YouTubeの利用目的
- YouTubeで視聴する動画のジャンル
- 子どもがYouTubeを視聴することに賛成か反対か、またその理由
- 子どもとYouTubeを見る際に心がけていること
未就学児ママのYouTube利用率は「91.4%」
利用している動画配信サービスに関する質問では、25歳~44歳層の未就学児ママの91.4%が「YouTubeを利用している」と回答しました。YouTubeに次ぐ動画配信サービスは、「Amazonプライム(48.0%)」となっていますが、2位以下とは大きく差をつけています。
一方で、「動画配信サービスを利用していない」と回答した方は、4.5%となりました。約9割がYouTubeを利用しているため、「YouTubeは子育て世代や主婦層にリーチできる動画プラットフォームである」ことがわかります。
各動画配信サービスの利用率をみても、年齢を問わず、未就学児ママの多くが、YouTubeを視聴していることが読み取れます。
YouTubeを1日1回以上視聴するユーザーは「約7割」
YouTubeの利用頻度を調査した結果、69.7%の方が「YouTubeを1日1回以上視聴する」ことがわかりました。
毎日利用している方のうち、約半数(49.4%)が1日に数回にわたってYouTubeを視聴しています。一方で、2〜3週間に1回以下の頻度でYouTubeを利用する方は、全体の8.6%です。
年代別の利用頻度では、YouTubeを「1日に数回利用する」と回答した人数が最も多かったのが25歳〜29歳層です。この年代では、YouTubeを視聴することが日常的な習慣になっていることがわかります。
YouTubeの1回あたりの視聴時間は「30分」が最多
YouTubeの1回あたりの視聴時間に関する調査で、最も多かった回答が「〜30分(42.9%)」、続いて多かった回答が「〜15分(21.0%)」です。
YouTubeを長時間利用する割合も高く、全体の12.9%が「90分〜」と回答しました。家事や育児のスキマ時間に細かく視聴したり、お昼休みや子どもを寝かしつけた後などのタイミングで長時間視聴を行っている可能性があります。
年齢別の利用時間では、なお第一子の平均出産年齢が30.9歳(※1)であることを考えると、子どもが0歳~2歳ごろの30歳~34歳層では「~60分」が最も多く、子どもが幼稚園に登園し始める3歳ころになる35歳~39歳層では「~30分」が最も多いという結果です。
また、25歳〜29歳の若ママ層で「〜5分」と回答した方は0人で、「90分〜」と回答した方は全年代で最も多くなっています。つまりママの年齢が若いほど、利用頻度が高く、加えて視聴時間も長い傾向です。
YouTubeを視聴するデバイスの1位は「スマホ」2位は「テレビ」
YouTubeを視聴するデバイスを調査したところ、最も多かった回答が「スマホ(63.9%)」、次に多かった回答が「テレビ・プロジェクター(20.2%)という結果になりました。
約3人に2人がスマホで視聴するため、「(音声ありで視聴するとは限らないため)字幕・テロップをつける」「スマホで読みやすいフォントサイズに設定する」「画面デザインは、小さな画面でも見やすいシンプルなものにする」など、スマホで視聴しやすい動画が必要不可欠です。
また、約5人に1人がテレビやプロジェクターで視聴しています。YouTubeをテレビ感覚で利用しており、子どもと親が一緒にYouTubeを視聴していることも多いと考えられます。一方で、YouTubeを「タブレット」や「PC」で視聴する方は、それぞれ10%以下という結果となりました。
なお年代別の調査では、どの年代でも、スマホでYouTubeを視聴する傾向にあります。
コンバージョンを目的に、YouTubeからWebサイトやLPなどの外部サイトへ誘導するときは、スマホファーストなデザインと導線設計にすることが必要です。
YouTubeを視聴する主な目的は「趣味に関する情報収集」と「子どものため」
YouTubeの視聴目的を調査すると、「趣味に関する情報収集(52.8%)」、「子どもに好きなチャンネルを視聴させるため(48.1%)」の順に回答が多い結果となりました。
情報収集の観点では、趣味に加えて、「美容(30.9%)」や「家事・育児(32.6%)」に関する情報を入手するために利用しています。
子どもに動画を視聴させる観点では、子どもの相手ができない時や公共交通機関などでの移動時のほか、子どもの希望時などにYouTubeを利用していると考えられます。
年齢別でみると、35歳〜39歳層では「趣味」や「美容」に関する情報収集を行う傾向が高く出ました。なお第一子の平均出産年齢が30.9歳(※1)であることから、この年代では第一子の年齢が3歳~6歳前後であることが想定されますが、子どもが幼稚園・保育園に登園するようになり、セルフケアに目を向ける時間がとれるようになったことがうかがえます。
また同じ未就学児ママでも40歳〜44歳層では、「旅行や観光」「商品や店舗」など、余暇やライフスタイルの充足に関する情報収集を行うことが多いことがわかります。
視聴されるジャンルは「音楽」「家事・育児」「料理」
YouTubeで視聴するジャンルについては「音楽(36.1%)」、「家事・育児(34.8%)」、「料理(30.9%)」の順に割合が高くなりました。
「コスメ・メイクアップ(25.8%)」や「ファッション(21.5%)」のジャンルで動画視聴する未就学児ママも高く、約4〜5人に1人の割合で存在します。
