ノウハウ
【GA4対応】Google Analytics(アナリティクス)を活用したレポート作成方法と分析ツール「Looker Studio」のご紹介
2023年1月31日
Google Analytics(アナリティクス)は、多様化するユーザーの行動データを詳細に取得できる分析ツールです。任意の分析軸でレポートを作成し、自社サイトの現状や改善点を的確に把握できます。
Google Analyticsを導入したものの、Google Analyticsの機能を活用しきれず、十分なデータ分析が行えていないWeb担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、Google Analytics4でのレポートの作成方法や、「Looker Studio」という無料の分析ツールについて解説します。自社サイトを分析するために、本記事を読んでGoogle Analyticsのレポートの活用方法を習得しましょう。
目次
Google Analytics(アナリティクス)を活用したレポートとは
Google Analyticsのレポートを活用すると、自社サイトの現状を把握できます。確認できる情報は以下の通りです。
- ユーザーの性別、年齢、興味関心、デバイスの種類
- 流入経路(参照元やメディア)
- ユーザーの行動(ページビュー、スクロール、クリックなど)
- リアルタイム(過去30分)のユーザーのデータ
さらに、データを自由に組み合わせたレポートの作成も可能です。見たいデータを一目で確認できるため、サイトの分析や改善に役立ちます。
Google Analytics(アナリティクス)レポートで分析できること
Google Analyticsのレポートでは、複数のデータを組み合わせたり、任意の分析軸を設定したりと、柔軟にデータの比較分析ができます。
中でも、Google Analytics4の「探索レポート」では、通常のレポートには表示されないデータやさまざまな分析手法を利用可能です。
- 特定のニーズや属性ごとのユーザー分析
- 目標達成までの各プロセスの行動分析
- ユーザーの移動経路の分析
- ユーザーのライフタイムバリュー(顧客生涯価値)の分析
Google Analyticsのレポートを活用すれば、自社サイトの詳細なデータを取得できます。効果的に自社サイトを改善するためには、Google Analyticsのレポートの活用は必須です。
UAとGA4におけるレポート作成時の違い
Google Analyticsには、新バージョンのGoogle Analytics4(GA4)と旧バージョンのユニバーサルアナリティクス(UA)があります。2つのバージョンで、レポートの表示項目や操作方法が異なります。
以下の画像で、カスタムレポート作成時の表示項目の違いを確認してください。
※GA4の管理画面では、カスタムレポートが「探索レポート」と表記されます。
UAとGA4では、データの表示項目や名称が異なっています。「ユーザー属性」や「コンバージョン」の確認画面を、以下の画像で確認してください。
UAは、個別のデータを確認する際に便利ですが、大まかなデータを把握する時に複数の画面を開く必要があります。一方で、GA4では一画面で大まかなデータを確認できます。
以上のように、UAとGA4で仕様が大きく変化した理由は、「ユーザーの行動が多様化しているため」です。
UAは、「ユーザーのセッション(サイトへの訪問)」に焦点を当てて、データを計測していましたが、この計測方法ではユーザーの行動を正確に分析できなくなっています。
そこで、「サイト内のユーザー行動」に焦点を当てて計測を行うGA4へとバージョンアップしました。GA4では、アプリやデバイスを横断した計測も可能です。
多様化するユーザーの分析を行う上では、GA4の方が優れているため、GA4でレポート分析を行ってください。2023年7月1日には、UAからGA4への完全移行が決定しているため、UAを使用しているWeb担当者の方は、今のうちにGA4へ移行しましょう。
【導入編】Google Analytics4(GA4)を利用したレポート作成方法
ここからは、GA4の「探索レポート」の作成方法を紹介します。今回は、例として「チャネル別のセッションやCV数」のレポートを作成します。
まずは、Google Analyticsにアクセスし、「探索」をクリックしてください。
「探索」の項目が表示されない場合は、プロパティがUAになっている可能性があります。左下の「管理」をクリックして、プロパティをUAからGA4に変更し、「探索」をクリックしてください。
レポート名と集計期間を設定する
「探索」をクリックすると、データ作成画面が表示されます。「空白」の「+」マークをクリックして、レポートの作成を開始してください。
画面が遷移した後、レポート名と集計期間を設定してください。
「セグメント」「ディメンション」「指標」を選択する
「セグメント」「ディメンション」「指標」について、簡潔に用語の説明をします。
セグメントとは、特定の条件でユーザーを絞り込むことです。「商品を購入したユーザー」「キャンペーン経由でセッションしたユーザー」「7日間離脱しているユーザー」など、特定のユーザー層に絞ったデータ計測時に使用します。
ディメンションは「分析軸」、指標は「数値(時間や割合など)」のことを指します。たとえば、ディメンションを「ページビュー」、指標を「滞在時間」に設定すると、「ページビュー別の滞在時間」を計測可能です。
今回は、「チャネル別のセッションやCV数」を計測するため、以下の通りに設定してください。
- セグメント:なし
- ディメンション:セッションのデフォルトチャネルグループ
- 指標:セッション、コンバージョン数
セグメントの設定は不要であるため、ディメンションや指標のみを設定しましょう。
まず、「ディメンション」の右上の「+」をクリックしてください。
画面が遷移した後、「トラフィックソース」>「セッションのデフォルトチャネルグループ」の順にクリックし、画面右上の「インポート」を選択します。
次に、指標を設定します。ディメンションと同様に、右上の「+」をクリックしてください。
画面が遷移した後、「イベント」>「コンバージョン」、「セッション」>「セッション」をそれぞれクリックしてください。その後、右上の「インポート」をクリックします。
