ノウハウ

徐々に浸透しつつある「在宅ワーク」の働き方とは

Time 2021年4月19日

 

職場へ通勤する必要がなく、自宅でさまざまな仕事をこなすことができる「在宅ワーク」。柔軟な働き方として注目され、導入する企業やフリーランスで在宅ワークを始める人も増加傾向にあります。

 

時間や場所にとらわれない働き方として、働き方改革や新型コロナ感染拡大防止の観点からも国全体で推奨されています。徐々に認知度も高まり、新しい働き方として定着しつつある「在宅ワーク」の現状や具体的な働き方について紹介します。

 

在宅ワークとは

 

「在宅ワーク」は「テレワーク」の一種と定義されます。厚生労働省によると「テレワーク」は、「情報通信技術(ICT)を活用した時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」のこと。

 

働く場所によって名称が異なり、自宅で働く場合を「在宅ワーク(在宅勤務)」、移動中や出先で働く場合を「モバイル勤務」、本拠地以外の施設で働く場合を「サテライトオフィス勤務」と区別しています。

 

さらに在宅ワークは、会社などの正社員や派遣社員、嘱託、アルバイトなど勤務先と雇用関係にある「雇用型」と、フリーランスで仕事をこなす個人事業主や家庭内職をする人などの「自営型」に分けられます。

 

参考:

厚生労働省「テレワークポータルサイト」

総務省「テレワーク推進」

総務省「コロナ対策としてのテレワーク」

 

 

在宅ワークの導入率は増加傾向

 

在宅ワークを含むテレワーク全体のデータにはなりますが、国土交通省による令和元年度の「テレワーク人口実態調査」によると、テレワーカーの全体に占める割合は、

 

平成28年度

・「雇用型」が13.3%

・「自営型」が21.4%

 

平成30年度

・「雇用型」が16.6%

・「自営型」が24.0%

 

と増加しています。

 

令和元年度には「雇用型」が14.8%、「自営型」が20.5%と減少していますが、テレワークという働き方の認知状況では「知っていた」と回答する人が32.7%と前年より3.8%増加していることを合わせ、着実に新しい働き方として社会に浸透しているといえるでしょう。

 

参考:

国土交通省「テレワーク人口実態調査」

 

 

在宅ワークに向いているのはこんな職種

 

では、具体的に在宅ワークに適しているのはどんな職種なのでしょうか。在宅ワークといえば、以前は袋詰めなどの単純作業に代表される内職を指すことが多かったのですが、今はパソコンなどで作業可能な仕事が大部分を占めています。

 

基本的に出社する必要がなく、成果物がハッキリとしている仕事や黙々と1人で作業できる仕事が在宅ワーク向きです。具体的には、以下のような職種になります。

 

事務関連の仕事

書類の作成や整理、データ入力などの事務的な業務は、1人で集中して作業できるので在宅ワークに向いている職種です。個人情報などのセキュリティ対策を徹底すれば、給与管理や顧客管理などの管理業務も可能です。

 

クリエイティブ関連の仕事

デザイナーやイラストレーターなど、クリエイティブな分野の職種も在宅ワーク向きです。センスや経験を活かし、Webコンテンツやイラスト制作を行う仕事は、パソコンや専用ソフトなどの作業環境さえあればどこでも仕事ができ、制作物という成果も明確です。

 

同じく、さまざまな依頼に応じて文章を書くライターや、出版物などの企画・編集を行う編集者も、パソコンなどで記事の編集や確認が可能な環境であればスムーズに作業が進められるため、在宅ワークに適した職種といえます。

 

IT関連の仕事

IT関連の職種も在宅ワークが可能です。クライアント先へ常駐する必要があるインフラエンジニアや営業メインのセールスエンジニアなどは不向きですが、システム開発の提案や設計を行うシステムエンジニアや設計書をもとにプログラミングを行うプログラマーなどは在宅ワーク向きです。

 

どちらもパソコンに向かい1人で集中して作業することが多い仕事のため、在宅ワークでも効率的に仕事を進められます。

 

 

在宅ワークのメリットとデメリット

在宅ワークの一番のメリットは通勤時間が不要なこと。その時間を有効に活用し、育児や介護、通院などと仕事の両立が叶いやすいのも利点です。1人で作業するので、業務に集中でき、作業効率がアップする点も挙げられるでしょう。

 

雇用型の在宅ワークの場合は、柔軟な働き方ができ優秀な人材を確保できる、経費や通勤手当の削減が可能、災害時も事業が継続できるなど、企業側にも多くのメリットがあります。

 

ただし、いいことばかりではありません。雇用側からは勤務状況を把握しにくく、仕事の進捗やメンタル・身体面で、働く側の自己管理が必要になります。コミュニケーションをとる機会が減るため、情報が共有しづらいというデメリットもあります。

 

 

在宅ワークの仕事の見つけ方

雇用型の場合は、勤務先のテレワーク制度を使用することで在宅ワークが可能ですが、自営型の場合は在宅ワークを始めてみたいと思ったら、まずは仕事を見つける必要があります。

 

在宅ワークの需要は拡大しており、企業側も積極的に雇用・発注する動きがあります。実際に仕事の案件を見つける方法としては、以下のようなものがあります。

 

求人サイト、ハローワークで探す

求人サイトやハローワークで閲覧できる求人の中に、一部在宅ワーカーを募集している企業の求人があります。在宅ワークの情報に特化した求人サイトもあるので、自分のスキルに合ったものを探してみましょう。

 

クラウドソーシングサイトに登録する

「クラウドソーシング」とは仕事を発注したい企業と、仕事を受注したい人をマッチングするネット上のサービスのことです。幅広い職種の仕事を募集しているものから、ある職種に特化したサイトまでさまざま。

 

まずはサイトに登録し、希望する案件に仕事をしたい旨を提案します。希望する提案者の中から企業が依頼したい人を選び、仕事を発注するシステムです。

 

会社勤務の経験やつながりを生かして

デザイナーやエンジニアなど、会社である程度経験を積んでスキルを身につけ、独立した場合は、会社勤務時代の取引先から引き続き仕事を依頼される場合もあります。

 

将来的にフリーランスとして活動したいと考えている場合は、自分の作品や仕事を評価してくれるクライアントとのつながりを大切にしておくのも一案です。

 

今後も増加が予想される「在宅ワーク」

新しい生活様式が求められる中で、徐々に増えてきた「在宅ワーク」という働き方。その利便性などから、コロナ禍以降も注目され、ますます浸透していくことが予想されます。この機会に自分に本当に合った働き方を見つめ直してみてはいかがでしょうか。

 

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