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【2022年12月更新】企業のSNSアカウント運用とは?意識すべき4つのポイント
2022年12月16日
企業やブランドの認知、サービスや商品の販売促進としてもSNSは活用されています。しかし、多様な媒体があるため、選択や活用方法に悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、SNSアカウントの運用方法と媒体の特徴、選び方のポイントなどをご紹介します。
昨今のSNSは、企業・ブランドの認知、サービスの販売促進の手段として活用されています。しかし、企業のSNSアカウントを運用するにあたって、「どのSNSを活用するのか」「どのように取り組むべきか」と迷う方も多いのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、企業のSNSアカウント運用について解説します。活用するSNSの選び方や、SNSを始める時のポイントを紹介していますので、企業のイメージアップや売上向上にお役立てください。
目次
企業におけるSNSアカウント運用とは?
企業におけるSNSアカウント運用とは「SNSで企業専用の公式アカウントを作成して情報発信を行うこと」を指しています。主に「LINE」「Twitter」「Instagram」「Facebook」「YouTube」などのSNSが利用されています。
発信内容は、企業のニュースや自社製品について、お役立ち情報やキャンペーンなどさまざまです。他のメディアと異なり、SNSは拡散性が高く、多くの人に情報を届けることが可能です。
企業がSNSアカウントを運用する目的は主に以下の4つです。
- 企業やブランドイメージの定着
- ファンの獲得
- 自社製品やサービスの販売促進
- 利用者とのコミュニケーション
ブランドやサービスごとに、SNSアカウントを運用する企業もあります。幅広い年代でSNSが利用されているため、SNSはブランドや製品のPRに最適なツールといえます。SNSを運用することで成果につながる可能性が高まるため、積極的にSNSを活用しましょう。
企業がSNSアカウントを運用するメリット
企業がSNSアカウントを運用するメリットは、大きく分けて以下に分類されます。
- 低コストで運用できる
- 自社製品やサービスの販売促進ができる
- ブランディングができる
- 利用者の声を直接聞ける
SNSアカウント運用の最大のメリットは、低コストで運用できる点です。SNSの運用には、人件費がかかりますが、SNSのアカウント発行や情報発信自体にはコストが発生しません。仮にSNSの運用を外注した場合でも、他のマーケティング施策やプロモーション費と比較するとコストを抑えることができるでしょう。
続いて、SNSをきっかけに、自社製品やサービスの販売促進ができるという点では、潜在顧客へのアプローチによる集客ツールとして効果があります。SNSは拡散性が高く、多くのユーザーに情報を届けることができます。動画や写真を使用したPRも可能なため、自社ブランドに興味を持ってもらうきっかけにもなるでしょう。
また、企業のSNSアカウントで継続的に情報を発信することは、イメージの定着にもつながります。ターゲットユーザーにあまり認知されていない企業やブランドでも、SNSを活用してブランディングが可能です。
顧客との双方のコミュニケーションによって、自社製品やサービスに対するフィードバックをもらうことができるのも魅力です。自社製品やサービスの課題や改善点が見つかり、製品やサービスのアップデートにつながります。
以上のように、SNSアカウント運用は様々なメリットがある施策なのです。
SNSアカウント運用とSNS広告運用について
「SNSアカウント運用」と混同しやすい用語として「SNS広告運用」が挙げられます。しかし、2つの用語の意味は異なるため区別しておかなければなりません。
SNS広告運用とは「ユーザーのSNS上の画面に広告を配信し、自社製品やサービスの販売促進やブランドの認知拡大を図ること」です。
SNS広告では、SNSに登録しているユーザー情報やSNS上の行動データを元に、精度の高いターゲティングを行います。そのため、興味や関心のあるユーザーのSNS上に広告を表示させ、購買へと誘導しやすくなるのです。
SNS広告はタイムラインやストーリーに自然に溶け込み、「広告がある」と感じにくいため、ユーザーに受け入れられやすいことも特徴といえます。
一方のSNSアカウント運用は、主に情報の発信や顧客とのコミュニケーションを目的にしているため、SNS広告運用とは異なるマーケティング手法です。
SNSアカウント運用の業務とは?
SNSアカウント運用の主な業務は以下の通りです。
- 継続的な情報の発信
- コメントやDMへの返信
- データの分析や発信内容の改善
- コンテンツの企画やリサーチ
SNSの運用では即効性は低く、長期的に継続することで少しずつ成果を得られるようになります。長期間、コンテンツを作成し続ける必要があるため、決して楽な業務ではありません。SNS運用のために、一定のリソース(人材や時間)を確保することも必要です。
SNSを中心に集客する場合は、SNS広告運用やインフルエンサーマーケティング、SNSでのキャンペーンと組み合わせてください。
SNS広告運用の業務とは?
