ノウハウ
X(旧Twitter)を使用し無料でできるマーケティング施策は?成功に必要なポイントや注意点
2023年11月22日
X(旧Twitter)は、無料で多くのユーザーにリーチできる、マーケティングに非常に有効なツールです。BtoB/BtoCにおいて重要な役割を果たしています。
本記事ではXマーケティングで無料でできる施策や、施策を行うときのポイントのほか、注意点等を詳しく解説します。
目次
X(旧Twitter)マーケティングとは?
Xマーケティングは、Xの機能を活用し、企業団体の認知度向上、顧客獲得、ブランディング、宣伝、顧客とのコミュニケーションなどの目標達成を目指すマーケティング手法です。
Xは世界中で数億人以上のユーザーが利用しており、リアルタイムの情報発信やトレンドの追跡、コミュニティの形成など、さまざまな用途に活用されています。そのため、ビジネスにとっても重要なプラットフォームです。
Xの機能や情報については、こちらの記事もご参考ください。
「X(旧Twitter)」の今後の変化を考察&Threadsとの使い分けは?
X(旧Twitter)で予約投稿する方法や手順は?おすすめのアプリやツールも紹介
マーケ施策の強みになる、Xの特徴 5つ
Xには下記の5つの特徴があり、それぞれをマーケティングのメリットとしてに生かすことができます。
- 日本で2番目に人気のSNS
- リアルタイム性が高い
- 拡散性が高い
- コミュニケーション重視
- マイクロコンテンツで運用できる
1.日本で2番目に人気のSNS
引用:Statista「2023年第3四半期時点 日本で最も人気のSNS(ソーシャルメディア)プラットフォーム」
世界No.1シェアの統計調査プラットフォームStatista「2023年第3四半期時点 日本で最も人気のSNS(ソーシャルメディア)プラットフォーム」調査(※2)では、回答者の55.2%がXを使用しており、日本で2番目に人気のあるSNSとなっています。
ユーザーの年齢層は上から20代(78.8%)、30代(55.5%)、10代(54.3%)、40代(44.5%)(※1)です。
2.リアルタイム性が高い
Xは即時的な情報交換が行えるリアルタイムプラットフォームで、ニュースや最新の出来事に即座に反応するアルゴリズムを実装しています。
ニュース速報よりもXのタイムラインでの情報速度のほうが早い印象をお持ちの方も多いのではないでしょうか。どのような投稿もリアルタイムに発信および収集できるため、ユーザーとの即時性の高い対話が可能です。
3.拡散性が高い
Xでは、ユーザーの「リポスト(旧リツイート)」やエンゲージメント(いいね、保存、シェア等)により、情報が爆発的に拡散する可能性があります。
リポストは気になる投稿をワンタップで気軽に拡散する仕様になっており、リポストされた投稿はユーザーのタイムラインに表示されます。ユーザー間での情報交換に欠かせない機能です。
なおインフルエンサーや広告等有料施策の活用で更に大きな拡散効果を得ることもできます。
4.コミュニケーション重視
Xでは、「リポスト(旧リツイート)」やエンゲージメント(いいね、保存、シェア等)などでユーザー間のコミュニケーションが活発化しやすい設計がなされています。
またユーザーからのフィードバックや質問に対し、迅速に対応することも求められます。
5.マイクロコンテンツで運用できる
Xは、1投稿あたり最大140文字のテキストに加え、動画や画像も投稿できます。InstagramやTikTok等、コンテンツのボリュームや制作コストが増大しやすいSNSと比較すると制作コストが抑えられる傾向かつ、マイクロコンテンツでの運用が可能です。
なお他SNS同様、クリエイティビティが高く魅力的なコンテンツが求められます。またX独自の文化として「Twitter構文」「インターネットミーム」を活用した投稿も歓迎される風土があります。
ユーザーの注意を引き、興味を持ってもらえるようなコンテンツ戦略が重要です。
Xで無料でできるマーケティング施策6つ
Xを活用したマーケティングでは、無料の範囲でも効果的な戦略を展開することが可能です。
- アカウント運用/投稿作成
- ギフテッド or モニター施策
- キャンペーン
- リアルイベントとの連動
- ユーザーコンテンツ(UGC)の活用
