ノウハウ
【GA4対応!】utmパラメータとは何か?使い方とGoogle Analyticsの計測方法を解説!
2023年1月30日
utmパラメータをご存じでしょうか。utmパラメータは、URLの末尾につく文字列のことで、Webサイトを訪問したユーザーの流入経路を計測するために使用します。本記事では、このutmパラメータの説明から使い方、Google Analyticsを用いた実際の計測方法をご紹介いたします。
utmパラメータを使用することで、ユーザーの流入経路が明確になり、Google Analyticsでの正確なデータ分析が可能になります。リスティング広告、メルマガやSNSによるマーケティングなど、各施策の効果検証や改善に役立ちます。
しかし、「utmパラメータ」という言葉を聞いたことがあっても、よくわからない方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、Google Analyticsのデータ計測に有効な「utmパラメータの使い方」について解説します。Web担当者にとって必須の知識であるため、この記事を参考に、utmパラメータの基礎知識を理解して、実際に使用してみましょう。
目次
Webサイト分析に役立つ「パラメータ」とは何か?
パラメータとは、「Google Analyticsにユーザーの情報を送信するために、URLの末尾に追加する文字列のこと」です。以下のようなURLを見たことがある方もいるのではないでしょうか。
URL内の「?」以降にある文字列が、パラメータです。パラメータを使用すると、Google Analyticsで高精度なデータ分析が可能になります。
Google Analyticsでは「direct/none(参照元不明)」と表示されるデータがありますが、パラメータ付きのURLを経由してサイトを訪問すると、データの参照元を正確に把握できるようになります。
utmパラメータ(Urchin Tracking Module)とは?
utm(Urchin Tracking Module)は、メジャーなトラッキング手法の1つで、Google Analyticsの前身である「Urchin」に由来する言葉です。
utmパラメータとは、「URLの末尾に続く文字列のこと」を指し、ユーザーの流入経路を計測する時に使用します。
utmパラメータを未設定の状態では、Google Analyticsで参照元やメディアのデータを正確に取得できず、データが大まかに分類されます。例えば、メルマガやアプリから流入したユーザーは、直接訪問として「Direct」という項目に分類され、ブックマークからのアクセスと同じデータとして計測されるといった状況です。
複数の流入経路から訪問したユーザーが1つのデータにまとめられるため、各施策の効果を把握することが難しくなってしまいます。
一方でutmパラメータを設定すると、「ユーザーがどのような経路で自社サイトを訪問したのか」正確に把握できます。SNSやメルマガ、リスティング広告やQRコードまで、様々な流入経路別のデータを取得することが可能になるのです。
このような理由から、「サイト運営においてutmパラメータの設定は必須」と言われています。utmパラメータを設定し、各施策の効果検証や分析にぜひ役立ててください。
また、Googleが提供する「Campaign URL Builder」というツールを利用すると、簡単にutmパラメータ付きのURLを発行できます。くわしい方法は、後述します。
utmパラメータを使用するメリット
前述したようにutmパラメータを使用するメリットは、「ユーザーが自社サイトを訪問するまでの流入経路を正確に把握できる点」です。
広告やメルマガ、SNSなどメディアごとにそれぞれパラメータを設定することで、それぞれの流入ユーザーの割合を把握することができます。
大まかに分類されていた参照元やメディアを正確に取得できるようになり、各施策の効果検証や分析が可能になります。
パラメータは複数設定できるため、同じメディアからの流入でも「どの時期のキャンペーンが有効か」のように柔軟なデータ測定が可能です。utmパラメータによってQRコードからの流入も計測でき、オフラインイベントやダイレクトメールの効果検証にも役立ちます。
utmパラメータを使用するデメリット
utmパラメータを使用する際、デメリットが2点存在します。
1点目のデメリットは、「URLが長くなる点」です。
utmパラメータを付加すると、必然的にURLが長くなります。長いURLは「変なサイトに飛ぶのではないか」とユーザーを警戒させてしまうため、通常のリンクと比較してクリック率が低下する恐れがあります。
2点目のデメリットは、「誤ったトラッキングが発生しやすい点」です。
パラメータ付きのURLは複雑であるため、共有ミスが起こる可能性があります。URLの記述ミスはもちろん、URLの貼り付け先を誤ると、正しいデータ計測を行えません。
たとえば、「メルマガからの流入を測定するパラメータ付きURL」を誤ってSNSでシェアした場合、SNSからの流入が全てメルマガからの流入として計測されます。複数人でWebサイトを運営する場合には、URLの記述や共有に関するルールを設定することが重要です。
utmパラメータの種類と役割を解説
複数のutmパラメータを使いこなせるように、各パラメータの役割を把握しましょう。
utmパラメータ付きのURLの作成では、必須項目である「utm_source」と「campaign medium」「campaign name」を入力します。その他の「campaign term」「campaign content」は任意の項目であるため、必要に応じて入力しましょう。
