ノウハウ
【2024年/GA4対応】初心者必見!Google Analyticsの基本的な使い方と設定方法
2024年5月5日
Google Analytics(グーグルアナリティクス/GA)はGoogleが無料で提供している解析ツールです。Webサイトやアプリを訪問したユーザーの「サイト内での行動」を把握することができ、コンテンツやサイト設計の見直し、効果検証に役立ちます。
今回はGoogle Analyticsの特徴から、2023年7月より移行となった「Google Analytics 4」の導入方法までを解説します。
目次
Google Analytics(グーグルアナリティクス/GA)導入メリット
Google Analyticsを自社のWebサイトに導入すると、さまざまなメリットがあります。
- トラフィック分析
- ユーザー行動の把握
- コンバージョンの追跡
- リファラー解析
- レポート作成
- 広告キャンペーンの効果測定
1.トラフィック分析
ユーザーの訪問数やセッション数などアクセス全体の数のほか、ページビュー、滞在時間などの把握が可能です。どのページが人気であるかや、訪問者がどのような行動を取っているかを理解することができます。
2.ユーザー行動の把握
ユーザーがWebサイトやアプリ内でとった行動を把握できます。クリックパスやコンバージョンの流れを追跡することができます。
把握できる項目には、ページビューの分析、イベントの個別カスタム、ページフロー分析、コンバージョン変換点の追跡、ユーザーセグメント作成などがあります。
3.コンバージョンの追跡
商品購入や申し込み、予約、フォーム送信などの目標を設定し、成果に対するコンバージョン関連項目を確認できます。
確認可能なものとして、成果目標の設定、イベント(特定のユーザーアクション)追跡、、購買プロセスのデータ分析、リダイレクトページ設定などがあります。
4.リファラー解析
外部流入の道筋や、どのSNSから流入してきたかなどの出どころ(ソース)を見ることができます。
トラフィックソース・メディア・キャンペーンの分析、リファラーのクリック数とセッション数確認、直帰率と滞在時間確認、検索キーワード解析、ユーザーのデバイス確認などの確認が可能です。
5.レポート作成
Google Analyticsは個別カスタマイズが可能なレポートを作成できます。レポート作成方法についてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。
6.広告キャンペーンの効果測定
広告パフォーマンスや投資対効果(ROI)を評価、追跡できます。GAとGoogle Ads(旧AdWords)を連携させ、広告キャンペーンからのトラフィックやコンバージョンデータをGA内で確認することが可能です。
そのほかGAでできることとして、UTMパラメータ付与、コンテンツ別のトラッキング、コンバージョンの成果確認、広告媒体比較、類似オーディエンスの分析などがあります。
Google Analyticsのバージョン3つ
Google Analyticsには3種類のバージョンがあります。
1つ目は、以前から使われているユニバーサルアナリティクス(UA)です。2つ目はユニバーサルアナリティクスの有料版であるGoogle Analytics360(GA360)で、3つ目はユニバーサルアナリティクスの次世代ツールであるGoogle Analytics 4(GA4)となります。
ユニバーサルアナリティクスは2023年7月1日(有料版は10月1日)にサポートが終了し、データの取得を停止しています。ユニバーサルアナリティクスはGA4へ移行しており、2023年7月以降のデータの計測はGA4で行います。
GA4は近年多様化するユーザーの検索行動に対応しており、Webサイトやアプリ、デバイス間を横断したデータの計測が可能です。ユーザー1人ひとりのデータをさらに深く分析することができます。
ユニバーサルアナリティクス(UA)とGoogle Analytics 4(GA4)の主な違い
UAとGA4では、いくつかの違いがあります。
- 計測時の分析軸が異なる
- 離脱率やコンバージョン数の定義が異なる
1.計測時の分析軸が異なる
ユニバーサルアナリティクスは「セッション(ページへの訪問)」を中心とした計測方法で、GA4は「サイト内でのユーザーの行動」に焦点を当てた計測方法です。
GAでは前回の訪問から日をまたいだ場合や、流入元が異なる場合、別セッションとしてカウントされていました。一方、GA4では1つのセッションとしてカウントされます。なお訪問回数は、1日ごとに1つずつです。
一方でGA4では、ページのスクロールや動画のエンゲージメントなど、ユーザーの行動1つひとつを計測します。GA4はUAに比べてユーザーの動きを重視しており、ユーザーが複数のデバイスやセッションでアクションを起こしても、一人のユーザーの動きとして紐づけられます。
つまりGA4の計測ではUAよりもセッション数が少ないが、ユーザーの行動を正確に把握できるようになっています。
なおスクロールや動画のエンゲージメントといった行動データはUAでも計測できるものの、設定がやや複雑です。一方、GA4ではオンオフの切り替えのみで簡単に計測を開始できます。
2.離脱率やコンバージョン数の定義が異なる
