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【動画制作】絵コンテ作成の決定版!企画担当になっても安心の作成手順を解説

Time 2023年4月26日

 

動画を制作する現場では、絶対に欠かせない資料のひとつに「絵コンテ」があります。

 

絵コンテとは、動画制作をスムーズに進めるための指示書のことです。

 

動画を作るための設計図のような役割を担っているため、ドラマやCM、映画、アニメなど、映像作品を撮影する前に必ず準備します。

 

初めて動画制作の企画担当になった場合、絵コンテは「いつ」、「誰が」、「どのように作るのか」が分からない方が多いと思います。

 

本記事では、初心者でも絵コンテについて理解できるよう、作成手順や注意点を解説します。

 

絵コンテ(制作表)とは?

絵コンテとは、映像作品を作成する際に動画の流れをまとめた指示書のことです。

 

そもそも「コンテ」とは「連続」という意味を持つ「continuity(コンティニュイティー)」という単語からきています。

 

コンテの名前通り、連続した時系列で動画の流れを表したのが絵コンテです。

 

絵コンテは基本的に絵と文字で構成されています。

 

絵コンテとは

 

絵コンテを作成するためのフォーマットは制作会社によって異なりますが、記載する内容は基本的に以下の通りです。

 

  • 撮影シーンの内容(カメラワーク)
  • 役者やイラストの動き(背景の指示)
  • セリフ
  • 動画の尺(秒数)
  • テロップの内容
  • BGM・ナレーション指示

 

カメラワークとは、撮影技法の総称です。

 

どのような角度から被写体を撮影するのか、撮影時の表現方法などを指します。

 

撮影現場では、絵コンテ以外にも台本やシナリオといった資料があります。

 

しかし、台本やシナリオはテキストベースのため、どんな絵になるのかがわかる資料としては絵コンテしかありません。

 

絵コンテには、どんなカメラワークで撮影するのか、効果音やBGMは入れるのかなど、制作スタッフに伝えたい内容を記入します。

 

指示を明確にすることで撮影時に現場での認識のズレを防ぐことができます。

 

絵コンテ(制作表)を作るメリット

絵コンテには、動画の世界観などの共通認識をすり合わせたり、意思疎通を図ることで業務の効率化を目指す役割があります。

 

発注者・受注者の共通認識を固められる

台本やシナリオも、映像作品を作る上では重要な資料です。

 

しかし、台本やシナリオはテキストベースの資料のため、絵になる動きが考えにくいという欠点があります。

 

一方、絵コンテは文章と絵で表現され、動きや世界観を把握するのに適しています。

 

クライアントがいる場合は、クライアントの想定と制作サイドの想定を擦り合わせるのに用いられます。

 

発注者と受注者の共通認識を絵コンテ上で確認し、動画制作時のイメージの違いがないように調整するのに役立ちます。

 

ディレクター・クリエイターの業務を効率化できる

絵コンテは、主にキャストや制作スタッフの共通認識を明確にするために作成されます。

 

基本的には映像ディレクターが制作します。

 

絵コンテは、ディレクターの考えや意向を代弁する役割を担っています。

 

これにより、他のスタッフやキャストも絵コンテを見るだけで動画全体のイメージを理解しやすくなります。

 

動画制作後の修正を少なくできる

絵コンテを共有することの最大のメリットに、修正を少なくできるという点が挙げられます。

 

撮影をしてから編集するため、修正内容によっては制作後に修正することは難しいです。

 

特に、大幅な修正が入った場合は、実写動画の場合は撮影がやり直しになります。

 

反対に、アニメーション動画の場合は、素材の作り直しからスタートしなければいけません。

 

どうしても修正をしたい場合、完全にできないわけではありません。

 

しかし、撮影のためにもう一度スタッフを召集したり、スケジュール調整を行う必要があるため、予定していた納期よりも大幅にずれたり、追加の撮影費用がかかってしまう可能性があります。

 

そういった制作後の修正を避けるためには、絵コンテ制作の時点で認識にズレがないか確かめることが重要です。

 

特にクライアントがいる場合は、イメージの違いがないようにすることで、動画制作後の修正を少なくできます。

 

絵コンテ(制作表)は誰が作るの?

