ノウハウ
効果抜群!動画広告のメリットと活用術をご紹介
2023年4月28日
YouTubeやTikTokなど動画を中心としたSNSやメディアの発展に伴い、広告の形態としても動画が注目されるようになりました。動画広告をマーケティングに活用できれば、テキスト・画像ベースでの広告よりも高い効果を生み出すことができるでしょう。
本記事では動画広告のメリットと活用術についてご紹介します。動画広告についての理解を深め、貴社のマーケティング活動にお役立てください。
目次
動画広告とは?
動画広告とは広告の1種で動画を用いてプロモーションを行う広告を指します。
近年の動画市場の隆盛に伴い、広告においてもクリエイティブに動画を用いることが主流となってきています。広義にはテレビCMや屋外ディスプレイでの広告なども動画広告に含まれますが、狭義にはインターネット上での動画を用いた広告を指して使われることが多いです。
たとえば、YouTubeの視聴時に流れる5秒〜の広告などが動画広告に該当します。ほかにもInstagramやTwitter・FacebookなどのSNS、各種サイト上などでも動画広告を利用可能です。
動画広告の市場規模
画像引用:サイバーエージェント公式サイト
サイバーエージェントによる国内動画広告の市場動向調査(2022年)では、2023年には7,209億円、2026年には1兆2,451億円に達する見込みであることが発表されています。注目していただきたいのが、スマートフォンやPCだけでなくコネクテッドテレビ(未来のテレビ)と呼ばれるAbemaやTverなどでの広告規模が今後も拡大していくと発表されている点です。
テレビというコンテンツが持つ影響力が、今後インターネットに代替されていく可能性が示唆されているといえるでしょう。
画像引用:サイバーエージェント公式サイト
同社が2020年に行った調査資料と比較するとわかるように、2019年時点では2,592億円だった動画広告市場が、たった3年で2倍以上に成長しています。また2020年の調査では2022年の市場規模が4,833億と予想されていましたが、実際には5,601億円と予想を上回る勢いで市場が発展していることもわかるでしょう。
今後も動画広告市場は右肩上がりに成長していくことが予想されるため、いち早く動画広告を活用する必要があります。
動画広告のメリット5つ
動画広告を活用するメリットは下記の5つです。
- 静止画広告よりも多い情報量
- 静止画広告よりも高い情報伝達力
- 海外に向けての訴求がしやすい
- SNSの拡散力が使える
- 記憶に残りやすい
メリット1:静止画広告よりも多い情報量
メリットのひとつ目として、伝えられる情報量が静止画広告よりも多い点が挙げられます。
動画が伝えられる情報量は圧倒的で、文字と比較した場合に画像が7倍であるのに対し動画はおよそ5,000倍もの情報量を伝えられると言われています。動画は視覚だけでなく聴覚にも訴えることができるため、これだけ多くの情報量を伝達できるのでしょう。伝えられる情報量の差という部分から動画が注目され、近年では広告においてもテキストや画像だけではなく動画が多く用いられるようになりました。
メリット2:静止画広告よりも高い情報伝達力
動画広告は情報量だけでなく、情報伝達力においても静止画広告より優れています。
「1分間の動画から伝わる情報量は、文字に換算すると180万語、Webページに換算すると約3,600ページ分になる」という研究結果(※)も発表されているほどです。
(※)参考:Forrester Research James L. McQuivey博士研究結果
仮に1秒間で10語読めたとしても、180万語読み切るためには50時間かかります。しかし、動画を活用することで同じ情報量を1分間で伝えることができるのです。可能な限り端的に自社や商品・サービスの情報を伝えなければいけない広告において、動画は非常に相性がいいコンテンツといえるでしょう。
メリット3:海外に向けての訴求がしやすい
動画広告のメリットとして、言語の壁を越えて海外に向けての訴求がしやすいという点が挙げられます。
動画広告では映像を用いて商品を訴求できるため、テキストで情報を伝える必要がありません。珍しい生き物の映像が全世界でバズるように、映像には言語の壁を超える力があります。たとえば化粧品の使い方などは、実際に使用している動画を用いた方がダイレクトに伝わり相手の言語に合わせる必要もありません。海外進出を視野に入れている場合には動画広告の活用がおすすめです。
メリット4:SNSの拡散力が使える
SNSで動画広告を出稿することで、SNSの拡散力が使える点も大きなメリットでしょう。
TwitterのリツイートやTikTok・Instagramのアルゴリズムを利用することで、動画広告でも拡散力を活用することが可能です。サイトへの露出では広告枠が決まっているため訪れたユーザーにしか広告をリーチさせることができないといった制限がありますが、SNSで動画広告を出稿することで大多数のユーザーにリーチできます。
メリット5:記憶に残りやすい
動画は情報量・情報伝達力が高いため、静止画広告に比べユーザーの記憶に残りやすいという強みもあります。友達などとテレビCMの話題で盛り上がれるように、動画は無意識のうちでも記憶に定着しやすいコンテンツです。キャッチーでインパクトのある動画広告を作成できればユーザーの記憶に残りやすいでしょう。
