ノウハウ

Google Tag ManagerとGoogle Analyticsは何が違うの?特徴や違いを解説

Time 2023年5月29日

 

GoogleはTag Manager・Analyticsをはじめ、用途別にさまざまなツールを提供しています。

 

そのなかでも、Tag Manager・Analyticsはサイトに訪問したユーザーのデータを解析・分析する際に役立つツールとして知られています。

 

一見似ているように見える2つのツールですが、計測できる指標や活用方法に違いがあります。

 

本記事では、Tag ManagerとAnalyticsの違いをメリット・デメリット・注意点などを中心に解説します。

 

また導入・設定方法や活用方法についても解説しますので、Tag Manager・Analyticsについて知りたいという方はぜひご覧ください。

 

Google Tag Manager(GTM)とは?

Google Tag Manager(GTM)はGoogleが無料で提供しているツールの1つで、Webサイトやモバイルアプリに埋め込むタグを簡単に一元管理・更新できるツールです。

 

従来までの方法ではデータ解析をする場合に、サービスごとのトラッキングコードを発行しWebサイトに埋め込まなければなりませんでした。

 

しかしTag Managerを利用すれば発行したタグをサイト上に埋め込むだけで、Tag Managerの管理画面上からさまざまなサービスのタグ実装・管理ができるようになります。

 

つまりひとつのタグをサイト上に実装するだけで、さまざまなデータを解析できるようにするツールです。

 

Google Analyticsも例外ではなく、Tag Managerのタグを通じてAnalyticsのコード管理を行うこともできます。

 

Google Analytics(GA)とは?

Google Analytics(GA)とは、Webのアクセス解析ツールで無料でありながらさまざまな機能が利用できます。

 

Webサイトを運営する場合には必須のツールともいえるほど機能が充実しており、サイトに訪れたユーザーがどのような属性でどのような動きをしたのかが解析できます。

 

AnalyticsもGoogleが提供しているツールで無料で利用することが可能です。

 

Analyticsで解析できること

  • ユーザー属性
  • 流入経路
  • リアルタイムユーザー数
  • クリック・インプレッション数
  • サイトの中でどういう動きをしたか
  • 滞在時間 など

Analyticsを利用することで今まで見えてこなかったユーザーの細かい動きや訪問者の属性などがわかるため、サイトの改善点を探すことができます。

 

GTMとGAの違いは何?徹底比較

 

GTMとGAの違い

 

GTMとGAの最大の違いは、データを見ることができるかどうかという点にあります。

 

GTMは公式の説明にもあるようにタグを管理するシステムのため、直接データを見るということはできません。

 

Google タグ マネージャーと、ウェブサイトやモバイルアプリに含まれる「タグ」(トラッキング コードや関連するコードの総称)を素早く簡単に更新できるタグ管理システムです。
引用元:Google公式サイト

 

一方GAでは、サイトに訪れたユーザーに関するさまざまな情報がレポート形式で確認できます。

 

Google Analyticsは、ウェブサイトとアプリからデータを収集し、ビジネスに関する分析情報を提供するレポートを作成するプラットフォームです。
引用元:Google公式サイト

 

GTMでGAを含む面倒なタグの管理を一元化・簡略化し、GAで詳細な解析データを閲覧するという形です。

 

導入メリットや注意点も異なりますのでくわしくみていきましょう。

 

Google Tag Managerの導入メリットと注意点

Tag Managerを導入するとタグ管理一元化による作業の効率化などさまざまなメリットがあります。

 

Tag Managerの導入メリット

  • タグ管理・更新の効率化
  • タグ軽量化によるサイトスピードの向上
  • Google以外のタグも実装可能
  • 共同作業が可能になる

 

Tag ManagerはGoogle以外の第三者のタグにも対応しているため、サイトにたくさんのタグを実装する必要がなくなりサイトの軽量化が見込めます。

 

またアクセス権を付与することで、共同作業が可能になるためチーム全体の作業効率化も見込めるでしょう。

 

一方導入には注意点もあるため事前に把握しておくことが大切です。

 

Tag Manager導入時の注意点

  • 対応していないタグもある
  • 導入に時間を要する場合がある

 

Tag Managerは第三者のタグにも対応していますが、世界中すべてのサービスのタグに対応しているわけではありませんので注意が必要です。

 

またTag Manager上でタグを管理する場合にはすでに実装しているタグを外す作業が必要になるため、とくに大規模サイトなどでは導入に時間を要する場合があります。

 

Google Analyticsの導入メリットと注意点

Analyticsを導入することで、ユーザーの細かな動きを把握できるなどさまざまなメリットがあります。

 

Analyticsの導入メリット

  • ユーザー像の把握が可能
  • 詳細なインサイト分析が可能
  • データ活用による作業効率化
  • 外部ツールとの連携が可能

 