絵コンテは、基本的にディレクターに当たる人が制作します。

 

ちなみに、映画などの現場では、演出家やコンテマンなどが作る場合が多いです。

 

作品によっては監督自身が絵コンテを制作する場合もあります。

 

一般的な企業のプロモーション動画であれば、制作会社に依頼して絵コンテを作ってもらうケースもあります。

 

というのも、絵コンテは制作スタッフ全員に共有する指示書です。

 

初心者が絵コンテを制作した場合、映像を介してどのように表現をすべきか分からず、予算がオーバーするような絵コンテになる可能性があります。

 

慣れないうちは、制作する動画の目的や内容を制作会社に伝えて、フィードバックに専念した方がいいでしょう。

 

 

絵コンテ(制作表)の作り方、流れを解説

ここからは、実際に絵コンテを制作する流れを解説します。

 

自分で作成しなくても、絵コンテの作り方を知っておくことは大切です。

 

特に、制作会社などに依頼をする場合は、どういった内容を打ち合わせの時に伝えるべきなのかがわかります。

 

作り方のコツを押さえて、イメージ通りの絵コンテを制作しましょう。

 

動画の制作目的やターゲットを明確にする

絵コンテを作成する前に明確にしておきたいのは「制作目的」です。

 

企業名やサービスの認知拡大を狙うのか、ブランド価値の向上やサイト誘導・商品購入などの集客を狙いたいのかによって戦略が変わります。

 

また、ターゲットによって動画の内容はガラリと変わります。

 

訴求する内容や動画を通して伝えるべきメッセージが異なるからです。

 

性別や年齢、住所など、なるべく詳細なターゲット像があれば、より具体的に戦略を考えることができます。

 

制作会社に絵コンテの作成を依頼するときは、ターゲットとなる層の細かいペルソナまで検討するようにしましょう。

 

動画の配信媒体を明確にする

動画を配信する場合、利用する媒体も決めておくことが必要です。

 

なぜなら、配信する媒体によって特性があり、利用ユーザーや年代などが大きく異なるからです。

 

ちなみに、配信媒体は、YouTubeやSNS、TVCM、交通系のデジタルサイネージなど多岐に渡ります。

 

配信する媒体によって向いている広告の世界観や動画の長さ、納品形式も異なります。

 

下記は、媒体による特性の違いの一例です。

 

媒体名特 性
YouTube・利用ユーザーは男性が90.4%、女性が86.6%
・20代~30代の約3割が休日に3時間以上利用
・動画サイズは横型(16:9)/1920 x1080
Instagram・若い女性ユーザーだけでなく、ミレニアル世代において男女ほぼ同数の割合で利用されている
・平日の朝7~8時、昼12~13時、16時以降の時間帯に多く利用
・ストーリー広告は縦型(9:16)/1080×1920

 

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引用1:【調査リリース】YouTube利用動向調査 利用率9割、男性は学び系・女性は熱量高く多様な動画を視聴 20代~30代の約3割が休日に3時間以上利用
引用2:国内利用者のInstagram活用の現状 | Meta for Business
引用3:2022年版:インスタグラム投稿、いいねがもらえるベストな時間帯は?アプリユーザーが多い時間帯を調査

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YouTubeとInstagramの特性を見比べるだけでも明らかですが、使用する媒体によっては利用ユーザーがガラリと変わります。

 

そのため、どのような動画の内容でメッセージを訴求すべきかが大きく異なります。

 

絵コンテを作成する前に、メインで配信する媒体や用途を考えておくことで、動画の構成も作成しやすくなります。

 

また、媒体を明確にすることは、絵コンテの制作だけでなく、費用の算出にも関わります。

 

動画は作り直しが難しいので、縦位置の動画なのか、横位置の動画なのかを最初から設定しなければいけないからです。

 

絵コンテの制作前に必ず配信媒体を決めるようにしてください。

 

目的に沿った動画構成(シナリオ)を考案する

絵コンテを作成する場合、すぐに絵を決めたくなりますが、まずはシナリオを考案する作業から始めます。

 

シナリオとは、動画全体のセリフやナレーションが入った原稿のことです。

 

シナリオを作成せずに絵から決めてしまうと、うまく絵とセリフがマッチせず不自然な動画になってしまいます。

 

良い動画を制作するためにも、動画を配信した先のゴールは何なのか、今一度、動画制作の目的を整理しましょう。

 

そして、目的に沿った動画構成(シナリオ)を考案することが最も重要です。

 

制作動画のコマ割り、時間配分を決定する

 

コマ割りとは、映像にするためのシーンを、画面の中でどのように構成するかを設定するための作業です。

 

具体的には、カメラや役者をどう移動させるか、どのようなアングルでシーンを撮るかなどを決定します。

 

