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【2022年12月調査】未就学児ママのTikTok利用率は約2割!ただし利用者の約65%は1日1回以上アクセス――未就学児ママのTikTok利用状況アンケート
2023年1月31日
マムズラボでは、25歳~44歳の未就学児ママを対象にTikTokの利用状況に関するアンケートを実施しました。昨今注目されているTikTokの利用状況や利用目的なども記載しています。
今やTikTokは、若者だけでなく幅広い層のユーザーに利用されているSNSです。従来のTikTokのイメージとは異なり、コンテンツの種類は多様化し、ノウハウや生活に役立つヒントなど有益な情報が発信されています。
今後は、企業やメディアの認知拡大や商品の販売促進を狙って、TikTokに参入する企業が増加すると考えられます。しかし、現在では、企業用のTikTokアカウントを活用する事例は少ないため、「どうTikTokを活用するか」と悩んでいる企業も多いのではないでしょうか。
本記事では、25歳~44歳の未就学児ママへ実施したTikTokの利用調査の結果をまとめました。子育て世代や主婦層をターゲットとしたTikTokのマーケティング戦略の参考にしてください。
目次
25歳~44歳の未就学児ママが直近1カ月で利用したSNSは?
25歳~44歳の未就学児ママを対象に、TikTokを含む各種SNSの利用状況を調査しました。
直近1カ月で最も利用率の高いSNSは「LINE(83.9%)」、利用率の高い順に「インスタグラム(66.5%)」「YouTube(66.1%)」「Twitter(42.6%)」と続きます。
TikTokの利用率は18.6%と、他のSNSと比較して利用率が低い結果となりました。
年代によって、SNSの利用状況は少し異なります。
特に25歳〜34歳の方は、「TikTok」「Twitter」「Instagram」の利用率が高いとわかりました。
現時点の利用状況から、「TikTokよりも他のSNSを活用した方がより多くの人にリーチできる」と考えられます。しかし、TikTokは比較的新しいサービスであり、今後利用者が増加する可能性があります。
そこで、日本におけるTikTok利用者の推移を確認しましょう。
日本におけるTikTokの利用状況
令和3年度に総務省が実施した調査によると、国内のTikTokの利用率は全年代で25.1%と、約4人に1人の割合で利用されています。
現時点でのTikTok利用率は低いですが、一年で全世代の利用率が7.8%も増加しています。年代別に見ても、各世代でTikTokの利用率が増加する傾向にあります。
ショートムービーの流行をきっかけに、近年TikTokの利用者が増加しました。
TikTokのリリース当初は、若者をメインターゲットとし、15秒までの「音楽に合わせた口パク動画」や「ダンス動画」、「お笑い動画」が中心でした。認知度拡大に伴い、コンテンツの種類が多様化し、今や情報収集ツールとしても活用されています。
TikTokの利用者は増加傾向にあるため、早い段階で参入し、TikTokを活用して顧客の獲得や商品の販売促進を行いましょう。
25歳~44歳の未就学児ママを対象に、TikTok利用状況に関するアンケートを実施
当社では、25歳〜44歳の未就学児ママ242人を対象に、TikTokに関するアンケート調査を実施しました(調査期間:2022年12月22日、調査方法:Webアンケート)。調査した項目は、以下の9つです。
- TikTokを利用しない理由
- TikTokアカウントを所有しているか
- TikTokを利用する目的
- TikTokにアクセスする頻度
- TikTokの1回の利用時間
- TikTokを利用するタイミング
- TikTokで閲覧するコンテンツ
- TikTokへの投稿頻度
- TikTokへ投稿するコンテンツ
調査結果を元にして、子育て世代や主婦層へのTikTokマーケティングに役立ててください。
TikTokを利用しない理由の第1位は「使い方や魅力が分からない」
直近1カ月で「TikTokを利用していない」と回答した方を対象に、TikTokを利用しない理由を調査しました。
TikTokを利用しない理由の中で、最も多かったのが「TikTokの使い方や魅力がわからないから」という回答です。次に「他のSNSで満足している」という回答が多い結果となりました。
他の理由としては、「特に発信したい情報がないから(22.3%)」、「TikTokは若者が使っている印象で抵抗がある(17.3%)」が挙げられます。TikTokに対して、「若者向けのSNS」として認識している層も一定数存在します。
では、年代別の「TikTokを利用しない理由」を確認しましょう。
年齢に比例して、複数の理由を選択する傾向にあります。つまり、「年齢が高い人ほど、TikTokの利用に対して消極的である」と判断できます。
TikTokを利用する未就学児ママの35.6%はアカウントを持たずに利用
「直近1カ月でTikTokを利用した」と回答した方に、アカウントの有無を調査した結果、35.6%の方が「TikTokアカウントを持っていない」と回答しました。
TikTokでは、アカウントがなくても動画の閲覧や検索ができるため、アカウントを作成せず、TikTokを利用する方も一定数存在します。ただし、アカウントがない状態では、動画の投稿や「いいね」「コメント」などのリアクション機能を使用できません。
年齢別のアカウント所有率を見ると、25歳〜29歳のうち、半数がアカウントを作成せずにTikTokを利用しています。
TikTokを利用していてもアカウント所有率はそれほど高くないため、「動画を投稿する目的でTikTokを利用する方は多くない」と推測できます。
TikTokを利用する目的の第1位は「趣味に関する情報収集」
TikTokの利用目的を調査した結果、(「暇つぶし」を除いて)一番多かった利用目的は「趣味に関する情報収集」という回答でした。続いて「友人や知人とのコミュニケーションツールとして使用」と回答した方が二番目に多くなっています。