Analyticsはユーザー像の把握や細かなインサイトを分析できるほかデータ出力も可能なため、データを活用した作業効率化も見込めます。

 

またTag Managerと同様外部ツールとの連携も可能なため、さまざまなツールと掛け合わせることでより柔軟かつ精度の高い解析が可能になります。

 

Analytics導入時の注意点

  • 関係者のIPアドレスは除外する必要がある
  • 登録サイトを間違えないようにする

 

Analyticsでは初期設定ですべてのIPアドレスが計測されるようになっているため、社内の誰かが確認のためなどで閲覧した場合も計測されてしまいます。

 

そのためデータの正確性を保つためには、関係者のIPアドレスを除外する必要がありますので注意しましょう。

 

またごく当たり前のことではありますが、登録するサイトを間違えてしまうと正確にデータが収集できないためサイト登録時には細心の注意を払うことが大切です。

 

Google Tag ManagerとGoogle Analyticsの設定方法

Google Tag ManagerとGoogle Analyticsを使用する際には事前に設定が必要です。

 

Googleアカウントがあればどちらのツールも無料で利用できるため、まずはGoogleアカウントを準備しましょう。

 

下記ではGoogleアカウント取得以降のそれぞれの設定方法について解説していきます。

 

Google Tag Manager

Tag Managerは下記の手順で設定を進めていきます。

 

  1. Tag Manageにログイン
  2. アカウント・コンテナの設定
  3. Tag Manageをサイトに導入

 

まずは用意したGoogleアカウントでTag Manageにログインしましょう。

 

利用するGoogleアカウントは、ほかのツールでも共通のアカウントを利用すると管理が簡単になるためおすすめです。

 

ログインが完了したら、アカウント作成をクリックしアカウントの設定を行いましょう。

 

TMGアカウント作成1

 

 

TMGアカウント作成2

 

アカウント名はどんな名前にしても問題ありませんが、管理する際にどのサイトに実装しているものなのかが区別できる名前にしておくことがおすすめです。

 

国はプルダウンメニューから日本を選択しましょう。

 

チェックボックスの「Google や他の人と匿名でデータを共有」は、チェックを入れると匿名でデータを共有する代わりに他のデータと比較できるようになります。

 

どちらでも運用上の問題はありませんので、社内の意向などに合わせて設定しましょう。

 

ここまで設定ができたら、コンテナの設定に移っていきます。
コンテナとは:1サイト(1ドメイン)ごとに1つ作成するタグを格納する箱のようなもの

 

コンテナ名の部分には、Tag Managerを実装するサイトのドメインを入力します。

 

弊サイトの場合には「https://moms-lab.jp/blogs/」のうち、「moms-lab.jp」がドメインとなります。

 

ターゲットプラットフォームはTag Managerを実装するデバイスごとに設定していきます。
(今回はWebサイトに実装するため「ウェブ」を選択)

 

設定が完了したら作成ボタンをクリックすれば、アカウント・コンテナの設定が完了します。

 

TMGアカウント作成3

 

設定が完了するとコードが発行されますので、指示に従って2つのコードを<head><body>内にそれぞれコピペしましょう。

 

ここまでTag Managerの設定は完了ですが、計測ツールの導入はしていないため、このままでは計測はできません。

 

本来であればこの後に、タグ・トリガーなどの設定を行い計測できる状態に設定を進めていきます。

 

Google Analytics

Analyticsは下記の手順で設定を進めていきます。

 

  1. Google Analyticsにログイン
  2. アカウント名・プロパティの設定
  3. UA・GA4の計測設定
  4. ビジネス情報入力
  5. サイトへのコード実装&確認

 

まずは、GoogleアカウントでAnalyticsにログインしましょう。

 

「測定を開始」をクリック後、アカウント名・プロパティの設定を進めていきます。

GA4作成1

 

アカウント名は半角2~100文字以内で自由に設定できますが、後から管理しやすいように区別しやすい名前を設定するといいでしょう。

 

GA4作成2

 

その後チェックボックスの説明を読み、任意で設定したうえで「次へ」をクリックしプロパティの設定に進んでいきます。

 

GA4作成4

 

アカウントには複数のプロパティを設定できるため、プロパティごとに区別しやすい名前をつけておくといいでしょう。タイムゾーンや通貨を日本に変更し、詳細オプションを表示をクリックします。

 

GA4作成5

 

Analyticsでは2023年の7月1日から「GA4」という新しい方式のみが利用できるようになりますが、従来のUniversal Analytics(UA)も作成したい場合には両方を作成するにチェックを入れましょう。

 

GA4作成6

 

最後にビジネス情報を入力して「作成」をクリックすれば設定がアカウント・プロパティの設定が完了します。

 

最後にAnalyticsのタグをサイトに実装していきます。

 

GA4作成7

 

<head>内にタグを設置できたらAnalyticsの管理画面上で計測ができているか確認します。

 

正確に設置ができていればデータが閲覧できる状態になっているため、そちらが確認できたらAnalyticsの設定が完了となります。

 

より詳細な設定方法については下記の記事をご覧ください!