UAとGA4では、離脱率やコンバージョン数の定義のほか、異なる点があります。
▼GA4で変更になった点
- 離脱率:ページビュー単位 → セッション単位に変更
- コンバージョン数:1つのセッションに対してコンバージョンの最大が1から複数回に変更
- 直帰率:GA4ではデフォルト表示されず「探索」からカスタム設定が必要
- エンゲージメント:GA4で新規追加。ページの閲覧(2ページ以上)やスクロール、リンクのクリックなど、サイト内でのユーザーの行動を示す
▼GA4で「直帰率」が表示されなくなった理由
直帰率とは、サイトへ訪問してそのページだけ閲覧して離脱する割合を指します。GA4では「直帰率」の表示がデフォルトではなくなりました。
UAでは「最初のページを閲覧した時間」と「次のページを閲覧した時間」の差で滞在時間を計測していましたが、直帰したユーザーの滞在時間は0秒とカウントされていました。つまり、ページの閲覧時間の長短にかかわらず「滞在時間0秒で離脱したユーザー」として計測されます。この計測方法ではユーザーの行動を正確に把握できないため、非表示になっています。
▼GA4で新規追加された項目(1)「エンゲージメント」
エンゲージメントとは、ページの閲覧(2ページ以上)やスクロール、リンクのクリックなど、サイト内でのユーザーの行動を指します。エンゲージメントの数値が高いほどユーザーの満足度が高く、エンゲージメントが低いと直帰するユーザーが多いページと判断できます。
GA4では訪問後20秒以上が経過すると、エンゲージメント発生と判断されます。なお、直帰したユーザーのデータも取得できるようになっています。
▼GA4で新規追加された項目(2)「アクティブユーザー」
アクティブユーザーは、実際にページを画面に表示して閲覧しているユーザーを示す項目です。
サイトを訪問しても、別タブで開いただけなどでページを閲覧していなかったり、他のページの背面にあり閲覧されていないことがあります。こうしたユーザーはアクティブユーザーとしてカウントされません。
つまりユーザー数に対してアクティブユーザー数が少ないときは「該当ページはユーザーに見られなかった」「ユーザーが知りたい内容ではなかった」と仮説を立て、改善につなげることができます。
Google Analytics 4(GA4)の設定方法
ここでは、PCからGA4を設定する方法を解説します。
- Googleアカウントを作成
- Google Analyticsのアカウントを作成
- プロパティの作成
- GTM(Googleタグマネージャ―)でトラッキングコードを設置
- 自社アクセス(IPアドレス)を除外
- 目標(コンバージョン)を設定
- Google Search Console(サーチコンソール)と連携
1.Googleアカウントを作成
GA4の利用にあたり、Googleアカウントの作成が必要です。アカウントがない場合、Googleアカウントページから「アカウントを作成する」を選択してください。
アカウントの作成には、基本情報(生年月日と性別)、Gmailアドレスの選択(または任意の文字列で作成)、パスワード作成、再設定用のメールアドレスの追加を行い、本人確認後にアカウントの作成が完了します。
すでにアカウントがある場合、Google Analyticsのアカウント作成時に既存のGoogleアカウントが使用されます。「STEP2:Google Analytics(アナリティクス)のアカウントを作成する」に移りましょう。
2.Google Analyticsのアカウントを作成
GA4を開始するには、Googleアカウントとは別にGoogle Analyticsのアカウントが必要です。Google Analyticsアカウントページにアクセスしてください。画面上部の「測定を開始する」をクリックします。
Googleアカウント画面にページが切り替わるので、1「Googleアカウントを作成」で作成したGoogleアカウントを選択し、次画面でパスワードを入力します。
アナリティクスの設定画面に推移します。「アカウントの詳細」で、アカウント名を入力してください。「アカウントのデータ共有設定」の下にあるチェックマークは、全てチェックが入ったままでOKです。「次へ」をクリックし、プロパティの作に移りましょう。
3.プロパティの作成
Google Analyticsのアカウント内でプロパティを作成します。
プロパティの作成では、以下3つの項目を入力してください。「詳細オプションの表示」はユニバーサル アナリティクス プロパティの作成に関するアナウンスのため、非表示で構いません。
- プロパティ名:サイト名のようなわかりやすい名前
- レポートのタイムゾーン:「日本」に変更
- 通貨:「日本円」に変更
続いて「ビジネスの説明」の設定を行います。画面の案内に沿って入力を行ってください。続いて「ビジネスの情報」設定画面でも同様に該当する回答を選択し、ページ下部にある「作成」をクリックしてください。
利用規約の画面が表示されます。英語での表記になっていたら、国を「日本」に変更してください。規約を確認し「」のチェックボックスをクリックします。最後に「同意する」をクリックすると、プロパティの設定が完了します。
続いて「データの収集」の設定を行います。プラットフォームを選択してください。
