ノウハウ
Webマーケティングに必要なスキルは?おすすめの資格とは?
2023年6月4日
Webサイト運営に欠かすことのできないスキルのひとつに、Webマーケティングがあります。Webマーケティングを実践することで、自社の商品やサービスを多くのユーザーに認知してもらい購入してもらったり、利用してもらうことが可能になります。
そのようなWebマーケティングに必要なスキルにはどのようなものがあるのか、くわしく知らない人も多いことでしょう。またWebマーケティングを学ぶにあたり資格試験などを受験する人もいると思いますが、どのような資格を取得すればWebマーケターとして仕事に役立てることができるのでしょうか?
この記事では、Webマーケティングに必要なスキルについて、そのスキルを活かすために取得したい資格について見ていきたいと思います。
Webマーケティングとは?
Webマーケティングは、ユーザーを自社のWebサイトに集客して、自社商品やサービスを購入・利用してもらうための施策のことをいいます。Web上で行うマーケティング活動であることから、マーケティング全般の中でもWebマーケティングに特化したものを意味し、デジタルマーケティングと同じ意味で使用されることもあります。
Webサイトはただ立ち上げて待っていれば良いというものではありません。インターネット上に存在する多くのWebサイトの中から自社の商品・サービスを見つけ出し、購入や利用につなげることができなければ事業を継続していくことはできません。そのために、SEOやリスティング広告をはじめさまざまな検索対策やプロモーション活動を行う必要があります。
Webマーケティングの手法
- SEO対策
- リスティング広告
- SNS運用
- オウンドメディア運営
- メールマガジン配信
- ウェビナー
- MEO(マップエンジン最適化) など
Webマーケティングが重要とされる理由
インターネットで情報を得ることが主流となっている現在では、いかに自社サービスがネット上で人の目に触れるかが重要です。そのためには、Webマーケティングを駆使してコンバージョンを得るためのスキルが求められます。
とくにWebマーケティングにおいては、データを細かく収集し、販売活動に結び付けることが活動の基本となっています。たとえば、顧客がどのような商品やサービスに興味を持ち、どのようなキーワードで商品にリーチされているのか、またどのような端末から商品検索を行っているのかなどです。
Webマーケティングの仕事
では、実際にWebマーケティングにはどのような仕事があるのでしょうか。
Webマーケティングにおいては
- 自社サイトへ集客するための施策
- 集客したユーザーに回遊してもらうための施策
- 集客したユーザーに購入や資料請求させるための施策
- 収集したデータを分析し、改善するための施策
などのように大きく4つのフェーズがあります。これらのフェーズにおいてWebマーケティングの担当者が行う主な仕事は
- コンテンツ立案
- 集客
- データ分析および改善
の3つです。ここからは、それぞれの内容について細かく見ていきます。
コンテンツ立案
コンテンツ立案では、販売する商品やサービスを決定します。
どのようなモノを売りたいのかを明確にすることによって、販売戦略を具体的にすることが可能です。たとえば、有形商材と無形商材では販売方法および販売形態も大きく変わってきますし、BtoB向けなのか、BtoC向けなのかによっても告知内容はまったく異なります。
注意しなければならないのは、商品やサービスによってはネットでは売れにくいモノも存在します。すべての商品がネット上なら売れると過信しないことがWebマーケティングにおいて大切です。ですから、事前に競合調査や市場ニーズの把握をした上で、売れる可能性の高い商品にフォーカスしてコンテンツ立案するのが賢明です。
集客(SEO対策/Web広告/オウンドメディア構築/SNS情報発信)
プロモーションする商品が決まれば、集客方法を考えます。
Webマーケティングにおける集客方法でも多くの企業が実践している手法としては
- SEO対策
- Web広告
- オウンドメディア構築
- SNSによる情報発信
というものがあります。
●SEO対策
SEO(検索エンジン最適化)対策は、Webマーケティングでも非常に重要なスキルのひとつです。SEOは、今や対策を行っていないWebサイトが存在しないといえるほど、多くの企業で実践されています。しかし、適切な対策が取られていなければ、検索エンジンに良質のWebサイトと認められず上位表示が難しくなります。