「趣味」「家事育児」「仕事」に関する情報収集の目的で、TikTokを利用する人も多いです。
TikTokは、指でスライドすると次の動画が再生され、短時間で多くの情報を取得できます。TikTokは情報収集ツールとして、今後も利用者が拡大すると考えられます。
以下のグラフで、年齢別のTikTokの利用目的を確認してください。
25歳〜29歳の大半が、暇つぶしにTikTokを利用しており、他の年代と比較すると情報収集の目的で利用する割合は低くなっています。
約65%のユーザーは1日1回TikTokにアクセスしている
では、未就学児ママのTikTokの利用頻度は、どれくらいなのでしょうか。
調査の結果、合計で64.5%の方が「1日に数回」や「1日に1回」と回答しました。つまり、「TikTok利用者の約3分の2が、1日1回以上アクセスしている」ことがわかります。
年齢別の利用頻度は、以下のグラフで確認してください。
25歳〜29歳の方の中では「1日に数回以上」と回答した方が最も多いため、「TikTokを見ることが習慣になっている利用者が多い」と推測できます。
1回のアクセスでTikTokを視聴する時間は5分以上15分未満が最多
次に、TikTokへの1回のアクセスに対する視聴時間を調査しました。
TikTokの1回のアクセスで「5分〜15分」視聴している方が最も多く(37.8%)、次いで「15分〜30分」視聴している方が多い(28.9%)結果となりました。
TikTokでは、個人の興味関心に合わせて、おすすめ動画が表示されます。単体では動画の尺が短いですが、おすすめ動画を次々に視聴するため、合計の視聴時間が長くなる傾向にあります。
以下のグラフで、年代別の視聴時間を確認しましょう。
25歳〜34歳の方の大半は視聴時間が15分以下で、隙間時間で少しずつ視聴していることがわかります。
一方で、35歳〜39歳の方の大半は視聴時間が「15分〜30分」で、「まとまった時間で動画を視聴している」と考えられます。
TikTokの利用シーン
次に、「どのようなタイミングでTikTokを利用しているか」を調査しました。TikTokの投稿時間の参考にしてください。
半数以上の方が「家でゆっくりしている時」と回答し、次いで「子供の就寝後(35.6%)」「就寝する前(28.9%)」「朝起きた時(24.4%)」の回答が多い結果となりました。
未就学児ママは、「家事や育児が終わって一息ついた時」や「就寝前や起床後」にTikTokを利用しているようです。
どの年代でも、「家でゆっくりしている時」を除いて、「朝起きた後」「子どもの就寝後」「就寝する前」にTikTokを利用する方が多いことがわかります。
未就学児ママが動画を閲覧する「起床後」や「就寝前」の時間帯を狙って、動画を投稿しましょう。
TikTokで閲覧されているコンテンツ
TikTokで閲覧するコンテンツについて、アンケート調査を実施しました。
「家事育児」を閲覧する方の割合が突出しており、次いで「お笑い」や「音楽」を閲覧する方の割合が高い結果となりました。未就学児ママは、TikTokで「家事育児に関する情報収集や、エンタメ系の動画を視聴している」とわかります。また、「グルメ」「旅行」「アニメ」など、趣味に関する動画を視聴する層も存在します。
年代別に視聴するコンテンツの種類を、以下のグラフで確認してください。
25歳〜34歳の方は、他の年代と比較して「家事育児」のコンテンツを視聴する人が多いです。この年齢層に「家事や育児に関する有益な情報を発信すると反応率は高くなる」と予測できます。
約49%のユーザーはTikTokに1回も投稿したことがない
TikTokでの投稿頻度を調査した結果、約半数(48.9%)の方が「一度も投稿したことがない」と回答しました。TikTokでは動画の視聴をメインとしている方が多く、自分で動画を投稿する方は少ない傾向にあります。
年代別に回答を整理しても、全年代でTikTokへの投稿頻度が低いことが読み取れます。
TikTokで投稿するコンテンツ
TikTokに投稿したことのある方を対象に、「どのようなコンテンツを投稿しているか」を調査しました。
最も多いコンテンツは「家事育児」、二番目多かったのは「お笑い」と回答した方です。他には、「豆知識」や「特に決まっていない」と回答した方が21.7%いました。
投稿したコンテンツについて、年代別の調査結果を以下のグラフにまとめました。
TikTokのアルゴリズムでは、表示されるおすすめ動画は、投稿するコンテンツにも影響を受けます。つまり、家事育児に関する動画を投稿する未就学児ママには、家事育児に関連する動画がおすすめ動画に表示される傾向にあります。
未就学児ママのTikTok利用状況まとめ
ここまでの未就学児ママのTikTok利用状況を、簡潔にまとめます。
年齢別の調査結果を比較すると、年齢層によって以下のように特徴が異なります。
25歳〜34歳の層は、TikTokに1日に1回以上アクセスし、1回の視聴時間は15分以下と隙間時間でTikTokを利用しています。また、「家事育児のコンテンツ」を視聴する割合が最も多い年代です。
一方、35歳〜39歳の方は、1回のアクセスにつき15分〜30分の方が最も多く、余裕のある時間でゆっくりと動画を視聴しています。
ただし、年齢の高さに比例して、TikTokの利用に対して消極的になる傾向があります。
まとめ
調査の結果から、25歳〜44歳の未就学児ママは、TikTokで育児・家事や趣味に関する情報収集をする方の割合が多いことが判明しました。
未就学児ママをターゲットとしてTikTokを活用するなら、「起床時」や「就寝時」のタイミングで育児家事に役立つコンテンツの発信を行いましょう。ただし、ターゲットによっては趣味に関するコンテンツの発信も効果的です。
ただし、年齢層によって「利用目的」「視聴時間」「視聴するコンテンツ」が少し異なるため、ターゲットに合わせた動画を投稿してください。