「データ ストリームの設定」画面に推移します。「ウェブサイトのURL」「ストリーム名」を入力し「ストリームを作成(任意の名前など)」をクリックしてください。
4.GTM(Googleタグマネージャ―)でトラッキングコードを設置
トラッキングコードはデータを解析するためのソースコードです。GA4のトラッキングコードは、GTMを使わずにWebサイトのコードに直接追加されることもありますが、今回はGTMで手動設定する方法を解説します。
トラッキングコードをWebサイトなどに設置するためには、指定タグをすべてのページに貼り付ける必要がありますが、ページ数が多い場合、設定に工数がかかります。
Googleタグマネージャー(GTM)を利用すると、指定タグを全ページに一括で設定することができます。設定方法をみていきましょう。
▼トラッキングコード例
<!– Google tag (gtag.js) –> <script async src=”https://www.googletagmanager.com/gtag/js?id=G-1234ZZZZZZ”></script> <script> window.dataLayer = window.dataLayer || []; function gtag(){dataLayer.push(arguments);} gtag(‘js’, new Date());gtag(‘config’, ‘G-1234ZZZZZZ’); </script> |
まずはGA4の「測定ID」を取得します。測定IDはG-1234ZZZZZZのような<G->から始まる文字列を指します。
GA4左下の「管理」>「データストリーム」の順にクリックし、測定するデータストリーム名を選択してください。「データストリーム」が表示されない場合、プロパティがUAになっている可能性があります。はじめに、プロパティをUAからGA4に切り替えてください。
「ウェブ ストリームの詳細」にある、測定IDをコピーしましょう。
次に、Googleタグマネージャ―(GTM)でトリガーを設定します。Googleタグマネージャーのワークスペースのコンテナから、「新しいタグ」をクリックします。
「名前のないタグ」の「トリガー」にある「トリガーを選択してこのタグを配信」をクリックします。「名前のないタグ」には管理用として分かりやすい名前を付けることをおすすめします。
「トリガーの選択」で「All Pages」をクリックします。
続いて「タグの設定」にある「タグタイプを選択してこのタグを配信」をクリックします。
「タグタイプを選択」から「Googleアナリティクス」をクリックし、「タグの設定」でGA4で確認した「測定ID」を入力してください。
最後に左上のタグの名前を変更し、右上の「保存」をクリックしましょう。これでトラッキングコードの設置は完了です。
タグマネージャ―TOPのサイドメニュー「タグ」から、設定したタグを確認できます。
5.自社アクセス(IPアドレス)を除外する
会社やチームで固定IPを使用している場合、管理者がサイトを閲覧するたびにアクセスがカウントされます。固有IPを使用している場合、自社アクセスの除外をしましょう。
まず、Google Analyticsから「管理」>「データストリーム」>「Webサイト名」>「ウェブ ストリームの詳細」を開きます。
このページ下部にある「タグ設定を行う」をクリックし「Googleタグ」に移動します。次に「設定」の下にある「もっと見る」をクリックし、設定の一覧を出現させます。「内部トラフィックの定義」から「内部トラフィックルール」の横にある「作成」をクリックしてください。
「内部トラフィック ルールの作成」設定画面が出るので、以下のように入力し「作成」をクリックします。
▼内部トラフィック ルールの作成例
- ルール名:会社や個人の名前
- traffic_typeの値:「intemal」
- IPアドレス マッチタイプ:「IPアドレスが次と等しい」
- IPアドレス 値:固有のIPアドレスを入力する
6.目標(コンバージョン)を設定する
次に、サイト運営の目標を設定します。目標を設定することで商品やサービスの購入、資料請求の申し込みといった特定のイベント(ユーザーの行動)を測定し、目標達成度を確認できます。
コンバージョンの設定には、測定対象となるイベントが必要です。今回の設定では、「特定のページを閲覧すること」をイベントとして作成します。
Google Analyticsから「管理」>「イベント」>「イベントの作成」の順でクリックしてください。
続いて「作成」をクリックします。
「イベントの作成」画面に推移します。カスタムイベント名には、任意のわかりやすい名称を設定しましょう。「一致する条件」では、パラメーター「event_name」演算子「次と等しい」値「page_view」のように入力してください。
次
に、「一致する条件」下部の「条件の追加」をクリックします。先ほどと同様に、パラメーター「page_location」演算子「次を含む」値「指定のページのURL(/contact_pageなど)」のように入力してください。入力が完了したら「作成」をクリックします。
以上で「特定のページの閲覧」をイベントとして作成できました。
作成したイベントの計測を始めるには、Google Analyticsの画面から「コンバージョン」>「コンバージョンイベント」とクリックしてください。作成したイベント名の横にある「コンバージョンとしてマークを付ける」をクリックすれば、コンバージョンの設定が完了です。