utmパラメータは、URLの末尾に「?」を付けて、「[パラメータ名]=[パラメータの値]」と記述します。また、複数のパラメータを設定する際には、各パラメータの間に「&」が必要です。
例:https://moms-lab.jp/?utm_source=google&utm_medium=cpc
utmパラメータの種類について、もう少しくわしく解説します。
【キャンペーンのソース】utm_source(必須)
「utm_source」は、検索エンジンの種類や広告主、SNSのサービス名などの参照元を識別するパラメータです。以下のように記述します。
- utm_source=yahoo
- utm_source=line
- utm_source=facebook
ただし、utmパラメータは大文字と小文字が区別されるため、「Yahoo」と「yahoo」は、それぞれ違うデータとして分類されます。データを正確に計測するためにも、パラメータ設定のルールを統一しましょう。
【キャンペーンの媒体】utm_medium(必須)
「utm_medium」は、広告やメルマガ、SNSなどのメディアの種類を指定するパラメータです。参照元が同じGoogleでも、「Google検索による流入」と「Google広告からの流入」を区別して測定できます。
utm_mediumの記述方法は、Googleに定められています。ルールに沿った記述を行わないと、意図したチャネルに正しく割り当てられません。「アナリティクスヘルプ」を参考に正しく記述することを心がけましょう。
Google Analyticsで分類されるメディアは、以下の10種類があります。
各メディアのデータを元に、施策の分析や改善が重要です。
【キャンペーン名】utm_campaign(必須)
「utm_campaign」を使用すると、広告のキャンペーンやプロモーション名を指定できます。
- 春のセール:utm_campaign=spring-sale」
- 2023年1月に開始したGoogle検索広告キャンペーン:utm_campaign=gsn-202301
上記の例のように、担当者が一目で内容を把握できるキャンペーン名を設定しましょう。各キャンペーンのデータを測定することで、施策の効果測定ができます。
【キャンペーン用語】utm_term(任意)
「utm_term」は、リスティング広告の運用時にキーワードを指定するパラメータです。広告で出稿したキーワードの費用対効果を確認できます。
【キャンペーンのコンテンツ】utm_content(任意)
複数の種類の広告を出稿している場合は、「utm_content」を使用して広告を区別します。各広告のパフォーマンスを把握する時や、広告のABテストを実施する時に役立ちます。
Google Analyticsでutmパラメータを確認する方法
utmパラメータ付きのURLを作成した後、URLからアクセスを発生させて、「utmパラメータが問題なく機能しているか」を確認しましょう。
まずは、Googleが提供している「Campaign URL Builder」を使用して、utmパラメータ付きのURLを作成してください。例として、メルマガの流入を測定するパラメータを設定します。
「Campaign URL Builder」にアクセスした後、以下の4つの項目を入力しましょう。
- website URL:自社サイトのURL
- campaign source:参照元
- campaign medium:メディア名
- campaign name:キャンペーンの名称
「campaign medium」のパラメータのみ、ルールが定められているため、「アナリティクスヘルプ」を参考に値を入力してください。
4つの項目を入力した後、画面を下にスクロールすると、パラメータが付与されたURLが生成されます。
URLをコピーするアイコンをクリックした後、シークレットウィンドウを開いて、コピーしたURLを貼り付けてアクセスしてください。
※シークレットウィンドウでないと、IPアドレスの除外設定によって、アクセスがカウントされない恐れがあります。
自社サイトへアクセスした後、Google Analytics4(GA4)とUniversal Analytics(UA)で、データ計測ができているか確認しましょう。
Google Analytics 4(GA4)の場合
はじめに、左下の「管理」から、プロパティがGA4のアカウントになっているかを確認してください。
GA4のプロパティであることを確認した後、「レポート」>「集客」>「トラフィックの獲得」の順にクリックしてください。先ほど設定したメディアへのアクセスを確認することができれば、utmパラメータが問題なく機能しています。
Universal Analytics(UA)の場合
はじめに、左下の「管理」からUAのプロパティに切り替えてください。
次に、画面左の「リアルタイム」>「トラフィック」の順にクリックします。
以上の通り、設定したメディアへのアクセスを確認することができていれば、utmパラメータが機能しています。
まとめ
今回はWeb担当者には欠かせない、utmパラメータの解説と計測方法までをご紹介いたしました。
utmパラメータを使用することで、広告やSNS、メルマガなどの様々な流入経路のデータを取得できます。各施策の効果検証や分析の精度が上がり、成果につながる効果的な改善が可能です。
ただし、URLが長くなってしまうため、「ユーザーからクリックを避けられる恐れがある」、「URLの共有ミスで、誤ったトラッキングが発生してしまう」というデメリットも存在します。
メリットだけでなく、URLの設定や共有でミスが起こらないように、社内でルールを整えるなど、デメリットの理解と対策も検討したうえで活用するようにしてください。