年代別の視聴ジャンルでは、25歳〜29歳の若ママ層では「コスメ・メイクアップ」や「ファッション」を視聴する方が多い傾向です。「コスメ・メイクアップ」については35歳~39歳層でも高得点となり、子どもが幼稚園・保育園に登園し始め、セルフケアに目を向ける時間がとれるようになったことがここでもうかがえます。
ほか全年代で「家事・育児」や「料理」と回答した方が多く、YouTubeは、ライフハックや料理のレシピ情報などを獲得するもとになっていることがわかります。
子どもがYouTubeを視聴することについて賛成が「77.3%」
子どものYouTube視聴に対して、未就学児ママの77.3%が「賛成」もしくは「どちらかといえば賛成」と回答しました。
一方で、「どちらかといえば反対」もしくは「反対」と回答した方は、全体の22.7%です。約5人に1人の割合で、子どものYouTube視聴に反対しています。
年代別に見ると、25歳〜29歳層ではおよそ9割が賛成していますが、年齢の高さに比例して、反対意見を持つ方が増加する傾向があります。
子どものYouTube視聴に賛成する理由は「ママの負担軽減」「子の視野が広がる」
子どものYouTube視聴に賛成する理由として、最も多かった回答は「すぐに好きな動画を視聴させることができるため(67.2%)」、次に多かった回答が「世界・視野が広がるため(53.3%)」となりました。
家事や育児で子どもの相手ができない時や、公共の場などで子どもが騒いだりぐずったりすることをできるかぎり避けたい時など、子どもに動画を視聴させることでママの心身負担が軽減されることを、賛成点に挙げていることがわかります。
また、YouTubeには、知育動画や学習系動画のコンテンツも多数投稿されています。子どものYouTube視聴が賛成される理由の1つには、それらの動画で子どもが知識を身につけたり、視野が広がったりするなどにメリットを感じていることもうかがえます。
なお子どもがYouTubeを視聴するときは、保護者のアカウントを使用することが多い印象です。そのため、動画インサイト上では正しいユーザー属性が取得できないことがあるため、留意しましょう。
子どものYouTube視聴に反対する理由「視力が低下する」「見せたくない動画をブロックできない」
子どものYouTube視聴に反対する理由として、最も多かった回答が「視力が低下する(71.7%)」ことです。
YouTubeでの動画視聴にあたり、関連動画が次々に表示されることで長時間視聴につながる可能性が高く、そのほか、画面を見るときに正しい姿勢を保てない恐れがあること、画面と目の間に適切な距離を保てない恐れがあることなどの懸念点が考えられます。
2番目に多かった回答が「見せたくない動画を完全にブロックできない(50.9%)」ことです。
YouTubeには子どもにとって不適切な動画も存在します。なお、保護者のアカウントを使用している場合、「制限付きモード」で視聴させたくない成人向けコンテンツを除外することも可能ですが、すべての対象コンテンツを除外することはできません。
またYouTubeのアカウント解説可能年齢は13歳ですが、13 歳未満の子どもでも、一人でも YouTube を楽しめるようになったと保護者が判断した場合、「保護者向け管理機能」で管理対象のアカウントを設定し、チャンネルやコンテンツを管理できる機能があります。
そのほか、「生活リズムが崩れる」「家族でのコミュニケーションが減る」など、子どもへのさまざまな影響を懸念していることがわかります。
子どもにYouTubeを視聴させるときの心がけ「視聴時間を制限する」
子どもに悪影響を及ぼさないように、YouTubeを視聴させる際には「視聴時間を制限する」方が多い(60.9%)ことがわかりました。
長時間視聴による視力低下や、YouTubeへの依存などを防止する対策であると考えられます。
続いて、「親の目の届く範囲で視聴させる(48.5%)」、「子どもが見ても問題ない動画であるかを確認する(39.1%)」の順に回答が多い結果となりました。
年代別にみると、2歳前後の小さな子どもが多いと仮定される30歳~34歳層では「一定時間ごとに休憩をとらせる」ことをへの意識の高さがうかがえます。
未就学児ママのYouTube利用状況まとめ
未就学児ママのYouTubeの視聴目的は「子どもの動画視聴のため」「自分の動画視聴のため」と2つがあり、利用実態は年代によっても異なります。
25歳〜29歳層はYouTubeの利用頻度が高く、1回あたりの視聴時間も長い年代です。主に「コスメ・メイクアップ」「ファッション」を視聴する傾向にあります。また、子どものYouTube視聴に賛成する方が多いこともこの年代の特徴です。
35歳〜39歳層では「趣味」や「美容」、40歳〜44歳層では「旅行・観光」や「商品・店舗」に関する情報収集を主な目的として、YouTubeを利用しています。
同じ未就学児ママでも年代や目的によって、彼女たちが求めるコンテンツは異なります。ターゲットの年齢に合わせて適切なコンテンツを制作し投稿、チャンネル運用を行うことで、適切なターゲット層にリーチしやすくなります。
マムズラボでは、YouTubeチャンネル開設に伴う分析や運用体制構築のほか、ママと子どもに好まれやすい動画制作を承っています。お気軽にお問い合わせください。
参考・引用
※1…厚生労働省「令和3年(2021)人口動態統計(報告書) Ⅱ 人口動態調査結果の概要」