SEO対策は主に「内部施策」と「外部施策」に分かれますが、重要となるのは内部施策のほうです。この内部施策では、キーワードの選定やWebページを構成するhtmlタグの最適化、構造化マークアップをいかに実行できるかがポイントとなります。
●Web広告
Web広告には、リスティング広告やSNS広告・ディスプレイ広告・動画広告などの種類がありますが、これらのWeb広告を実践するための知識や運用方法についても把握しておく必要があります。
それぞれの広告には自社の商品・サービスとの相性や、予算内の宣伝を行わなければならないなど、適切なWeb広告を選定することがWebマーケティング担当者に求められる重要なスキルとなります。
●オウンドメディア構築
オウンドメディアとは、自社が保有し情報発信するためのWebサイトやブログなどを指します。オウンドメディアは自社で運用できる特性上、運用コストを抑えられるのが特徴ですが、メディアを成長させるまでに時間がかかるため、根気強く運営していくことがポイントです。
●SNSによる情報発信
TwitterやInstagram、Facebook、YouTubeなどのSNSを活用し、商品情報やサービスを動画やテキストで配信する企業は増えています。SNSを活用した企業の情報配信は、情報拡散力が高ければ高いほど多くの人にリーチできるため、インフルエンサーを活用したインフルエンサーマーケティングを取り入れている企業も存在しています。
データ分析および改善
上記で紹介したさまざまなプロモーション活動によって得られたデータを分析し、顕在化された課題を改善していくこともWebマーケティング担当者が行う仕事のひとつです。
PDCAサイクルを回していくことはWebマーケティングに限らず、マーケティング活動では一般的に行われていることです。Webマーケティングでは、アクセス解析ツールなどを活用することで細かな分析が可能となります。また、MA(マーケティングオートメーション)ツールなどでマーケティングの自動化を図ることで、労力を最小限に抑えられます。
Webマーケティングに必要とされるスキル
Webマーケティングの担当者が身に付けておくべき基本的なスキルには、どのようなものがあるのでしょう。ここでは5つのスキルについて、くわしく見ていきたいと思います。
1.パソコンスキル
言うまでもなく、WebマーケティングではPCスキルが高いほうが有利です。分析に使用できるExcelや、資料作成に必要なPowerPointなどのOfficeアプリケーションを自由に扱えるスキルや、システム操作が苦にならない程度の知識は持っておきましょう。
2.コミュニケーション能力
Webマーケティングに限らず、どのような職種でもコミュニケーション能力は必要です。クライアントとのやり取りやチームメンバーとの情報共有において、関係性が悪化するとプロジェクトの進行に悪影響を及ぼします。日々の進捗報告や問題発生時には素早い対応を行うなど、まめにコミュニケーションを取るようにしましょう。
3.ライティングスキル
ライティングスキルはWebマーケティングでとくに重要なスキルのひとつです。SEOの内部施策や、Webサイト上のコンテンツライティング・リスティング広告の文章・SNS投稿記事・メルマガなど、Webマーケティングではさまざまな場所でライティングスキルを披露することがあります。読みやすい文章を書くスキルはもちろん、購入したくなる文章を書くセールスライティングのスキルも身に付けておくとよいでしょう。
4.分析スキル
Webマーケティングにはデータの分析がなくてはならない存在です。たとえば、どの商品がどれだけ売れたのか、Webサイトにどのくらいの人が訪れて何人が問合せフォームにたどり着いたのか、行ったWeb広告の費用対効果はどれくらいだったかなど。これらの収集したデータをさまざまな切り口で分析し、改善策を練ったり新たな施策を考えたりするためには、データを正確に読み取れるスキルが必要となります。独自の分析ツールを活用している企業もあるでしょうが、まずはメジャーな分析ツールとして、有名なGoogle Analyticsを扱いこなせるよう目指しましょう。
5.情報収集能力
競合他社より一歩先を行くには、素早い情報収集を行えることがポイント。Webの世界は日進月歩、情報収集の遅れが大きなミスにつながることもあり得ます。クライアントの業界に関する情報やIT関連の情報、世界情勢なども含め最新ニュースには常に気を配るようにしておきましょう。
Webマーケティング担当者が取得しておきたい資格