7.Google Search Console(サーチコンソール)と連携
Google Search Consoleは、Google検索での順位や表示回数、クリック数など「サイトに来る前の行動」を計測できるツールです。Google Analyticsと連携させることでデータを共有し、サイトの改善点を把握しやすくなります。
Search Consoleの設定方法は以下の通りです。
Google Analyticsの「管理」を選択し、ページ下部「Search Console のリンク」をクリックしてください。
「Search Console のリンク」画面に推移します。「リンク」をクリックしてください。
「Search Console とのリンクを作成する」画面の「①Search Console プロパティを選択」で、「アカウントの選択」をクリックしてください。
「管理するプロパティにリンク」画面に推移します。この画面では、自分が所有権を持つWebサイトの一覧が表示されているので、一覧から該当サイトのチェックボックスにしるしを入れます。その後「確認」をクリックします。
なおこの一覧に表示されるのは、自分がSearch Console プロパティの「確認済み所有者」であるプロパティのみです。「委任された所有者」の場合は表示されません。
「リンクの設定」画面に推移します。「①Search Console プロパティを選択」の「次へ」をクリックしてください。
連携するウェブ ストリームを選択します。「②ウェブストリームの選択」で、自分のGA4アカウントを選択し「次へ」をクリックしましょう。
選択した「Search Consoleプロパティ」「ウェブストリーム」が表示されるので、再度内容を確認した後「送信」をクリックしてください。結果に「リンク作成済み」と表示されていたら、連携は成功です。
Search Consoleリンクで、プロパティやウェブストリームなどの連携内容が表示されているので確認しておきましょう。これでGoogle Analytics 4とSearch Consoleの連携作業は完了です。
Google Analyticsの見方と分析のポイント
Google Analyticsでは、サイト全体のアクセス数やページごとの数値、流入経路の3つのデータに注目しましょう。分析のポイントは以下の通りです。
- Webサイトのターゲットや方向性を見直したいとき:全体のアクセス数
- コンテンツを見直したいとき:ページごとの数値
- 集客の方針を見直したいとき:サイトへの流入経路
1.全体のアクセス数
自社サイトへのアクセス数は、Google Analytics 4の「ホーム」>「レポート」から閲覧できます。より詳しいデータを見るときは「レポート」から、「ユーザー属性」「テクノロジー」「集客」「エンゲージメント」を確認してください。
これらを確認することで、「どんなユーザーが、どんな状況で検索し、Webサイトにアクセスしたか」を把握することができます。集計したデータをもとに、サイトのメインターゲットや方向性などを見直しましょう。
「リアルタイム」では過去30分以内のユーザーデータを閲覧できます。集計期間はデフォルトで28日間に設定されているので、必要に応じ、右上の「期間」から集計期間を変更してください。
- ユーザー属性:ユーザーの住む国や地域、性別、年齢
- テクノロジー:ユーザーが閲覧するデバイスやプラットフォームなど
- 集客:ユーザーが自社サイトにたどり着くまでの経路
- エンゲージメント:スクロールやクリックなどのユーザーの行動
2.ページごとの数値
コンテンツを見直すときには、ページごとの数値を確認することで、コンテンツの成果を測ったり、見直すことができたりします。ページ単位でのデータは、「レポート」>「ユーザー行動の調査」>「ページとスクリーン」から確認可能です。
ページ内の「ページパスとスクリーン クラス」では縦軸にページのタイトル、横軸に重要な指標(イベントの数や表示回数、エンゲージメントなど)が法として表示されます。閲覧数の多いページであるほどデータが集まりやすく、改善した効果が反映されやすくなります。
まずは、表示回数やユーザーが多く訪れているページを中心に、コンテンツの内容や構成を見直しましょう。
3.サイトへの流入経路
流入経路とは、ユーザーがWebサイトを訪れる直前に見ていたページを指します。流入元を確認することで、「どのようなきっかけで自社サイトに訪れたか」がわかり、集客の方針を決める参考材料になります。
「レポート」>「見込み客の発掘」>「トラフィック獲得」の順にクリックして、流入元を確認できます。なお流入元の名称には、上記表にある専門用語が使われています。
まとめ
Google Analyticsを活用することで、Webサイト内でのユーザー行動を把握・分析することができます。
多様化するユーザーの検索行動に対応し、デバイスや流入元といったさまざまな分析軸で計測することで、Webサイト全体の方向性や集客の方針を見直すときに役立ちます。
Google AnalyticsとGoogle Search Consoleで得たデータをもとにサイトを改善して、成約率アップを目指しましょう。