ノウハウ
今から知っても遅くない!デジタルマーケティングの基本知識とその手法をくわしく解説
2023年6月11日
デジタルマーケティングは、インターネットをはじめとしたITを活用したデジタル技術を用いるマーケティングのこと。今や多くの企業でインターネットを度外視したビジネスなど考えられない時代ということもあり、デジタルマーケティングは企業のマーケティング活動の大きなウェイトを占めています。
しかし、デジタルマーケティングという言葉は耳にするものの、具体的に何がデジタルマーケティングなのか、はっきり理解できている方は実のところあまり多くないのではないでしょうか。
この記事では、デジタルマーケティングの基本知識やその手法についてくわしく見ていこうと思います。
目次
デジタルマーケティングとは?
デジタルマーケティングとは、「マーケティングをデジタルで行うこと」です。つまりデジタル技術を用いたマーケティング活動は、基本的にすべてデジタルマーケティングということになります。もちろん、企業や人によってデジタルマーケティングの定義は異なるため、ある人にとってはデジタルマーケティングと認識していないものもあるかもしれません。
ここでは、一般的にデジタルマーケティングといわれているものについて紹介していきます。
Webマーケティングとの違い
デジタルマーケティングに近しい言葉に「Webマーケティング」がありますが、この2つの違いについても説明しておきましょう。
Webマーケティングはデジタルマーケティングの一部であり、WebサイトやECサイトなどのWeb領域において利用されるマーケティング手法のことです。両者はまったく別のものではなく、同じ内容を含んでいることもある点については知っておきましょう。
デジタルマーケティングの分野にAIが登場?
最近では、AIがデジタルマーケティングの分野に進出しているのをご存じでしょうか。デジタルマーケティングとAIが組み合わさることで、これまでは取得できなかった領域の消費者行動の予測も可能となります。
たとえば、ベテランの営業スタッフしか行えなかった消費者の行動分析も、AI(機械学習)によって勘や経験に頼らない予測を行うことができるようになるのです。
デジタルマーケティングで利用される手法12選
ここからは、数多く存在するデジタルマーケティングの手法について細かく見ていきたいと思います。
1.SEO
SEO(Search Engine Optimization)とは、日本語で「検索エンジン最適化」と訳されます。これは検索させたいキーワードでWebサイトを上位表示させ、集客につなげるための手法のことです。SEOには「内部施策」と「外部施策」の2つの手法があり、なかでも内部施策がとくに重要視されています。
内部施策では、Webサイト制作の構造最適化や、検索キーワードの設定、ページ読み込み速度の改善などを行うことで検索順位向上を目指します。一方の外部施策では、外部のサイトに自社サイトのURLが貼られることにより、検索順位アップを目指す被リンク対策を取ることです。
2.リードナーチャリング
リードナーチャリングとは、見込み客(リード)を育成するマーケティング手法のこと。まだ購買にいたっていない潜在顧客に対し、メールや電話、ウェビナー、Web広告などを活用して購入意欲を高める施策を行います。
リードナーチャリングを行うことで得られるメリットとしては、見込み客を他社に取られるのを防ぐことや、営業効率が高くなることから受注確率のアップが図れることです。その反面、成果にいたるまで時間がかかってしまうこと、集客ができていない場合には効果が薄いことがデメリットとなります。
3.動画マーケティング
動画マーケティングとは、その名の通り動画を活用したマーケティング手法です。
たとえば自社サイトに制作動画を埋め込んで訪問ユーザーに閲覧させたり、YouTubeやTikTokなどのプラットフォームを用いて動画公開したり、展示会の会場で動画を流したりして、集客する手法をいいます。
この動画マーケティングはテキスト情報に比べ、商品やサービスの魅力が伝わりやすく、共感を得やすいのが特徴といえます。
4.純広告
純広告とは、広告主となる企業がWeb媒体などの広告枠を買い取り、掲載される広告をいいます。たとえば、予算に応じて1週間でいくらという形で、Webサイトの特定枠に企業広告を表示するものです。
純広告の種類には、バナー広告やリッチメディア広告、動画広告、テキスト広告などがあります。契約期間中、広告を目にする機会が増えるため、企業のブランディングに非常に有効です。
5.インサイドセールス
インサイドセールスとは、見込み客に対してメールや電話などの非対面で行うことができる営業手法のことです。インサイドセールスで活用されるツールには、メールやSNS、オンライン会議システムなどがあります。
このインサイドセールスのメリットは、お客様のところに訪問しなくても営業活動ができること。そのため、効率性の高い営業手法といえます。
6.リスティング広告
リスティング広告とは、ユーザーが検索したキーワードの結果に連動して表示される広告を指します。検索連動型広告とも呼ばれるこのリスティング広告は、Yahoo!やGoogle検索の上部などに掲載されているテキスト形式の広告として、誰しもが見たことがあるのではないでしょうか。
リスティング広告は、クリックすることで課金されるため、単に表示されるだけでは課金されないのが特徴です。また低予算でスタートできることや広告掲載分を自分で作成できること、1日当たりの予算を自分で決めることができるなど、柔軟性の高い点がメリットとなっています。しかし、デメリットとしては、意図したキーワードが検索されなければ見込み客にリーチできない点や、コストがかかるため予算に余裕がなければ実行できない点がデメリットとなります。