上記のようにWebマーケティング担当者に必要とされるスキルは数多くあります。しかし、具体的な目標のないままただやみくもに勉強したところで、「このような知識を覚えても意味があるのだろうか?」と疑問を持ちながら勉強することになり、気合も入らないなんてことになりかねません。
そこで、Webマーケティング担当者がWebマーケティングを学ぶのに適しているのが、資格取得に向けた勉強です。Webマーケティングに役に立つとされている資格はいくつかありますが、ここではいくつかおすすめの視覚について紹介したいと思います。
ウェブ解析士認定
ウェブ解析士とは、アクセス解析のようなウェブ解析データを活用し、事業の成功導くための指南を行う人材であり、そのウェブ解析士としての活動を認定するための試験が「ウェブ解析士認定」です。事前に講座を受講してから試験を受ける流れが一般的ですが、すでにWebマーケティングを実践しており、実務経験のある人なら、いきなり認定試験を受けてみるのもありでしょう。
試験は月に2回開催されており、比較的受けやすいというメリットがあります。試験費用は17,600円(税込)と少々高めですが(試験のみの場合)、興味のある方は受験することをおすすめします。また「上級ウェブ解析士」、「ウェブ解析士マスター」などの上位資格も存在します。
【参考】
一般社団法人ウェブ解析士協会
Webアナリスト検定
「Webアナリスト検定」とは、WebアナリストとしてWebマーケティングを実践するための、知識の有無を測るための試験です。初心者向けという位置づけのこのWebアナリスト検定ですが、このWebアナリスト検定もウェブ解析士認定と同様に一定のスキルを保持していれば、いきなり認定試験を受けることが可能です。試験費用は17,600円(税込)とこちらもウェブ解析士認定と同じとなっています(試験のみの場合)。
【参考】
日本Web協会(JWA)
統計検定
「統計検定」は、統計に関する知識および活用力を評価するための全国統一試験です。統計検定は1級から4級までの5つの級の検定に加え、統計検定統計調査士と統計検定専門統計調査士、統計検定データサイエンス基礎、統計検定データサイエンス発展、統計検定データサイエンスエキスパートなどの種別に分かれています。受験料は一般価格で5,000~10,000円(税込み)程度となっており、学割適用でさらに安く受験することも可能です。
【参考】
一般財団法人 統計質保証推進協会
IMA(Internet Marketing Analyst)検定
IMA検定は受験から試験まですべてオンラインで行える検定で、Webマーケティング全般の知識を習得できます。このIMA検定にはStandardコースと、Professionalコースの2つのコースがあり、Standardコースでは、サイト分析やリスティング広告の実践運用スキルを、Professionalコースでは、ターゲット別集客プラン立案とスプリットラン実践ノウハウを身に付けます。どちらも受験料は19,800円(税込)となりますが、Professionalコースに関しては、Standardコースの合格が必要です。
【参考】
一般社団法人IMA研究所
GAIQ(Google アナリティクス個人認定資格)
GAIQ(Google アナリティクス個人認定資格)とは、Google アナリティクスの習熟度を図る資格で、オンライン上で行う選択式の試験です。GAIQはスキルショップにて無料で受験できますが、試験の準備として、
- Google アナリティクス初級者向けコース
- Google アナリティクス上級者向けコース
この2つのアナリティクスアカデミーコースを完了しておく必要があります。
GAIQの問題数は全部で70問となっており、制限時間は90分です。正答率80%以上(56問以上)にて合格となります。なお、GAIQの有効期間は合格したのち12ヵ月間となります。
【参照】
Google アナリティクス個人認定資格(GAIQ)の準備方法
まとめ
以上、Webマーケティングに必要なスキルや、Webマーケティング担当者が取得すべき資格についてご紹介しました。
Webマーケティングでは、SEOやデータ分析、ライティングスキルなど幅広い知識を必要とします。これらの知識を身に付けることはクライアントとの信頼関係を強固とするのに非常に重要ですが、自分自身のスキルアップ向上の結果、昇給や昇進、転職につなげることもできます。本記事の内容を参考に、さらなるWebマーケティングの実践にお役立ていただければ幸いです。