動画広告のデメリットとその対策
動画広告のデメリットと対策法について紹介します。
- 制作コストがかかってしまう
- 動画広告自体の改善が難しい
- ユーザーがすぐに離脱する可能性がある
デメリット1:制作コストがかかってしまう
動画広告は静止画広告に比べ、制作コストがかかってしまう点はデメリットといえるでしょう。
静止画広告では1枚クリエイティブを制作すれば良いですが、動画広告となるとそうはいきません。
企画・撮影・編集をしなければいけないため、静止画広告に比べると準備に時間とコストがかかります。
- 動画のテンプレートを作成する
- 撮影場所を固定する
- 背景にグリーンバックを使用しロケ費用を削減 など
コストを抑える方法はいくつかあるため、撮影・編集などの工程でクオリティを落とさずに工夫できる部分がないか探しましょう。
デメリット2:動画広告自体の改善が難しい
動画広告は静止画広告に比べ改善が難しいです。
静止画広告の場合には1枚の画像のため、入っている要素も動画に比べると圧倒的に少なく改善点が探しやすいです。
しかし動画広告の場合にはどの時点でユーザーが離脱してしまっているかを見つけ、改善を行わなければいけません。
一部分を変えるためにほかの部分を変えなければいけない場合もあるため、静止画広告よりも改善が難しいです。
動画広告の改善には分析ツールを使用し、ユーザーの視聴時間などのさまざまな数値を元に改善を行いましょう。
デメリット3:ユーザーがすぐに離脱する可能性がある
動画を視聴し始めてすぐに離脱されてしまう可能性があります。
ユーザーは冒頭の数秒で動画を見続けるか判断します。興味を持たれなかった場合にはすぐに広告をスキップしてしまうため、最後まで見てもらう工夫が必要です。
動画広告のクリエイティブを作成する際には、とくに最初の数秒に注力して作成しましょう。
動画広告の特徴と種類
動画広告には、大きく分けて3つの種類があります。
- インストリーム広告
- インバナー広告
- インリード広告
インストリーム広告
インストリーム広告とは、動画の前・途中・後に表示される動画広告です。インストリーム広告はさらに、「スキッパブル広告」・「ノンスキッパブル広告」に分けられます。
YouTubeで動画の前に広告が再生され5秒後にスキップできるようになるものがスキッパブル広告。一方でスキップできない広告がノンスキッパブル広告です。
動画を再生する画面全体を全て広告枠として活用できるため、視聴者にインパクトを与え認知獲得を狙えるメリットがあります。
インストリーム広告ではCPV(Cost Per View)と呼ばれる、視聴回数に応じて課金される方式がほとんど。主に下記の媒体で出稿可能です。
- YouTube
媒体によって出稿方法や課金方式が異なるため、出稿する際には該当の媒体での条件を確認しましょう。
インバナー広告
Webサイトにある広告枠に出稿できる動画広告が「インバナー広告」です。
動画広告が広く利用される以前は静止画広告が中心でしたが、近年では動画広告が出稿されることが多くなってきています。
発信できる媒体がWebサイトになるため、YouTubeやTikTokなどの動画SNSをあまり利用しないユーザーにもリーチできる点が大きなメリットです。
インバナー広告はCPM(Cost Per Mile)と呼ばれる課金方式で、動画広告が1,000回表示されるごとに課金されます。
インバナー広告はページが表示されたら強制的に再生が開始されるため、広告費がかさんでしまう可能性がありますので注意しましょう。
インリード広告
インリード広告は新しい動画広告のフォーマットで、Webページのスクロール中に動画広告が表示されたら動画が再生されるという動画広告です。
SNSやWebサイトのコンテンツの間に表示されます。広告の占有面積も広くユーザーが注視しているコンテンツの間に表示されるため、インタラクションが高いというメリットがあります。
しかし勝手に動画が再生されるため、不快感を覚えてしまうユーザーもいます。
インリード広告では基本的にCPMが採用されており、動画の〇〇%以上視聴されたら1カウントとするという課金方式です。
動画広告の配信媒体と表示箇所
動画広告を配信できる媒体と表示箇所をご紹介します。
- YouTube
- TikTok
- ニコニコ動画
- その他
YouTube
YouTubeで配信できる広告は下記の5種類です。
広告の種類 | 広告の配信位置 |
インストリーム広告 | 動画の再生前・途中・後 |
バンパー広告 | 関連動画の横 検索結果 モバイル版のトップページ |
True Viewディスカバリー広告 | 動画の再生前・途中・後 |
アウトストリーム広告 | Googleパートナー上のウェブサイトやアプリ |
マストヘッド広告 | ホームフィード上部 |
YouTube広告で一番メジャーな広告は「True Viewディスカバリー広告」です。
動画の再生前や途中・後に再生される広告で1度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
YouTubeではGoogleのパートナー企業のサイトやアプリに向けた「アウトストリーム広告」を出稿することができるため、普段YouTubeを利用しないという層にもリーチできる可能性があります。
YouTube広告の詳細な種類や出稿手順については下記の記事をご覧ください!
