ノウハウ

ファミリー層をターゲットにしたマーケティング手法とは?

Time 2023年5月18日

 

ファミリー層をターゲットにした商品・サービスを提供する企業が売上を伸ばすためには、マーケティングが欠かせません。

 

なかでも家庭内の消費において決定権を持つ比率が高いママへの訴求ができることで、売れる仕組みを作りやすくなると考えられます。

 

しかし、ひとことで「ママ」といってもさまざまな特性があるため、ポイントを押さえた戦略を立てなければ期待した結果につなげにくいのも事実です。

 

この記事では、ファミリー層へのマーケティング手法に関して、ママに訴求する際のポイントや具体的な手法を解説していきます。

 

ファミリー層をターゲットにしたモノ・サービスの販促方法に悩む方は、参考にしてみてください。

 

マーケティング戦略に必要な5つのこと

そもそも「マーケティング」とは、消費者が求めるモノやサービスを分析に基づいて作り、購入してもらうための仕組みを構築することをいいます。

 

現在の流行りやターゲット・価格・販売経路・効果的な広告など、モノ・サービスの開発から販売に至るまでの一連の流れを戦略立てて考え、実行してくのが基本の流れです。

 

ここからは、ママ向けのマーケティング手法を紹介する前に、基本的な戦略の立て方を解説していきます。

 

1.市場調査

マーケティングを行う初期段階で重要なのが、業界内外の環境を調査・分析することです。

 

他社に勝っているポイントはどこなのか、市場で求められるものは何かなど、適切に情報収集を行いながら分析していきます。

 

この際、分析に用いられるフレームワークには、以下が挙げられます。

 

  • SWOT分析
  • PEST分析
  • 3C分析

 

各分析方法の特徴を簡単に説明していきます。

 

SWOT分析

「SWOT(スウォット)分析」とは、自社を軸にして「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」といった4つの観点から分析する手法です。

 

そこで集まった情報をもとに、戦略の策定や経営資源の最適化などを行います。

 

PEST分析

「PEST(ペスト)分析」とは、自社を取り巻く外部環境を「政治(Politics)」「経済(Economy)」「社会(Society)」「技術(Technology)」という4つの視点から検討する手法です。

 

現状を把握し、自社が今後どのような戦略で動くべきかを判断するのに活用できます。

 

3C分析

「3C(スリーシー・さんシー)分析」とは「Customer(市場・顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」の3つの視点で外部環境や競合を分析する手法です。

 

顧客を軸にした考えで客観的事実を集め、事業を成功に導く方法を見出すために用いられます。

 

2.市場の細分化

市場調査の終了後は、集まった情報を細分化していきます。

 

この作業を「セグメンテーション」ともいい、市場内の消費者を価値観やニーズ・年齢・性別・職業などの要素でグループ分けすることで、自社のビジネスに適した市場を見つけられるようになります。

 

3.ターゲットの設定

ターゲットの設定では、前述の細分化で見出した市場におけるニーズを考え、自社が提供するモノ・サービスが支持される場所を選びます。

 

ここでは顧客の属性や競合の存在を考慮しながら、誰に対して販売していくのかを見極める必要があり、「市場の絞り込み」「標的市場」などと表現されることもあります。

 

このとき、以下に挙げる「6R」を考えられると、ターゲット設定をより明確にできる可能性が高くなります。

 

  • 市場規模(Realistic Scale)
  • 成長性(Rate of Growth)
  • 顧客の優位順・波及効果(Rank/Ripple Effect)
  • 競合(Rival)
  • 到達可能性(Reach)
  • 反応の測定(Response)

 

ターゲットを決定することができれば、適切な商品やサービスの開発が可能となります。

 

4.ポジションの設定

ターゲティングが完了すると、標的にした市場で自社が提供するモノ・サービスを認知させ、差別化を図る必要があります。

 

ここでは消費者の視点に立ち、自社を市場内でどの立ち位置に設定するのが有効かを考えるのが大切です。

 

ポジショニングを考える際は「ポジショニングマップ」を用いると、自社を含め業界内に存在する各社の位置付けが非常にわかりやすく分析できます。

 

マップは重要度・独立性の高い縦軸と横軸で構成し、競合とかぶらない空白の位置に自社をポジショニングするのがポイントです。

 

5.アプローチ方法の設定

ここまで設定できれば、あとは実際に顧客へモノ・サービスをどのように提供していくのかという、アプローチ方法を定めていきます。

 

このときに活用できるフレームワークには、以下の2種類があります。

 

  • 4P・・・Product(製品)、Price(価格)、Promotion(広告)、Place(流通)
  • 4C・・・Customer Value(顧客価値)、Cost(コスト)、Convenience(利便性)、Communication(対話)

 

アプローチ方法の設定で主に用いるのは「4P」で、販売に影響を与える4つの要素から考えていく手法となります。

 

一方の「4C」は、顧客の立場になって考える手法で、近年重視する企業が増えています。

 

それぞれの考え方を理解しておくと、より効果的なマーケティングが可能になるでしょう。

 

6.実行・分析・改善

マーケティング戦略が決まれば、その施策を実行します。

 

ここで大切なのが、実行してどのような効果を得られたのかを必ず分析し、問題点が見つかれば改善することです。

 

よく「PDCAサイクル」といわれ、プロセスのなかでも「Check(評価・分析)」「Action(改善)」の部分がとくに重要となります。

 

PDCAサイクルの実行は、企業が提供するモノ・サービスの売り上げや成功に直結するため、都度改善を図りながら取り組みましょう。

 

