ノウハウ
KPI・KGI・CSFの意味とその設定方法について徹底解説!
2023年3月27日
プロジェクトを成功に導くためには、KPI・KGI・CSFの設定が必要不可欠です。この3つをしっかり設定すると、プロジェクトの目標達成までのプロセスが可視化され、個々のメンバーの役割が明確になり、プロジェクトを効率良く進めることができます。
しかし、それぞれの用語の意味や重要性を理解している方は少ないのではないでしょうか。
そこで、本記事では、KPI・KGI・CSFの意味や重要性について解説します。各指標の設定手順も紹介しているため、プロジェクトに取り組む際の参考にしてください。
目次
KPI(Key Performance Indicator=重要業績評価指標)について
KPIとは、「Key Performance Indicator(重要業績評価指標)」の略語で、目標達成に向けた取り組みや進捗を評価する指標のことを指します。簡単にいうと、「中間目標」です。
たとえば、「Webサイトからの売上高を1年で50%増加させる」という目標を掲げた場合、「3ヶ月以内にPV数を30%増加させる」「毎月のコンバージョン率を5%上げる」などがKPIになります。
KPIは目標達成の度合いを評価する指標であるため、数値で表すのが一般的です。
KPIを確認することで、企業やプロジェクトの現状を把握し、課題や改善点を発見しやすくなります。
KGI(Key Goal Indicator=重要目標達成指標)について
KGIとは、「Key Goal Indicator(重要目標達成指標)」の略語で、企業やプロジェクトにおける目標を定量的に評価する指標です。ビジネスでは、「最終目標」や「長期的な目標」として使用されています。
KPIの例で前述した「Webサイトからの売上高を1年で50%増加させる」という目標が、KGIに該当します。KGIはKPIと同様に、数値化して目標を設定する指標です。
KGIは、プロジェクトの立ち上げ段階に設定します。プロジェクトの方針を決定する重要な指標であるため、適切なKGIを設定することが重要です。
そして、KGIを共有することでチームとしての一体感が高まり、プロジェクトを効率良く進められます。
CSF(Critical Success Factor=重要成功要因)について
CSFは、「KFS(=Key Factor for Success)」とも呼ばれ、KGI(最終目標)を達成する上でもっとも重要な成功要因のことです。
「1年で売上高を50%増加させること」をプロジェクトの目標とする場合、CSFは「顧客単価」や「販売数」など、目標達成に大きな影響を及ぼす要素のことを指します。
CSFを選定することで、リソースを集中させる要素が明確になり、プロジェクトの成功確率が高まります。
さほど重要ではない要素をCSFに設定した場合、目標達成から遠ざかるため、適切なCSFを設定することが大切です。
それぞれの用語の違いを理解する
KPI・KGI・CSFはセットで、ひとつの「目標設定のフレームワーク」と考えられています。適切なプロジェクト管理や目標設定を行うために、各用語の違いを理解しましょう。
KGIを分解した要素がCSFで、CSFを数値化して目標としたものがKPIです。KGIのプロセスがKPIとなるため、KPIを段階的に達成することで、最終目標であるKGIに到達できます。
次に、KPI・KGI・CSFを設定するメリットについて、順に解説します。
KPIを設定するメリット
プロジェクトの最終目標(KGI)が決定した場合でも、目標達成までの道筋がわからない状態では、メンバーが行動に移すことが難しくなってしまいます。そこで必要となるのが、KPIです。
KPIを設定することで、プロセスが明確になり、目標達成を実現しやすくなります。
KPIは数値目標であるため、アクションプランに落とし込みやすく、各メンバーに明確な役割を与えやすくなります。チーム全体で目の前の仕事に集中できるようになり、生産性の向上へとつながるのです。
また、KPIを設定し、複数のプロセスを追跡することで、業務やタスクのどこにボトルネックがあるのか発見しやすくなります。
他にも、KPIは目標達成度を可視化できる指標であるため、人事評価の基準としても活用できます。明確な評価基準があることで、人事評価に対する従業員の不満の軽減も期待できます。
KGIを設定するメリット
目標がない状態では、チーム内で意思統一を行いにくく、メンバーが手探りでプロジェクトを進めることになります。
KGIは、メンバーや従業員に対して、プロジェクトのビジョンを示します。メンバーにビジョンが浸透することで、チームとしての一体感が高まり、モチベーションや生産性が向上します。
CSFを設定するメリット
