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【初心者向け】ディスプレイ広告とは?種類や出稿方法をわかりやすく解説!
2023年12月18日
ディスプレイ広告は、企業の認知度や売り上げを上げるために利用されるマーケティング施策のひとつです。
インターネットの普及によって目にする機会が増加していますが、利用する側のことは全くわからない方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、ディスプレイ広告の種類やメリット・デメリットに加えてリスティング広告との違いや、出稿・設定方法まで詳しく解説します。
ディスプレイ広告をこれから活用したいという方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
ディスプレイ広告とは?
ディスプレイ広告とは、インターネットやアプリ上の広告枠に表示される、画像や動画などの広告を指します。
画像や動画にテキストを追加したバナーが表示される場合も多いため、「バナー広告」とも呼ばれています。
ディスプレイ広告は、ネットやアプリを利用しているユーザーの目に留まる位置に表示されることがほとんどです。
画像や動画・テキストなどでユーザーの興味を惹いて、自社サイトへ誘導したり、コンバージョンを獲得したりすることを目的としています。
運用型広告の1種で、Yahoo!のYDA(Yahoo Display Ads)または、GoogleのGDN(Google Display Network)を利用することで出稿可能です。
ディスプレイ広告の種類
ディスプレイ広告は、5種類の広告に分類できます。
種類によって特徴が異なり、期待できる効果も異なりますので、各広告についてみていきましょう。
バナー広告
バナー広告は、画像または動画のみが表示される広告です。
ディスプレイ広告で最も一般的な広告で、視覚的にユーザーにアピールできます。また、画像や動画の中にテキストを配置すれば、メッセージを伝えることも可能です。
端的に情報を届けられるキャッチコピーなどと相性がいいでしょう。
レスポンシブ広告
レスポンシブ広告とは、広告枠に合わせて自動でサイズやデザインが調整される広告です。
GDNでは最大15枚まで画像が登録可能で、機械学習によって最適なクリエイティブの組み合わせがユーザー側に表示されます。
自動で調整が入るため出稿側の工数が必要なく、さまざまな広告枠に出稿できる点は大きなメリットと言えるでしょう。
動的ディスプレイ広告
動的ディスプレイ広告は、商品情報を最適な形で表示する広告です。
ユーザーの閲覧履歴などの行動情報をもとに配信するため、各ユーザーに最適な広告が表示されます。
通販や旅行予約サイトなど比較する商品が多いサイトで、高い効果が期待できるでしょう。
テキスト広告
テキスト広告は文字通り、テキストのみが表示される広告です。
作成・管理の工数が低いため、手軽に利用できます。
最近はバナー広告や動画広告が主流のため、敢えてテキストのみを選択することで、ユーザーにインパクトを与えられる可能性があるでしょう。
動画広告
動画広告は、5〜60秒程度の動画が表示される広告です。
画像やテキストよりもはるかに多くの情報を伝えられるため、企業や商品・サービスの紹介と相性がいいというメリットがあります。
また視認性が高く、認知度の向上にも期待できる広告です。
ディスプレイ広告とリスティング広告との違い
リスティング広告とは、検索結果の上部や下部に表示される広告です。
ディスプレイ広告と同様に企業のマーケティング施策の1つですが、両者には下記5つの違いがあります。
- 広告の表示位置
- アプローチできるターゲット層
- 広告の表示仕様
- クリック単価
- クリック率
それぞれどのような違いがあるのか、くわしくみていきましょう。
広告の表示位置
ディスプレイ広告とリスティング広告では、広告の表示位置が違います。
ディスプレイ広告は、サイト内やアプリ内ごとに設けられている広告枠に広告が表示されます。
一方リスティング広告は、検索結果のみに表示される広告です。
検索連動型広告とも呼ばれ、ユーザーが検索したKWに対して最適な広告が検索結果の上部や下部に表示されます。
アプローチできるターゲット層
アプローチできるターゲット層も、ディスプレイ広告とリスティング広告では異なります。
ディスプレイ広告では、自分のニーズに気付いていない・商品やサービスを知らない顕在層へのアプローチが可能です。
たとえば、肌荒れをしているが別に気にしていないというユーザーに、偶然A社の化粧水のディスプレイ広告が表示されるなど。
この場合、ユーザーはディスプレイ広告を見てはじめて、肌荒れに何か対策をしようと思うかもしれません。
このような潜在層にアプローチできるのがディスプレイ広告です。
一方リスティング広告では、自分のニーズに気付いて何か行動を起こしている顕在層にアプローチできます。
たとえば「化粧品 おすすめ」と検索したユーザーに対して、A社のリスティング広告が表示されるといった場合、自分が興味のある内容だと認識すれば、クリックして購入に至る可能性があります。
アプローチできるターゲット層が異なるため、購入や認知度向上など期待できる効果も異なります。
広告の表示仕様