- Xウィジェットの埋め込み
1.アカウント運用/投稿作成
貴社や製品・サービスの公式アカウントを作成し、運用します。
投稿やスペースの利用など発信活動のみならず、アカウント全体や発信の結果を確認するアナリティクスでの数値確認も無料で行うことができます。
▼アカウント運用で無料でできること
- プロフィール設定
- 画像・動画投稿
- ハッシュタグを投稿に付与
- トレンドの把握
- スペース(音声配信)の利用
- ブックマーク管理
- アナリティクスでの数値確認、分析
2.ギフテッド or モニター施策
インフルエンサーや、Xアカウントを公開し投稿発信をしている一般の方に自社の製品やサービスを無償提供する代わりに、PR投稿を行ってもらう手法です。
ただし無料でできる範囲の場合は起用者のフォロワー数が少ない傾向があるため、リーチ拡大というよりも、起用者コミュニティ内での認知度向上や、販促素材としての写真画像獲得などの用途で行うことをおすすめします。
写真画像獲得を行う場合、各起用者ごとに著作権譲渡契約の締結などが必要なことがあるため、留意しましょう。
また、施策の運用や取りまとめ、起用者との交渉ややり取り、レポーティング等を外部委託すると費用が発生します。
3.キャンペーン
アカウントのフォロワーを増やすキャンペーンを実施します。フォロワーにとってメリットのあるインセンティブ(プレゼント当選やクーポン獲得)を打ち出すことが重要です。
応募要件には指定ハッシュタグやエンゲージメント指標(いいねやコメント)を用いるほか、製品やサービスを使用している写真を用いるなどがあります。
この施策でも、施策の運用や取りまとめ、インセンティブ手配、レポーティング等を外部委託すると費用が発生します。サードパーティ製のキャンペーンツールとしては、その場で抽選結果がわかる「インスタントウィン」と呼ばれるくじ引き型タイプが人気です。
▼応募条件の一般的な例
- アカウントのフォロー
- 投稿へのいいね
- 投稿のリツイート
- 投稿への引用リツイート
- ハッシュタグ付きのコメント投稿
4,リアルイベントとの連動
オフラインのイベントや店頭フェアとの連携を行い、Xアカウントのフォロワーやエンゲージメントの増加を狙います。
イベントの告知や参加者の投稿をリポストしたり紹介することで、SNS上でも賑わいを作り出すこともできます。
5.ユーザーコンテンツ(UGC)の活用
フォロワーから収集したユーザー投稿写真や動画をWebサイトやアプリに掲載します。
Xからの誘導で自社サイトへのトラフィックを獲得することにもつながります。
6.Xウィジェットの埋め込み
Webサイトやアプリ等にXウィジェットを埋め込むことで、最新の投稿やXのフォロワー数を表示させることができます。
Webサイトやアプリを訪問したユーザーとの関係を強化し、ユーザーエンゲージメント向上を狙うことができます。
Xで施策を行うときに重要な成功ポイント4つ
Xで施策を成功させるために必要なポイントは、下記の4つです。なお、マーケティングプロセスの基礎知識についてはこちらもご参考ください。
- ターゲット設定
- ハッシュタグ活用
- アクティブユーザーが多い時間帯に投稿する
- アナリティクス分析
1.ターゲット設定、ペルソナ設定
施策の対象となるユーザーの属性や項目を設定します。ママ向けのターゲット要素の例についてはこちらもご参考ください。
▼主なターゲット属性
- 属性:年齢、居住地など
- 家族構成・状況:家族の年齢、性別、ポジション、就労状況など
- 子どもの情報:年齢、性別、保育園または幼稚園、学歴、習い事など
- 仕事の有無:育休・産休中、雇用形態、業種・職種など
なおターゲットの情報をもとにした仮想ユーザーであるペルソナを設定することで、顧客の興味やニーズを把握しやすくなります。特定の顧客セグメントを明確にし、ユーザーとの関係構築を深めることもできます。
2.ハッシュタグの活用
Xでは、トレンドのハッシュタグ情報を常に公開しています。人気のハッシュタグを活用することで、効率よくインプレッション数を向上させることが可能です。
人気ハッシュタグは、ハッシュタグのジャンルごとにタブが分かれている「トレンド」画面から確認できます。なお投稿の際は、投稿する文章とハッシュタグの内容を紐付けるようにしましょう。