コマ割りの際に、撮影シーンの構図だけではなく、時間配分も考える必要があります。

 

1カット(コマ)はおおよそ3秒〜6秒です。

 

時間配分を考える際は、シナリオを参考にセリフも入れ込んでいきます。

 

入れ込むセリフが決まったら、ゆっくりめに音読してストップウォッチで計測してください。

 

いざ読んでみると尺に入らない場合があります。正確な時間配分をするためにも計測作業は必須です。

 

撮影を想定したイラストラフ案を書き込む

全体の原稿が完了したら、絵コンテのメインとなる「絵」を書き込んでいきます。

 

絵コンテには絵の上手さは関係ありません。わかりやすさを重視し、どんな動きをするかを伝えることが重要です。

 

絵コンテイメージ

 

特に、台本やシナリオはテキストベースのため、どういうカメラワークで撮影したらいいのかが伝わりにくいです。

 

手元のみのカットなのか、役者の背後から抜くのか、どんな場所で撮影する想定なのかが伝わるようにしてください。

 

また、イラストで表現するのが難しい場合は、イメージに近い写真素材を入れ込む場合もあります。

 

重要なのはイメージが伝わることなので、必ずしも絵で表現しなくても問題はありません。

 

動画内のテキストを書き込む

動画には説明文用のテキストが入る場合もあります。

 

その場合は、映像だけでなくテロップの位置や大きさも意識して絵コンテに書き加えてください。

 

また、テロップを追加する場合、文字数に注意する必要があります。

 

長すぎると視聴者が読み込めないことがあるため、短く端的な内容でテロップを入れるように心がけましょう。

 

それぞれ秒数やシーン番号を割り振って完成

シーン番号とは、最初のシーンから次のシーンに切り替わる際に振る番号のことです。

 

絵コンテに記載すべき内容を書き込んだら、最後に秒数やシーン番号を割り振ります。

 

その際に、秒数をすべて合計し、当初予定していた動画の長さと同じか確認してください。

 

問題がなければ絵コンテの完成です。

 

絵コンテ(制作表)を作る際の注意点

ここまで、絵コンテ作成の流れを解説してきましたが、絵コンテ制作時には注意すべき3つのポイントがあります。

 

以下では、これらのポイントについてくわしく説明します。

 

制作する動画と同じ縦横比にすること

絵コンテは、動画を作るための指示書です。

 

そのため、絵コンテを作る場合は完成を目指す動画と同じ縦横比で作るようにしてください。

 

縦横比が違う場合、どんなに詳細な指示を書いていても現場で混乱してしまう場合があるので注意しましょう。

 

多くのメッセージを詰め込み過ぎないこと

絵コンテを作成する際に、伝えたい内容を多く盛り込みたくなることがあります。

 

しかし、多くのメッセージを詰め込みすぎると「動画で伝えたいこと」がわかりにくくなってしまいます。

 

そのため、動画で伝えたいことの優先順位を考え、訴求することが重要です。

 

伝えたいことは、動画の長さによって調整しましょう。

 

30秒程度の動画であれば、伝えたい内容は1〜2つにするのがベストです。

 

絵コンテを確認する際には、メッセージを盛り込みすぎていないか、もっとも重要なメッセージが効果的に伝わっているかを確認することをおすすめします。

 

絵コンテ段階で細かく作りすぎないこと

絵コンテはあくまでも動画の構成台本であり、全体の流れを共有するためのものです。

 

どんなに細かく指定をしても、実際の撮影と絵コンテが同じにならない場合があります。

 

これは、アニメーションでも同様です。

 

イラストレーターが制作したイラストを動かしたら、印象が変わるケースもあります。

 

そのため、絵コンテの段階で細かく作りすぎない方が打ち合わせや制作がスムーズに進む場合があります。

 

絵コンテはあくまでイメージであり、実際の動画とは異なることを忘れないようにしてください。

 

まとめ

本記事では、初心者でも絵コンテについて理解できるように作成手順や注意点を解説してきました。

 

絵コンテは、動画制作において、制作スタッフとの共通認識を明確にする重要な資料です。

 

そのため、絵コンテは誰が見ても分かりやすく、指示が明確に伝わる必要があります。

 

また、動画を制作する際はメッセージを詰め込み過ぎず、最も重要なメッセージが効果的に伝わっていることが大切です。

 

絵コンテを自分で作らず、制作会社に作成してもらう場合も、本記事で紹介したポイントを参考にしてフィードバックを行うようにしてください。

 

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