CSFを特定するメリットは、目標達成に影響の少ない要素を取り除き、重要な要素にのみ焦点を当てられることです。
優先して追跡する指標が決定するため、リソースを適切に活用することができ、目標達成の確率が高まります。
CSFを選定する過程で、プロジェクトや組織が抱える問題と向き合うことになり、解決策が見つかる可能性もあります。
以上の通り、プロジェクトを成功に導く上では、KPI・KGI・CSFの設定は必須です。
KPIツリー構造と設定手順を解説
適切なKGIやKPIを設定するために、KPIツリーを活用しましょう。
KPIツリーとは
KPIツリーとは、問題を構成する要素を分解して、解決策を導き出すフレームワークのことです。KPIツリーを活用することで、KGIの達成に必要なプロセスを分解し、KPIを抽出できます。
目標達成に必要な業務やプロセスを把握し、実行可能なアクションレベルに落とし込むことで、個々のメンバーのタスクが明確になります。
KPIツリーによって、プロセス同士の関係性や構成が視覚的に表示されるため、「追跡する指標がどのように目標達成につながるか」を客観視することが可能になります。目標達成につながる行動や施策を把握し、スムーズなプロジェクト進行にもつながります。
①KGIを定める
適切なKPIを設定するためには、KGI>CSF>KPIの順番で検討していきましょう。くわしい手順を解説します。
はじめに、最終目標であるKGIの設定を行います。
KGIは「1年で売上高を50%増加させる」「3年でプロジェクトの利益を2倍にする」など、達成の可否が一目で把握できるように、具体的な数値で設定してください。
KGIは、組織やプロジェクトの方針を決める重要な指標となります。あまりに高い目標を設定した場合、チームメンバーのモチベーションを低下させる恐れがあるため、慎重に検討してください。
②CSFを分析する
次に、CSFの選定を行います。
先ほど設定した、KGIの達成に必要な要素を分析し、できる限り多くの要素を洗い出しましょう。
CSFを選定する際のポイントは、「メンバーがコントロールしやすいこと」と「KGIへの影響が大きいこと」です。各要素を分析して、最も重要な成功要因を1つ選定してください。
③KPIを設定する
最後に、選定したCSFを数値化してKPIに落とし込みます。
「来月から新規記事の投稿本数を10本にする」など、行動が明確に理解できるKPIを設定しましょう。
プロジェクトの規模によっては、複数のKPIを設定する必要がありますが、KPIは1人につき1つまでに留めてください。KPIを複数設定した場合、優先して取り組むべきKPIがわからなくなるためです。
KPIが具体性に欠けると感じる場合は、さらに細分化したKPIを設定しましょう。
KPIを用いる際の注意点
KPIを運用する上で、注意点が2つあります。
全体像を理解した上でPDCAをまわす
KPI・KGI・CSFを理解し、「目標とプロセスがどのようにつながっているか」を把握することで、目標達成に向けた適切な行動を取ることができます。
KPIの設定後は、PDCAサイクルを活用して、継続的にKPIを運用することが重要です。
PDCAとは、「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」の4つのプロセスを繰り返し行い、業務効率化を図る考え方のことを指します。
PDCAを活用することで、効率良くプロジェクトが進行し、KGIの達成に近づきます。
プロジェクトメンバー間でKPIへの理解を統一する
プロジェクトの成功を左右する重要な要因のひとつが、個々のメンバーのKPIに対する理解度です。
KPIを理解していない場合、目標とは関係のない行動を取るメンバーが続出し、スケジュール通りにプロジェクトが進行しない可能性があります。
こうした事態を避け、円滑にプロジェクトを進めるためには、事前にKPIに関する説明を行うことが大切です。十分に時間をかけて、KPIに関するメンバーの理解度を深めましょう。
また、KPIが個人のタスクに落とし込めていない場合、メンバーが「何をすべきか」を把握できない状態でプロジェクトが進行します。
ひと目でタスクを理解できるように、単純なKPIを設定することを心がけましょう。
まとめ
KPIが中間目標で、KGIは最終目標、CSFは目標達成に向けたもっとも重要な要素のことです。各指標を設定することで、目標の達成度が明確になり、課題や改善点を発見しやすくなります。
プロジェクトを成功に導くためには、KGI>CSF>KPIの順に設定し、チームメンバー全員にKPIを設定することが重要です。KPI設定後は、PDCAサイクルを活用してKPIを継続的に運用し、効率良くプロジェクトを進めましょう。