ディスプレイ広告とリスティング広告では、広告の表示仕様にも違いがあります。
リスティング広告では、テキストしか表示することができません。
タイトル+広告文というテキストのみで、ユーザーの興味を惹きつける必要があります。
一方ディスプレイ広告では、画像や動画・テキストなど、多様なクリエイティブが表示可能です。そのため、インパクトのあるビジュアルでユーザーにアピールできます。
クリック単価
ディスプレイ広告とリスティング広告には、クリック単価(CPC)が設定されており、基本的にはユーザーが広告をクリックするごとに広告費用が発生します。
このCPCにも違いがあり、ディスプレイ広告の方がリスティング広告よりも低い傾向にあります。
リスティング広告は顕在層にアプローチできコンバージョン率が高いため、競合が多くCPCが高くなりやすいのです。
同じ予算の場合には、より多くのユーザーにリーチするならディスプレイ広告、コンバージョンを求めるならリスティング広告という選択になるでしょう。
クリック率
ディスプレイ広告とリスティング広告は、クリック率にも違いがあります。
顕在層がメインターゲットとなるリスティング広告の方がクリック率が高く、平均クリック率は3.17%という結果があります。
一方ディスプレイ広告の平均クリック率は0.46%と低く、潜在層がクリックに至るのは顕在層に比べると少ないことがわかります。
参考:Google Ads Benchmarks for YOUR Industry
広告の性質上ターゲットが異なるため、クリック率にも違いが出ることを知っておきましょう。
ディスプレイ広告の出稿方法・規定
ディスプレイ広告の種類を前述しましたが、今回はメジャーなディスプレイ広告として「Yahoo!のYDA」、「GoogleのGDN」を利用する方法について解説していきます。
細かな出稿方法はそれぞれ異なりますが、大まかに下記の流れでディスプレイ広告を出稿できます。
- 広告アカウントを作成する
- 広告サイトへアクセス
- キャンペーンの作成
- 広告グループの作成
- 広告の作成・設定
- 出稿開始
ディスプレイ広告を利用する際は、それぞれ「Yahoo!広告アカウント」・「Google広告アカウント」を作成するところから始めましょう。
その後それぞれの広告管理画面にアクセスし、キャンペーンを作成していきます。
広告を出稿する際には、出稿する広告の種類によって、画像や動画のサイズに規定が設けられていますので注意が必要です。
YDA・GDNそれぞれの規定を1部紹介しますので、広告作成の際にぜひ参考にしてみてください。
<YDAの入稿規定>
広告種別 | 入稿規定 |
テキスト広告 | 使用可能な文字種別 ひらがな:全角 カタカナ:全角 英数字:全角・半角 スペース:半角 など |
画像(バナー)広告 | (1)アスペクト比 1:1 推奨ピクセルサイズ(横×縦) 1200 x 1200 最小ピクセルサイズ(横×縦) 600 x 600 主な配信先デバイス PC/タブレット端末/スマートフォン (2)アスペクト比 6:5 推奨ピクセルサイズ(横×縦) 600 x 500 最小ピクセルサイズ 300 x 250 主な配信先デバイス PC/タブレット端末/スマートフォン ファイルサイズ 推奨:300KB以内(最大容量3MB) |
動画広告 | (1)アスペクト比 16:9 最小ピクセルサイズ(横×縦) 640 x 360 (2)アスペクト比 1:1 最小ピクセルサイズ(横×縦) 600 x 600 ファイルサイズ 最大200MB 再生時間 最小5秒~最大60秒 |
参考:Yahoo!広告ヘルプ
<GDNの入稿規定>
広告種別 | 入稿規定 |
レスポンシブ広告 | テキスト 広告見出し:半角 30 文字以下 長い広告見出し:90 文字以下 説明文:半角 90 文字以下 会社名:半角25文字以下(横長画像) サイズ:600×314以上 横縦比:1.91:15(スクエア画像) サイズ:300×300以上 横縦比 1:1(ロゴ) サイズ:128×128以上 横縦比1:1 ファイルサイズ 5120 KBまで |
画像(バナー広告) | (1)サイズ 300×250 主な配信先デバイス PC/タブレット端末/スマートフォン (2)サイズ 336×280 160×600 300×600 728×90 主な配信先デバイス PC・タブレット (3)サイズ 300×50 320×100 主な配信先デバイス スマートフォン ファイルサイズ 150KBまで |
動画広告 | スキップ可能なインストリーム広告 再生時間:12秒~3分 サイズ:16:9~9:16 スキップ不可のインストリーム広告 再生時間:6~15秒 サイズ:16:9~9:16 TrueView ディスカバリー広告 サイズ:640×360(16:9)480×360(4:3)バンパー広告 再生時間:6秒以下 サイズ:16:9~9:16 アウトストリーム広告 再生時間:6~15秒 サイズ:16:9~9:16 マストヘッド広告 複雑なためGoogle公式ヘルプページでの確認推奨 |
このように、YDN・GDNともに各広告内でさらに細分化されており、それぞれに入稿規定が設けられていますので注意が必要です。
どのディスプレイ広告を出稿するか決定した後で入稿規定を確認し、クリエイティブの作成に移りましょう。
