ノウハウ
Google Tag Manager(GTM)の使い方|導入メリットや設定方法について解説!
2023年5月28日
Google Tag Manager(GTM)は、Webサイトやモバイルアプリに埋め込むタグを一元管理できるツールです。Googleが無料で提供しており、Googleアカウントさえあれば誰でも利用できます。しかし、使い方を知らないとTag Managerの良さを最大限活かすことはできません。
そこで、本記事ではTag Managerの使い方やメリット・設定方法を中心に解説します。Tag Managerの使い方が知りたいという方は、ぜひご覧ください。
目次
Google Tag Manager(GTM)とは?
Google Tag Manager(GTM)とはGoogleが無料で提供しているツールのひとつで、Webサイトやモバイルアプリに埋め込むタグを簡単に管理・更新できます。
今まではWebサイトを運営するうえでさまざまな解析ツールやサービスを利用するために、ひとつずつタグをサイトに実装する必要がありました。しかしTag Managerを利用すれば、これまでサイトに埋め込んでいたタグを一つにまとめることができるため実装するタグも1つで済みます。そのうえ、更新もTag Manager上で完結できるため、管理の手間も大きく省くことができます。
Googleが提供しているほかのツール(Google Analytics・Google Search Consoleなど)との連携も可能で、併用することでサイト運営のレベルを大きく引き上げることができるツールです。
Google Tag Managerを導入する3つのメリット
Tag Managerはタグを簡単に一元管理・更新できるツールですが、導入することでどんなメリットがあるでしょうか。Tag Managerを導入するメリットは大きく3つあります。
- タグの追加や変更ができる
- タグの一括管理が可能
- 表示速度の改善
メリットを理解してTag Managerの導入を検討してみてください。
1.タグの追加や変更ができる
Tag Managerではタグの追加や変更が簡単に行えます。通常であればサイト上にタグをひとつずつ埋め込む必要がありますが、Tag Managerを利用すれば管理画面上でタグの追加・変更が可能です。複雑なHTMLの知識も必要としないため、非エンジニアであってもタグの追加や変更ができる点は大きなメリットでしょう。
2.タグの一括管理が可能
Tag Managerではタグを一括で管理可能です。従来の方法ではサービスごとにタグを1つ1つ管理し実装する必要がありましたが、Tag Managerを用いればそれらのタグを1つにまとめることができます。すべてを管理画面上で行うことが可能なため、追加や変更の手間だけでなく、管理の工数も大幅に減少させることができるでしょう。
3.表示速度の改善
Tag Managerを利用することでサイトの表示速度の改善を図ることができます。従来の方法でタグを実装していた場合には、Webサイト内に複数のタグが乱立している状態でサイトが重たくなっている可能性があります。
数が増えれば増えるほどサイトは重くなり、表示速度も遅くなっていきます。しかし、Tag Managerを利用すれば複数のタグを1つにまとめることができるため、サイトの軽量化が可能です。軽量化が実現できればサイトの表示スピードも改善されていくでしょう。
Google Tag Managerを導入する2つのデメリット
Tag Managerはタグを一元管理できるツールとしてさまざまな導入メリットがありますが、デメリットもあります。デメリットは大きく2つです。
- 設定が複雑で慣れないと難しい
- HTMLの知識が必要になる場合もある
それぞれを理解したうえで導入を検討するといいでしょう。
1.設定が複雑で慣れないと難しい
Tag Managerはタグを一元管理できますが、設定が複雑なため慣れるまでは操作を難しく感じてしまう可能性があります。
- コンテナ
- ワークスペース
- タグ
- トリガー
- 変数
- バージョン
このように、非エンジニア職の場合にはあまり使わないTag Manager上で使われている言葉も複数あり、どのような意味で使われているのかを理解するにも時間がかかります。設定の段階ではより細かく数式のようなものの設定が必要な場面もありますので、慣れるまでには時間がかかるでしょう。
しかし、従来の方法でサイトに1つ1つタグを実装する作業に比べれば、そこまで難しいことではありません。本記事などやり方を説明している記事を参考にすることで、はじめての方であっても設定を完了させることができるでしょう。
2.HTMLの知識が必要になる場合もある
Tag Managerでは基本的にHTMLの知識を必要としませんが、HTMLの知識が必要になる場合もあります。
たとえば最初の設定でGTMのタグをサイトに実装する必要がありますが、それらは<head>・<body>などの適切な位置に記述する必要があります。また、何か不具合が起こってしまった場合には、直接HTMLのコードを見て原因を突き止める必要などもありますので注意しましょう。しかし、基本的にはHTMLについての複雑な知識は必要としないツールですので、使っていくうちに慣れていくでしょう。
Google Tag Managerの設定方法
Tag ManagerはGoogleアカウントを持っていれば誰でも利用できますが、利用には事前の設定が必要です。Tag Managerの設定方法を下記の3ステップで紹介します。
- アカウントの開設
- コードをページに埋め込みする
- タグ・トリガーの設定を行う
設定の手順を理解し、GTMを使いはじめましょう!