SNS広告運用の主な業務は以下の通りです。
- SNSアカウントの作成
- 広告の企画、出稿
- 広告効果の分析
- 広告の改善
SNS広告は、精度の高いターゲティングができる、費用対効果の高いマーケティング施策です。しかし、細かくターゲティングを設定できる反面、最適な広告効果を得るためには試行錯誤を繰り返さなければいけません。長期間運用し続けることを前提に、分析と改善を行いましょう。
企業はどのSNS媒体を選ぶべき?日本の利用状況から観るSNS動向
SNS運用を始める際に重要になるのは、「どのSNS媒体を選択するか」という点です。
媒体ごとに利用ユーザーの年齢層や特性が異なるため、自社に合ったSNS媒体を選択しましょう。参考材料として、以下で年代別のSNSの利用状況を解説します。
1.日本における年代別ソーシャルメディアの利用時間
総務省情報通信政策研究所の「令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、年代別ソーシャルメディアの利用時間は、以下の表の通りです。
10代や20代の若年層は、平日でもSNSを1時間以上利用しています。休日は20代の利用時間が大きく増加するため、「20代は主にSNSで情報収集している」と判断できます。企業やブランドのメインターゲットが10代〜30代であれば、SNSマーケティングで成果を得られる可能性は高いと想定できます。
以下で解説する利用率をもとに、運用するSNSを選びましょう。
2.日本におけるソーシャルメディア系サービスの利用率
総務省情報通信政策研究所の「令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、ソーシャルメディア系サービスの利用率は、以下の表のとおりです。
上記のデータを元に、各ソーシャルメディア系サービスの特徴をまとめました。
- LINE:全年代で90%を超える利用率
- Twitter:20代を中心に幅広い年代で利用されている
- Facebook:主に30代や40代が利用しており、利用率はあまり伸びていない
- Instagram:10代や20代では70%を超える利用率で、女性を中心に利用率が増加している
- TikTok:10代や20代で約50%の利用率
- YouTube:全年代で約90%の利用率
SNSの中で、利用者が最も多いのが「LINE」です。全年代で90%を超える普及率であるため、多くのユーザーにアプローチできます。
「Twitter」は、幅広い年代に利用されているSNSです。Twitterを運営する企業やブランドアカウントも多く存在するため、企業と共同でイベントやキャンペーンを実施できます。
「Facebook」は、30代や40代の利用率が40%以上と高いSNSです。ビジネスアカウントを作成でき、イベントやコミュニティの立ち上げに向いています。
「Instagram」は、女性の利用者が多く、若年層はもちろん30代や40代でも約半数の方が利用しています。Instagramは写真や動画を活用して、多くのユーザーに拡散できるSNSです。
動画を使用するSNSでは、短時間で多くの情報を伝えられます。動画のSNSの中で、特に10代や20代が利用しているのが、「TikTok」です。ショート動画が中心で、企業にとっても利用しやすいSNSへと成長しています。
幅広い年代で利用されているのが、「YouTube」です。TikTokと異なり、長時間動画の投稿が可能で、動画が蓄積され続けます。
以上のSNS媒体別の特徴を元に利用するSNSを決定してください。SNS運用に回せるリソースに余裕があるなら、複数の媒体を同時に運営しても構いません。ただし、媒体の特徴に合わせた情報の発信が大切です。
企業のSNSアカウント運用で意識すべき4つのポイント
SNSアカウントを運用する際のポイントは以下の4つです。
- SNS運用を行う「目的」を明確にする
- 情報届けたいターゲットを決める
- 予期しない事態に備えてポリシーと運用体制を整える
- 計画的にコンテンツを作成する
上記のポイントについて詳しく説明します。
SNS運用を行う「目的」を明確にする
「売上の増加」「自社ブランドの認知拡大」「ファンの増加」など、SNS運用を行う「目的」を明確にしましょう。
SNSアカウントの運用では、「フォロワー数を増加させること」を目的に設定しがちです。しかし、フォロワーの数は、目的を達成するための過程であり、目的にすべきではありません。「フォロワーが増加した後、何を達成すべきか」を考えて、適切な目標を決定してください。
目的を設定した後は、数値で測定できる目標に落とし込みます。数値で目標を設定することで、目標に対する進捗状況を常に把握できます。目的や目標を設定した後は、SNSを運用するメンバー全員に共有しましょう。
情報を届けたいターゲットを決める
目的を明確にした後は、情報を発信するターゲットを決定しましょう。
年齢や性別、趣味などの項目をもとにターゲットを設定します。ターゲットが明確であるほど、顧客視点でコンテンツを設計しやすく、共感されるコンテンツや刺さるコンテンツを作成できるでしょう。
SNSを利用する「目的」や「時間帯」を設定すれば、具体的にターゲットを想像しやすくなります。目的と同様に、設定したターゲットは共有してください。
予期しない事態に備えてポリシーと運用体制を整える
SNSを利用するデメリットは、炎上やアカウント乗っ取りなどのリスクが伴うことです。企業側が投稿内容に配慮していても、ユーザーによる発言で企業のブランドイメージが傷ついてしまった事例もあります。
とはいえ、ユーザーによる投稿を制限することはできないため、想定外の事態に備えてポリシーや運用体制を整える必要があります。
ポリシーとは、SNSの運用目的や発信内容の方向性などを定めたガイドラインのことです。ポリシーを定めることで、複数人での運営であっても、SNSの目的や方向性が統一され、担当者が変更した場合でも投稿内容にズレが生じにくくなります。
また、炎上やアカウントの乗っ取りなどのトラブルに備えて、緊急時のマニュアルを作成しましょう。トラブル時の対応手順を時系列にまとめておくと、万が一の時にも迅速に対応でき、被害を最小限に抑えられます。
計画的にコンテンツを作成する
企業のSNS運用では、事前に計画を立てて取り組むことが重要です。特に、新製品や新サービスをリリースする予定なら、数ヶ月前から関連するコンテンツを発信して、購買意欲を高める必要があります。
月に一度は社内会議を行い、「投稿内容」や「イベントやキャンペーン企画」を決定しましょう。データ分析を元に、「投稿内容」「時間帯」「顧客とのコミュニケーション方法」などの改善も必要です。
継続的にSNSを運用して、ファンの獲得や企業の認知拡大を図るために、計画性を持ってSNS運用に取り組みましょう。
まとめ
企業のSNS活用は、企業のブランディングや売上向上に役立ちます。SNSアカウントの作成や情報の発信はコストが発生しないため、費用対効果が高い運用が期待できます。
ただし、SNS運用には多くの作業が伴うため、運用体制の整備が求められます。成果につなげるために、SNSの運用目的やターゲットを事前に設定し、計画的にSNSを運用してください。