【2023年最新版】YouTube広告の種類と特徴、導入方法について
TikTok
広告の種類 | 広告の配信位置 |
起動画面広告 | アプリ起動時の画面 |
チャレンジ広告 | バナーとおすすめ |
インフィード広告 | 起動後最初の動画 おすすめ欄の4番目 おすすめ欄の80番目以内 |
運用型広告 | TikTok TopBuzz BuzzVideo |
TikTokではおすすめ欄やバナーへ動画広告を出稿できるほか、必ずアプリの起動時に再生されるなど大多数のユーザーに必ずリーチできる広告があります。
運用型広告では広告運用できるノウハウがあればすべての調整を自社で行うことが可能です。
提携のTopBuzzやBuzzVideoにも出稿できるため、普段TikTokを利用しない層にもリーチできます。
TikTok広告の詳細な種類や出稿手順については下記の記事をご覧ください!
TikTok広告どうやってはじめる?出稿方法や効果を出すポイント
ニコニコ動画
広告の種類 | 広告の配信位置 |
ニコニコ動画×ニコニ広告 | 動画再生前・後 おすすめ動画 |
ニコニコ生放送×ニコニ広告 | 生放送中 |
GAMEアツマール×ニコニ広告 | 関連動画位置 |
ニコニコ大百科×ニコニ広告 | ニコニコ大百科TOP 検索欄の横・下 コンテンツの途中など |
ニコニコ静画×ニコニ広告 | ニコニコ静画TOP 検索欄の横・下 コンテンツの途中など |
ニコニ立体×ニコニ広告 | ニコニ立体TOP 検索欄の横・下 コンテンツの途中など |
ニコニコ動画では出稿できる広告・配信される位置がとても豊富です。
ニコニコ動画に限らずドワンゴが運営するニコニコ系列のサイトにも広告が出稿できるため、さまざまな層にリーチできます。
それぞれのサイトで求められているニーズを分析し、ピンポイントで広告を出稿することで大きな効果が期待できるでしょう。
広告の種類 | 広告の配信位置 |
プロモ広告 | ツイート(タイムライン) |
フォロワー獲得広告 | おすすめユーザー欄 タイムライン 検索結果 |
Twitterライブ | イベントページ タイムライン |
Twitter Amplify | Twitter動画コンテンツパートナーの動画の再生前・後 |
Twitterではプロモ広告が特徴的です。
プロモ広告は普段のツイートを広告仕様にしたもので、タイムラインにほかのツイートと同じように表示されます。
いいね!やリツイートも普段のツイートと同じように行えるため、広告として出稿したツイートがバズる可能性があります。
またタイムラインに限らず、検索結果やおすすめユーザー欄などにも表示されるためさまざまなユーザーにリーチ可能です。
Twitter広告の詳細な種類や出稿手順については下記の記事をご覧ください!
Twitter広告のやり方は?Twitter広告出稿の流れ
広告の種類 | 広告の配信位置 |
ストーリーズ広告 | ストーリーズ |
フィード広告 | タイムライン |
発見タブ広告 | 発見タブ |
リール広告 | リール |
Instagramでは投稿の形態に合わせ、さまざまな動画広告を出稿できます。
発見タブを利用してリール投稿を閲覧するユーザーも多いため、リールを見ている途中に広告が表示されるリール広告などは非常に効果的でしょう。
Instagramでは映えが求められるため、動画広告のクリエイティブはユーザーの目を惹くものを作成する必要があります。
Instagram広告の詳細な種類や出稿手順については下記の記事をご覧ください!