7.ディスプレイ広告
ディスプレイ広告は、Webサイトやアプリ内の特定された枠内に表示される広告を指します。バナーとして表示されることが多いため、バナー広告と称されることもあります。
このディスプレイ広告は潜在顧客にアプローチする広告ですが、先ほど紹介したリスティング広告は、購買意欲の高いユーザーに対してアプローチする広告であって、そもそも表示される箇所が異なるものです。ディスプレイ広告がコンテンツの掲載されているページに表示されるのに対し、リスティング広告は検索結果のページに表示される点が大きな違いとなります。
8.SNS広告
SNS広告とは、TwitterやFacebook・Instagram・LINE・TikTok・YouTubeなど、現在利用者が多数いるSNSプラットフォームに配信される広告を指します。SNSは老若男女問わず利用されていることもあり、広告効果が非常に高いのが特徴です。
SNSは登録の際に個人情報を入力する必要があることから、これらの入力情報や実際の行動・閲覧データなどをベースに、ターゲティングされたSNS広告を打つことが可能となっています。たとえば若者に人気のTikTokと比較的年齢層の高いFacebookでは、アプローチ可能なユーザーが大きく異なります。そのため、ターゲットによってどのSNSに広告を表示するのが効果的かは、事前に判断が必要となります。
9.オウンドメディアマーケティング
オウンドメディアマーケティングとは、自社で構築・保有しているメディアを用いたマーケティング手法を指します。単に商品やサービスの価格や性能を紹介するのではなく、ユーザーに有益なコンテンツを掲載することで見込み客をファン化して囲い込むのが目的です。
オウンドメディアを運営することは、自社のナレッジを蓄積することにもなりある意味資産ともなります。そのため、メディアとしての価値が高まれば企業イメージもアップする特性を持っています。
このオウンドメディアのメリットとしては、自社の商品やサービスにマッチしたコンテンツ作成を行えるため、企業がイメージする世界観で構成してくことが可能です。一方オウンドメディアのデメリットとして、成果を得られるまでには相応のコンテンツ量が必要となり、育成には時間がかかります。その間継続してコンテンツを投入し続けられる体力や企画力が求められます。
10.アクセス解析
アクセス解析はWebサイトに訪問したユーザーの行動属性を、Google Analyticsなどのアクセス解析ツールを用いて分析し、サイト改善に向けて課題の洗い出しを行うデータ解析手法を指します。たとえば、どのようなページにアクセスが多いかを発見した上で導線を見直したり、キャンペーン実施の際のWeb施策に対してどれだけの効果があったかを測定したりします。そうすることで、どのようなキーワードで流入しているかをデータで把握することが可能です。
なお、これまでGoogle Analyticsは、Webサイトのみの計測に対応しているものでした。しかし、今後2023年7月までにGoogle Analytics 4へ完全移行され、Webサイトとアプリ間を横断した計測ができるようになります。
11.マーケティングオートメーション(MA)
マーケティングオートメーション(MA)とは、企業が行うマーケティング活動を自動化・可視化するための一連の流れをいいます。通常はMAツールを使用しますが、MAツールでできることには
- リードジェネレーション
- リードナーチャリング
- リードクオリフィケーション
- リード管理
などがあります。このMAツールを導入するメリットとしては、マーケティング活動を省力化できることやデータを一元管理できることから、多くの企業で活用されています。
12.メールマーケティング
メールマーケティングとは、メールマガジン等を配信し、それをきっかけに自社商品やサービス、企業について知ってもらうための施策のことを指します。
近年メールマガジンに対する「開封率が低くすでに古い手法だ」との意見を聞いたことがある方も多いでしょう。しかし、総務省が公表する令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書の「インターネット利用項目別の利用時間と行為者率」によると、インターネット利用のなかでもメールを読む・書く時間は「ソーシャルメディアを見る・書く」「動画投稿・共有サービスを見る」に続き3番目に高い数字を出しており、いまだメディアとして健在であるとわかります。
【参考】
総務省情報通信政策研究所「令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」
まとめ
以上、デジタルマーケティングの基本知識やその手法についてご紹介しました。
デジタルマーケティングはここでお伝えしてきた以外にもさまざまな手法が存在していますが、すべてを実践する必要はありません。当然企業のマンパワーや予算に応じて取れる・取れない施策がありますので、まずはどのようなデジタルマーケティング施策が自社で可能かどうかの検討からスタートしましょう。
またマーケティング活動は、一度行えば終了するものではありません。アクションを継続させ、そこで蓄積されたデータを分析・検証し、さらに改善を行っていくPDCAサイクルを回していくことで効果が見いだせます。本記事で紹介したデジタルマーケティング手法を参考にしていただければ幸いです。