【わかりやすい】Googleアナリティクスの設定・設置方法

Google Analytics(アナリティクス)の初期設定で抑えるべき5つのポイントを徹底解説!

 

Google Tag Manager(GTM)の活用方法

 

Google Tag Manager(GTM)の活用方法

 

Tag Managerの活用方法はさまざまありますが、代表的な方法を4つ紹介します。

 

  • マーケティングツールとの連携
  • データ計測
  • アクションの計測
  • データ属性の収集

 

活用方法を理解して、サイトの解析に役立てましょう。

 

マーケティングツールとの連携

Tag Managerは解析ツールだけでなく、マーケティングツールと連携することも可能です。

 

マーケティングツールと掛け合わせることで、解析ツールで解析したデータを元により詳細な分析・改善ができるようになります。

 

管理も楽になりますので、複数のマーケティングツールのタグをTag Manager上で管理しWebサイトの詳細な分析に役立てましょう。

 

データ計測

Analyticsなどの解析ツールと連携することで、データ計測が可能になります。

 

AnalyticsとTag Managerを連携させれば、サイト上に実装するタグもTag Managerのタグのみで良くなりますので管理も楽になるでしょう。

 

またユーザーに関わるデータを計測できればサイト改善に役立てることができるため、サイトを運営していく場合には解析ツールと連携して活用しましょう。

 

アクションの計測

Tag Managerではタグとトリガーを設定することでアクションの計測が可能になります。

 

たとえば、サイト内に設置したボタンがどのくらいクリックされたのかなど、計測したいポイントにタグ・トリガーを追加で設定することで、サイト内で適切に誘導ができているかなどの改善に役立てることができるでしょう。

 

データ属性の収集

Tag Managerではタグを設置することでデータ属性の収集を行うことも可能です。

 

ユーザーの属性データを収集することで、どのようなユーザーがサイトを見てくれているのか解析ができます。

 

ターゲットとしているユーザーと乖離がないかなど、改善点を見つけるためにもデータ属性の収集でもTag Managerを利用しましょう。

 

Google Analytics(GA)の活用方法

 

Google Analytics(GA)の活用方法

 

​​Analyticsの活用方法はさまざまありますが、代表的な方法を3つ紹介します。

 

  • 集客経路の把握
  • ユーザーの行動を分析
  • 「SearchConsole」との連携

 

活用方法を理解して、サイトの解析に役立てましょう。

 

集客経路の把握

Analyticsでは集客経路の把握ができます。

 

ユーザーがどこから流入してきているのかを把握できるため、広告やSNSの効果測定を行ううえでも重要な活用方法です。

 

集客経路は、Analyticsのホーム画面「トラフィックチャネル」から確認できます。

 

ユーザーの行動を分析

​​Analyticsではユーザーの行動をさまざまな指標から分析可能です。

 

滞在時間や離脱率・時間帯ごとのユーザー数など、自分のサイトに訪れたユーザーがどのような動きをしているのか分析するために活用しましょう。

 

滞在時間が短ければ、ページの上部に改善点がある可能性が高いなどサイトの改善に役立てることができます。

 

「SearchConsole」との連携

Analyticsを設定したら、SearchConsoleと連携をしましょう。

 

SearchConsoleもGoogleが無料で提供しているツールで、ページのインデックスや検索キーワードの状況が確認できます。

 

Analyticsと連携することでユーザーの行動とともに、キーワードがどのように推移しているのかなどを同時に分析可能になります。

 

分析の質を上げるためにもSearchConsoleとの連携は必須と言えるでしょう。

 

Search Consoleとの連携方法については下記記事をご覧ください!
Search Console(サーチコンソール)とAnalytics(アナリティクス)を連携して分析する方法

 

まとめ

本記事ではGoogle Tag ManagerとGoogle Analyticsの違いを解説しました。

 

Tag ManagerとAnalyticsは、タグを管理するツールとデータを解析するツールという違いがあります。

 

どちらもGoogleが無料で提供しているツールで親和性も高いため、連携することでサイトの運営・数値の分析を簡略化したうえで精度を向上させることができます。

 

Webサイトを運営するうえではどちらも必須のツールといっても過言ではないため、違いや活用方法を理解しましょう。

 

本記事を参考にTag ManagerとAnalyticsについての理解を深め、企業のWebマーケティングにお役立てください。

 

 

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