要素を配置する
ドラッグ&ドロップで、「セッションのデフォルトチャネルグループ」を「行」の下に追加してください。
次は「値」設定します。画面下にスクロールした後、「値」の下をクリックし、「セッション」と「コンバージョン」を選択しましょう。
以上で、レポートの作成が完了します。
無料で利用可能なツールLooker Studio(旧Googleデータポータル)について
通常、サイトの分析では、Google AnalyticsだけでなくGoogle Search ConsoleやGoogle広告など、他のツールで得たデータも参考にします。しかし、複数のツールを行き来してデータ分析を行うのは手間がかかります。
効率良くデータ分析を行うために、Googleが無料で提供する「Looker Studio」というBIツールを使用しましょう。
※BIツールとは「大量のデータから必要な情報を集約して分析するツールのこと」を指します。
「BIツールは専門家でないと扱えない」と考えられていますが、Looker Studioは個人でも使用しやすいように設計されています。専門知識がなくても、複数のツール間のデータ分析が簡単にできます。
ちなみにLooker Studioは、2022年10月以前は「Googleデータポータル」という名称でしたが、Lookerブランドに統合されて「Looker Studio」に名称変更しました。
Looker Studio(ルッカースタジオ)とは
前述した通り、Looker Studioは、個人でも簡単に複数のツールをまたいだデータ分析ができるBIツールです。
- Google Analytics
- Google広告
- Googleスプレッドシート
- Google Search Console
- YouTubeアナリティクス など
上記の複数のデータソースと接続し、自由にレポートを作成できます。ディメンションと指標を選択するだけの直感的な操作で使用可能です。表やグラフでデータを可視化できるため、自社サイトの現状や改善点の把握に役立てましょう。
Looker Studio(ルッカースタジオ)を利用するメリット
Looker Studioを利用するメリットは、3つあります。
- データ分析が効率化できる
- リアルタイムなデータを確認できる
- 過去14ヶ月以前のデータ取得が可能
★データ分析が効率化できる
Looker Studioのみでデータ分析が完結するため、Google AnalyticsやGoogleスプレッドシートなどツール間の行き来が不要になり、分析業務を効率化できます。
一度、Looker Studioでレポートを作成すると、データが自動で集計されるため、毎回レポートを作成する手間が省けます。Looker Studioにはテンプレートもあり、初めて使用する方でも簡単にレポートを作成可能です。
★リアルタイムなデータを確認できる
2つ目のメリットは、データの更新が不要なため、常にリアルタイムでデータを確認できる点です。たとえ、ツールへのアクセス権限がない方でも、URLリンクの共有によってデータの閲覧が可能です。
★過去14ヶ月以前のデータ取得が可能
Google Analytics4の探索レポートでは、データの保持期間が最大14ヶ月までと定められています。データの保持期間を超過すると、自動でデータが削除される仕組みです。
しかし、Looker Studioなら、データ保持期間の影響を受けないため、過去をさかのぼって自由にデータ分析ができます。
Looker Studioは便利なツールですが、注意点として「無料で使用できる範囲が制限されていること」が挙げられます。
Looker Studio(ルッカースタジオ)が有料になる場合
Looker Studioには、全ての機能が使用でき、技術的なサポートを受けられるエンタープライズ向けの有料プラン(Looker Studio Pro)があります。
有料プランでなくても、以下の2つのケースに該当すると、料金が発生します。
- BigQueryとの接続
- 有料テンプレートの使用
BigQueryとは、Google Cloudが提供するビックデータ分析ができるサービスです。
専門知識がなくても大量のデータを元にした分析ができますが、BigQuery自体が有料で、データ量に応じた料金が発生します。BigQueryの料金は、Google Cloudから確認してください。
また、Looker Studioでは、基本的なテンプレートは無料で使用できますが、本格的なテンプレートは有料です。
GA4とLooker Studio(ルッカースタジオ)の連携方法とレポートの作り方
最後に、GA4とLooker Studioを連携させる方法を紹介します。
GA4のデータソースを用意する
はじめに、Looker Studioにアクセスし、「使ってみる」をクリックしてください。
画面が遷移した後、「作成」>「データソース」の順にクリックします。
次に、「Google アナリティクス」を選択してください。
Google AnalyticsアカウントのGA4プロパティを選択した後、右上の「接続」をクリックします。
以上で、データソースの作成が完了します。
作成データを元にレポートを作成
Google Analytics4との接続後、右上の「レポートの作成」をクリックしてください。
レポートを作成した後、「グラフを追加」から表やグラフを選択しましょう。
グラフを追加した後、確認したいデータに合わせて「設定」や「スタイル」を変更すれば、グラフの作成は完了します。
グラフを作成後、右上の「共有」からレポートの共有やダウンロードが可能です。
自由にレポートを作成し、自社サイトの分析に役立ててください。
まとめ
Google Analyticsのレポートでは、取得したデータを組み合わせたり、任意の分析軸を設定したりして自由にデータの比較分析が行えます。見たいデータを一目で把握するために、GA4の「探索レポート」を活用しましょう。
Looker Studioは、ツール間をまたいだデータ分析ができる無料の解析ツールです。データは自動更新され、過去にさかのぼってデータを取得できます。サイト運営をするWeb担当者の方は、ぜひLooker Studioを導入しましょう。