【2023年最新版】Instagram広告の特徴や種類、費用についてくわしく解説
広告の種類 | 広告の配信位置 |
動画広告 | タイムライン |
カルーセル広告 | タイムライン |
ほかにもいくつかの広告形態がありますが、動画広告を出稿できるのは上記の2種類。
Facebookはビジネスマンが多く利用するSNSのため、BtoB商材や経営者向けの商材などがとても相性がいいです。
出稿できる広告の形態はもちろん、媒体ごとの特性をつかみ広告の出稿を検討しましょう。
その他
配信媒体 | 広告の配信位置 |
Yahoo!ディスプレイ広告 | 運営・提携しているサイトやアプリ |
Googleディスプレイアドネットワーク | 運営・提携しているサイトやアプリ |
各種Webサイト | サイト内 |
そのほか、Yahoo!やGoogle・各種Webサイトでも動画広告を出稿可能です。
ディスプレイ広告と呼ばれる、あらかじめ広告枠として設けられている位置に広告を出稿します。
Yahoo!Googleを利用するユーザーはとても多いため、大多数にリーチできるという利点があります。
またWebサイトに広告枠が設けられていれば、その位置に広告を出稿するといったことも可能です。
効果的な動画広告を制作するコツ
効果的な動画広告を制作するコツを4つ紹介します。
- コンバージョン地点とターゲット層を明確にすること
- 初めの3秒で引き込む作りにすること
- モバイルファーストを意識すること
- 効果測定と広告動画改善を繰り返すこと
コンバージョン地点とターゲット層を明確にすること
動画広告を制作する際には、コンバージョン地点(成果地点)とターゲット層を明確にしましょう。
動画広告を閲覧して何をして欲しいのか(コンバージョン)広告をどの層に向けて配信するかを明確にすることでCVRの向上が見込めるでしょう。
会員登録であるのか、商品の購入であるのかによっても制作するべき動画の内容は大きく変わります。
また、主婦や会社員などユーザーの属性によって求める内容が異なります。ユーザーのニーズを予測し動画の内容を決定することが大切です。
初めの3秒で引き込む作りにすること
最初の3秒で引き込まれる動画を作成しましょう。
ユーザーは再生から数秒の間に視聴を続けるか判断します。そのため最初の3秒で視聴者を惹きつける工夫が大切です。
疑問を投げかける・動画の最後に紹介しますなど、動画の最初に最後まで見てもらえるような行動喚起を促してもいいでしょう。
モバイルファーストを意識すること
動画広告市場規模の7割ほどはスマートフォンが占めているため、モバイルファーストを意識しましょう。
ユーザーのほとんどはスマートフォンで動画広告を閲覧していますので、動画のサイズや向きなどスマートフォンの規格に合わせて作成することが大切です。
効果測定と広告動画改善を繰り返すこと
動画広告を出稿した際には、効果測定と動画の改善を繰り返し行いましょう。
最初から最適なクリエイティブを作ることは難しいため、分析ツールを用いさまざまな数値を計測することが大切です。
動画がどれだけのユーザーにリーチできたか、広告の出稿によって得られた効果などを測定しましょう。
数値が悪い部分の改善を続け、ターゲット層に刺さる動画に少しずつ近づけることが大切です。
動画広告での集客事例を紹介
事例:Pringles社
世界的に有名なポテトチップスのPringlesを生産するPringles社は、2023年のスーパーボウル(アメリカ最大のスポーツイベント)に向けて認知拡大を狙いYouTube広告を活用しました。
「フレーバー スタッキング(重ね食べ)」というトレンドに着目し、6秒のバンパー広告を活用して視聴者の心を刺激。
その後、舞台裏の公開やスポット広告でファンを魅了しました。
試合当日にもできる限りリーチを獲得できるよう広告を配信した結果、総表示回数1億2,000万回を記録し3%の売り上げ増加に成功しています。
参考:YouTube Ads「Pringles」
事例:ユナイテッド航空
ユナイテッド航空はYouTube広告を活用して、チケット購入を検討しているユーザーの意欲を刺激し購買行動を促す施策を行いました。
フライトを検索したユーザーに対してリマーケティングを行い再アプローチをかけたいと考案。
絶景のなかで休暇を楽しむ人々が登場する動画を作成、行動を促すフレーズとともに広告を掲載し、Webサイトへ誘導しました。
結果として、17,000あるフライト予約のうち52%がYouTube広告を経由したコンバージョンという効果を実現しています。
参考:YouTube Ads「ユナイテッド航空」
まとめ
ここまで動画広告のメリットについて事例を交えながら紹介しました。
動画広告は主流の広告形態になりつつあり、静止画広告に比べ伝えられる情報量が多いなどメリットが多いです。
大多数のユーザーにリーチしながら、精度高くターゲティングができるという点はテレビCMなどにはなかった強みでしょう。
本記事を参考に動画広告への理解を深め、企業のマーケティングにお役立てください。