▼人気ハッシュタグの確認方法
- Xのホーム画面から「トレンド」にアクセス
- 「トレンド」のタブから目的のジャンルのハッシュタグを確認
3.アクティブユーザーが多い時間帯に投稿する
Xを閲覧するユーザー数が多い時間帯に投稿することで、ユーザーの目にとまるタイミングを逃さずに投稿を届けることができます。
なお、平日よりも土日・祝日のほうがアクティブユーザー数がやや多い印象です。
▼アクティブユーザーが増加する時間帯(※3)
- 7~8時:通学・通勤
- 12~13時:ランチ・お昼休憩
- 15~17時:放課後
- 20~22時:ゴールデンタイム
4.アナリティクス分析
アナリティクスで習得した数値を分析することで、投稿や施策のパフォーマンスを定量的に把握し、効果を検証できます。投稿や施策の改善検証や反応予測を立てることも可能です。
さらにデータに基づいた意思決定も行えるようになります。
▼アナリティクスで確認できること
- インプレッション測定
- エンゲージメント測定
- フォロワー属性の把握
- ユーザー構造の把握
- 炎上可能性の把握
マーケ施策でXを活用するときの注意点
マーケ施策でXを活用するとき、注意したい事柄がいくつかあります。
1.認証済みアカウント以外は広告配信ができない
X広告を出稿するときには、広告ポリシーに準拠していることのほか、一定条件を満たしている必要があります(※4)。
なお、広告の配信が実施される前には出稿元アカウントの認証が行われます。審査が完了するまでは「認証待ち」状態となりますが、認証は24~48時間で完了します。認証が完了すると広告配信を実施できます。また、広告を配信する際は費用が発生します。
2.炎上リスクがある
Xは拡散力が高く、投稿のリーチがリアルタイムで瞬時拡大される特性があります。そのため投稿がマイナスやネガティブに解釈され大きな反響を呼び、想定外の範囲でブランドイメージが傷つく「炎上」に発展する危険があるのです。
投稿内容をよく確認し、誤解を招く表現は避けることに留意しましょう。必要に応じて専門家に監修を依頼したり、公的機関の発信情報をファクトとすることも重要です。さらに、炎上発生時の対応マニュアルを策定しておきましょう。
万が一炎上が発生した場合は、迅速かつ適切な対応が必要です。状況を把握しながら原因を特定し、対策を講じます。一連の経緯を関係者に説明することも求められます。
▼炎上リスクを高める投稿例
- 差別的な表現
- 世間の空気を読み違えた内容
- 誹謗中傷
- 誤情報
- ユーザーに対する批判的なコメント対応
- ユーザーに対する不適切なコメント対応
3.法的な制約の遵守
Xを使用したマーケティングの際には、関連する法的な規制や制約を遵守することが重要です。
特に、消費者保護法や個人情報保護法などの法律や規制に準拠することに気を付けましょう。
4.リアルタイム対応の徹底
Xは瞬時にトレンドが生まれ、拡散するプラットフォームです。
Xの強みを生かした施策を成功させるためには、タイムリーな情報発信とユーザー反応への即時対応が求められます。それらを実行できる運用体制構築や予算分配を検討しましょう。
まとめ
Xは今やWebマーケティングにとって欠かせないツールの一つです。短くてインパクトのあるメッセージを通じて、ブランディングやリーチ拡大、リード獲得など、さまざまなマーケティング活動が可能です。
リアルタイム対応力、ブランディングの徹底、コンテンツ作りへの工夫、適切なアカウントマネジメント、モニタリングと分析の継続などが欠かせませんが、Xの特性を理解し、注意点を押さえた上で施策を実行することが成功への鍵となるはずです。
参考・引用
※1…総務省情報通信政策研究所「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書<概要>(令和5年6月)」
※2…statista「2023年第3四半期時点 日本で最も人気のSNS(ソーシャルメディア)プラットフォーム」
※3…NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社「VOCマネジメント X (旧Twitter)で拡散を狙うには?ツイートの時間帯や投稿のコツを紹介」
※4…X広告に関するヘルプセンター「X広告への参加資格について」