以上のように、マーケティングは細かな工程の積み重ねによって成り立つものです。

 

成功させるには各プロセスをないがしろにせず、丁寧な分析に基づいた考えで確実に進めていくことが大切といえるでしょう。

 

とくにファミリー層へのマーケティングだと、家族構成や子どもの年齢によって特性が変化するケースも多いです。

 

よって、効果的なマーケティングを行うためにも、ファミリーの傾向や特徴を押さえることが重要です。

 

ファミリー層をターゲットにする際の考え方

ファミリー層へのマーケティングを成功させるには、家庭内で消費の主導権を握っている比率が高いママにアプローチするのが有効です。

 

また、ママの消費につながる「子ども」の興味を考えることも大切な要素となります。

 

それでは、実際にファミリー層をターゲットにした際の考え方を解説していきます。

 

ママが興味をもつモノは何か

まず、ファミリー層をターゲットにしたモノ・サービスの販売促進には、ママの心に刺さるよう戦略立てるのがポイントです。

 

なぜなら独身時代は美容やファッションなど自身のために消費していたママも、子どもが誕生したあとは、優先順位がガラリと変化し、子どもの成長や教育・利便性を考えた消費にシフトする傾向があるためです。

 

たとえば乳児期の子どもと外出する際は、赤ちゃんが泣いても安心な場所やおむつ替えやミルクをあげるのに困らない空間があると安心するママは多いでしょう。

 

乳児期の子どもをもつファミリー層を集客する際は、そのような場所・サービスを提供できると利用率が高まる可能性があります。

 

また幼児期の子どもがいるファミリー層では、親子が一緒に楽しめるモノや、子どもが自由で活発に動ける空間をアピールできると、ママの興味を引けるかもしれません。

 

以上のように、ファミリー層に対するマーケティングはママに支持されるような戦略を考えられると、モノ・サービスの売上が伸びるでしょう。

 

ママの悩みを分析し、寄り添って考えられるとより効果的です。

 

子どもが興味をもつモノは何か

ファミリー層に対するマーケティングを行う際、ママへの訴求にあわせて考えたいのが子どもの興味を引くモノです。

 

「子どもが好きなもの=ママの購買意欲」につながると考え、キャラクターやおもちゃ・ゲーム・絵本・遊具など、子どもの関心度が高いものほどマーケティングに有効活用しましょう。

 

ただし、子どもの年齢・性別を考慮したセレクトは押さえる必要があります。

 

これは前述した「市場の細分化」や「ターゲットの設定」につながる部分でもあり、有効な施策を考える上で重要なポイントです。

 

以上のような子ども特性を踏まえた上で、ママを主軸にしたカスタマージャーニーを活用したり、行動分析を行ったりすれば、ファミリー層の集客から販売までのマーケティング手法を見出せるはずです。

 

ファミリー層向けのマーケティング方法

ママに訴求するマーケティング戦略では、アプローチする場所を考えることも大切です。

 

とくに子育て中のママは毎日家事や育児に追われているため、適切な方法で広告を表示しなければ目を通してもらうこともできません。

 

ここでは、ママの目に留まる有効な広告の出稿方法を紹介していきます。

 

ママ向け子育てメディア・アプリの活用

子どもの教育や育て方、困りごとについて調べる際、多くのママが参考にするのが「子育てメディア」です。

 

子育てメディアは同じ悩みをもつママが情報交換したり、意見を出し合ったりする場として活用され、大型メディアなら月間数百万のアクセスが見込めるほど多くのママが訪れています。

 

また子育て情報を配信するアプリでは、忙しいなかでも手軽に情報収集できたり子どもの成長を簡単に記録できたりするサービスもあり、今や子育て中のママにとって欠かせないものといっても過言ではありません。

 

さまざまな年齢の子どもをもつママが一度に集まる子育てメディア・アプリに広告を出稿できれば、企業のモノ・サービスの認知拡大や販売促進に効果を発揮してくれると考えられます。

 

SNSの活用

ママにとって子育てメディアと並んで欠かせないツールといえば、InstagramやTwitter、LINEなどといったSNSでしょう。

 

スキマ時間にスマートフォンを活用し、子育て情報を発信している人をフォローしたり、掲載内容を参考にしたりしているママは非常に多くいます。

 

SNSは画像などを用いて気軽に発信できる特徴があり、メディア以上にリアルで新鮮な情報を得られる点から、ママからの信頼が厚いものとなっているようです。

 

直感的に「良い」と感じた情報はリポストやリツイート機能を用いて他者へシェアできるなど、利便性の高いツールとして重宝されているのだと思われます。

 

以上のようなSNSへの広告掲載が叶えば、ファミリー層に対するマーケティングも効率よくできるはずです。

 

近年では自社でアカウントを保有して広告を兼ねた投稿を行う企業も多く、ポストからの流入を図る手法もひとつといえます。

 

まとめ

以上、ファミリー層へのマーケティング手法として、ママに訴求する際のポイントや具体的な方法について紹介しました。

 

ファミリー層に対してマーケティング戦略を考える際は、家族で消費の決定権がもっとも強いママにアプローチするのが有効です。

 

ターゲットの特徴や家族構成などの周辺環境を踏まえた上でマーケティング戦略を立てられると、期待以上の効果を得られる可能性があります。

 

本記事で紹介したポイントを参考にファミリー層へのマーケティング活動を進め、広告効果の高い運用を目指してみましょう。

 

 

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