アカウントの開設
まずはGoogleアカウントでTag Managerの公式サイトからログインしましょう。「アカウントの作成」をクリックし、アカウント・コンテナの設定を進めていきます。
アカウント・コンテナの設定では下記の項目を入力していきます。
- アカウント名:自由に設定可能
- 国:プルダウンメニューから選択
- コンテナ名:タグを実装するサイトのURL(ドメイン)を入力
- ターゲットプラットフォーム:タグを実装する環境を選択
アカウント名は自由に設定できますが、後から管理しやすいように区別しやすい名前を設定しておくといいでしょう。またコンテナ名にはURL全体ではなくドメインを入力しますので注意が必要です。
弊サイトを例にすると「https://moms-lab.jp/blogs/」のうち、「moms-lab.jp」の部分がドメインとなります。上記の入力が完了したらアカウントの開設完了です。
コードをページに埋め込む
アカウントの開設が完了したらコードが生成されますので、サイトに埋め込みましょう。
2つのコードが生成されますので、それぞれ<head>・<body>内に実装していきましょう。この際コードを間違ってしまうと適切に計測ができなくなってしまいますので、必ずコピペするようにしてください。
WordPressを利用しているサイトでは専用の箇所が設けられているテーマもありますので注意しましょう。また設けられていない場合でも、プラグインを利用することで簡単にコードを実装できます。
タグ・トリガーの設定を行う
コードをサイトに埋め込むことができたらTag Managerをサイト上で利用する準備完了です。
続いてはタグ・トリガーの設定を行いましょう。タグとトリガーをセットで設定することで、ユーザーが特定のアクションを起こした回数など特定の数値の計測が可能になります。ワークスペースでタグを選択し「新規」をクリックしましょう。
タグ・トリガーそれぞれをクリックするとメニューが展開されますので、計測したい数値に合わせて選択します。たとえばGoogle Analyticsのタグを作成する場合には、「Google アナリティクス: GA4 設定」・「All Pages」を選択するといった形です。
設定が完了したら右上の保存をクリックし、プレビューで確認後に公開しましょう。
公開まで完了すると、設定したタグ・トリガーがサイト上に反映されます。
Google Tag Managerが不要な場合はあるの?
Tag Managerはタグの一元管理ツールとして非常に便利ですが、Webサイトの運営に必ずしもTag Managerが必要というわけではありません。Tag Managerが不要な場合は以下の3パターンが考えられます。
- Google Analyticsしか使用しない場合
- タグを利用しない場合
- 必要なタグがすでに全ページに設定されている場合
ひとつずつ見ていきましょう。
Google Analytics(GA)しか使用しない場合
Google Analytics(GA)しか使用しない場合にはわざわざTag Managerを導入する必要はないでしょう。AnalyticsとTag Managerは連携も可能でタグを1つにまとめることもできますが、数値の解析だけしたいという場合には無理にTag Managerを使う必要はありません。Analyticsではユーザーの行動分析がかなり詳細にできるため、Analyticsの機能のみでサイト運営ができていればTag Managerを使用しなくても問題はないでしょう。
タグを利用しない場合
そもそもタグを利用しない場合にはTag Managerは不要です。
Tag Managerはあくまでタグを一元管理するツールなので、GAなどと連携しなければ数値の解析もできません。たとえばタグ・トリガーを設定しなければ計測できない数値がサイトの運営上なく、計測する必要もないという場合には、タグを利用しないのでTag Managerも不要になるでしょう。
必要なタグがすでに全ページに設置されている場合
タグを使用している場合でも必要なタグがすでに設置されている場合にも、Tag Managerは不要になる可能性が高いです。Tag Managerを利用するとタグを一元管理できるようにはなりますが、移行する場合にはすでに設置されているタグを1ページずつ削除する必要があります。
そのため、現在の環境で問題が出ていないのであれば、わざわざTag Managerに移行する手間をかける必要はないでしょう。しかし、将来的にタグを追加していきたい・サイトスピードを改善したいなどの場合にはTag Managerへの移行がおすすめです。
Google Tag Managerを使う際の2つの注意点
Tag Managerは便利なツールですが、使う際には注意点が2つあります。
- タグの重複設定
- GTMに非対応のタグもある
注意点を把握したうえで、Tag Managerの利用を検討しましょう。
タグの重複設定
Tag Managerを使う際にはタグの重複設定に注意しましょう。タグが重複してしまうと1動作に対して複数回数値が計測されてしまうため、正確なデータが取れなくなってしまいます。
また、サイトに余計な負荷がかかってしまうため、サイトスピードが低下してしまう可能性もあります。
●重複設定のよくある原因
- タグ・トリガー名を適当に決めてしまい集計するタグに重複が起こっている
- 元々のタグを残したままTag Managerも利用している
従来の方法からTag Managerに移行する場合には元々のタグを削除する、タグ・トリガー名は区別しやすい名前を設定するなどの工夫で重複設定をしないようにしましょう。
GTMに非対応のタグもある
GTMはさまざまな種類のサービスに対応していますが、非対応のタグもありますので注意しましょう。
GTMで利用できるタグは下記のページから確認できます。
タグマネージャーヘルプページ
ツール・サービスを選ぶ際には、GTMに対応しているかという観点も考慮するといいでしょう。
まとめ
ここまで Google Tag Managerについて使い方やメリット・デメリットなどを解説していきました。
Tag Managerはタグを簡単に一元管理・更新できる無料のツールです。利用することで管理工数を大幅に減少させたり、サイトスピードを改善させたりといった効果が期待できます。導入方法は簡単ですが、タグやトリガーの設定には慣れが必要でしょう。
本記事を参考にTag Managerの使い方に理解を深めWebサイトの運営にお役立てください。