ディスプレイ広告の設定方法
GDNでディスプレイ広告を出稿する場合には、トップページから「新しいキャンペーンを作成」を選択します。
その後「キャンペーンの目標・キャンペーンタイプ」を設定しましょう。
今回はディスプレイ広告のため「リーチ、認知度、比較検討」から「ディスプレイ」を選択し、配信サイトとキャンペーン名を入力します。
続いて「地域・言語」を決定しましょう。
地域を選ぶと、自動的に最適な言語が提案されるので簡単に設定が可能です。
そして、「予算・単価設定」を行います。
予算とは、広告の配信中に1日に想定している費用を指します。
単価設定は、インプレッションやコンバージョンなど、重視する指標を自ら選択し、その指標に合わせた単価を入力しましょう。
続いて、ターゲットを設定します。
Google広告が自動的に「最適化されたターゲティング」を提案してくれますので、提案を使用してもいいでしょう。
ただし、細かく運用を行っていく場合には、自分で「ターゲティングを追加」から設定していくことがおすすめです。
続いて、広告見出しや説明・画像・動画・ロゴなどを設定していきます。
各項目が用意されているため、作成したクリエイティブなどを設定していきましょう。
ここまで、設定が完了すると最後にキャンペーンの確認が可能です。
自動的に設定項目にエラーがないかチェックが行われるため、修正と表示された場合には、項目の修正を行いましょう。
問題なければ、キャンペーンの設定が完了します。
ディスプレイ広告のメリット
ディスプレイ広告には、大きく3つのメリットがあります。
基本的には潜在層にアプローチするための広告になるので、認知度の向上などが期待できます。
リスティング広告では得られないメリットもありますので、効果を最大限活かせるように理解を深めましょう。
潜在ユーザーにリーチが可能
ディスプレイ広告を利用することで、サービスを知らない・自身のニーズに気づいていないなどの潜在ユーザーにリーチできます。
GoogleやYahoo!と関連のあるさまざまなサイトに出稿できるため、今まで接触できていなかったユーザーにもリーチできるでしょう。
そのため、商品やサービスの認知度を高めたいという場合に最適な広告です。
リターゲティングが可能
ディスプレイ広告ではリターゲティング機能を活用して、ユーザーに何度も接触することが可能です。
リターゲティング広告は、過去の訪問履歴などをもとに再度ユーザーに表示されます。
接触頻度を増やすことができるため、単純接触効果(ザイオンス効果)が働きユーザーに好印象を持ってもらえる可能性が高いです。
最初は全く興味がなかったユーザーに対して2回〜10回ほど接触を重ねていけば、購買意欲を刺激できるでしょう。
しかし、ザイオンス効果は10回ほどまでが推奨回数とされているため、広告を設定する際には表示回数のコントロールが大切です。
ブランディング効果
ディスプレイ広告では、クリエイティブや掲載する広告枠を工夫することでブランディング効果が見込めます。
決まった広告枠に印象的な広告を配信できれば、認知度を高めるとともにブランドイメージがユーザーの中で醸成されていきます。
たとえば、Yahoo!のトップページにはブランドパネルという広告枠が設けられています。
出典元:Yahoo!広告ヘルプ
通常のディスプレイ広告よりも料金がかかりますが、大きな効果が期待できるでしょう。
ディスプレイ広告のデメリット
ディスプレイ広告にはメリットだけでなく、下記3つのデメリットがあります。
- 効果測定が困難
- 広告費用がかかる
- コンバージョンにつながらない可能性
デメリットも把握したうえで、ディスプレイ広告の利用を検討しましょう。
効果測定が困難
ディスプレイ広告は、テキストや画像・動画を用いるうえにターゲティング方法も豊富なため、効果測定が難しいです。
何が成功要因となったのかが見えずらいため、特定までに時間を要してしまいます。
そのため、ディスプレイ広告では仮説検証がとても重要です。
キーワードの設定から配信設定まで、細かくデータを収集して検証していくことで効果的な運用が可能になるでしょう。
広告費用がかかる
ディスプレイ広告は、Google・Yahoo!の関連サイトにまで露出を増やせるため、広告費用がかかりやすいです。
大多数に向けて配信する広告になるため、閲覧・クリックが多く発生します。
コンバージョンポイントをどこに設定するかにもよりますが、予算を多く確保しておくことがおすすめです。
キーワードやターゲティングを修正していき、ROI(費用対効果)を高められるようにしましょう。
コンバージョンにつながらない可能性
ディスプレイ広告では潜在層にアプローチするため、コンバージョンにつながらない可能性があります。
購買意欲がないターゲットのため、コンバージョン獲得を目的に運用すると、費用だけがかかってしまう可能性が高いでしょう。
認知度向上を目的とする、リスティング広告と併用するなど、目的によって使い分けることが大切です。
まとめ
ディスプレイ広告は、認知度向上・ブランディングを目的とする際に効果的な広告です。
潜在層へのリーチやリターゲティング機能などメリットも多いですが、デメリットも存在します。
本記事を参考にディスプレイ広告への理解を深め、企業のマーケティングにお役立てください。