ノウハウ
【2022年10月更新/GA4対応】GA初心者必見!Google Analyticsの基本的な使い方と設定方法
2022年10月19日
自社サイトを分析する上で欠かせない、Google Analyticsをご存知ですか。
Google公式が無料で提供している解析ツールで、自社サイトに訪問したユーザーの「サイト内での行動」を把握することができます。今回は、Google Analyticsの特徴から、実際の設定方法までを解説いたします。初心者の方もぜひ、試してみてください。
Google Analyticsは、自社サイトでのユーザーの行動を計測できるツールで、コンテンツやサイト設計の見直しに役立ちます。さまざまな分析軸で解析できるため、サイト改善の効果検証を行うことができます。
Google Analyticsは便利なツールですが、導入するためにはいくつか設定が必要です。
本記事では、Google Analyticsの登録方法や基本的な使い方を初心者向けに解説します。2023年7月から移行が決定した「Google Analytics 4」にも対応した内容ですので、インプットしておきましょう。
目次
Google Analytics(アナリティクス)とは?
Google Analyticsは、Google公式が無料で提供している解析ツールです。自社サイトに訪問したユーザーの「サイト内での行動」を分析できます。特定のページへの誘導や商品の購入といった成約率を高めるツールとしても有効です。
「どんな人がどこから来たか」を調べられるので、集客方針の決定にも役立ちます。ページの閲覧数やリンクのクリック数など、サイト運営での具体的な数値目標の設定が可能です。
Google Analyticsには3種類のバージョンがあります。
従来から使われているユニバーサルアナリティクス(UA)。UAの有料版であるGoogle Analytics360(GA360)、UAの次世代ツールであるGoogle Analytics 4(GA4)の3つです。
それぞれの特徴を下記の表にまとめました。
Google Analytics(UA)は、2023年7月1日(有料版は10月1日)にサポートが終了し、データの取得を停止します。Google AnalyticsはUAからGA4へ移行し、2023年7月以降のデータの計測はGA4で行います。
GA4は、近年多様化するユーザーの検索行動に対応しており、Webサイトやアプリ、デバイス間を横断したデータの計測が可能です。ユーザー1人ひとりのデータを分析できるので、GA4の導入をおすすめします。
Google Analytics 4(GA4)とUniversal Analytics(UA)の主な違い
GA4とUAでは「計測時の分析軸」が異なります。
UAは「セッション(ページへの訪問)」を中心とした計測方法であるのに対して、GA4は「サイト内でのユーザーの行動」に焦点を当てた計測方法です。
GA4では、ページのスクロールや動画のエンゲージメントなど、ユーザーの行動1つひとつを計測しています。UAに比べてユーザーを重視しており、「どんなユーザーに来てもらうか」という視点で、サイトの設計が可能です。
このGA4がリリースされた背景には、ユーザーの行動変化が関係しています。最近は、パソコンだけでなくスマホやタブレットなど複数のデバイスでWebサイトが閲覧され、Webサイトだけでなく、アプリを活用している企業も増えています。
GA4は、そんな多様化するユーザーの行動を分析することに特化しています。スクロールや動画のエンゲージメントといった行動データは、UAでも計測できるものの、設定がやや複雑です。一方、GA4ではオンオフの切り替えのみで簡単に計測を開始できます。
Google Analytics 4(GA4)とUniversal Analytics(UA)の計測定義の違い
GA4とUAでは、データごとの計測の定義が異なります。Google Analyticsでのデータを有効活用するために、違いを理解しておきましょう。
大きく変わった点は「セッションの定義」です。UAでは、前回の訪問から日をまたいだ場合や、流入元が異なる場合、別セッションとしてカウントされていました。一方、GA4では1つのセッションとしてカウントされる(※)のです。
※訪問回数は、日ごとに1ずつカウントされます。
GA4の計測ではセッション数が少なくなるものの、正確にユーザーの行動を把握できるようになりました。
ほかにも、離脱率やコンバージョン数の定義が以下のように変更されました。GA4でデータを計測するときの参考にしてください。
- 離脱率:ページビュー単位からセッション単位に変更
- コンバージョン数:1つのセッションに対してコンバージョンの最大が1から複数回に変更
次に、GA4にバージョンアップされて、無くなった項目と新たに追加された項目を見てみましょう。
GA4で表示されなくなった項目
GA4では「直帰率」の項目が表示されていません。直帰率とは、サイトへ訪問してそのページだけ閲覧して離脱する割合のことです。
UAでは、デフォルトで直帰率を計測できていましたが、GA4ではカスタムで設定する「探索」でのみ直帰率が計測できます。直帰率が無くなった理由は、UAの直帰率の計測方法ではユーザーの行動を正確に把握できないからです。
UAでは、「最初のページを閲覧した時間」と「次のページを閲覧した時間」の差で滞在時間を計測していましたが、直帰したユーザーの滞在時間は0秒とカウントされます。
つまり、ページを1分間閲覧したユーザーも1時間閲覧したユーザーも「滞在時間0秒で離脱したユーザー」として計測されるのです。こうした背景により、GA4では直帰率をデフォルトでは表示されない仕様になっています(カスタムで設定した場合のみ計測可能)。
GA4では、直帰率の代わりに「エンゲージメント」という項目が追加されました。
GA4で新たに追加された項目
エンゲージメントとは、ページの閲覧(2ページ以上)やスクロール、リンクのクリックなど、サイト内でのユーザーの行動です。
訪問してから20秒以上滞在すると、エンゲージメントと判断されるため、直帰したユーザーのデータも取得できるようになりました。このエンゲージメントの数値が高いほどユーザーの満足度が高く、エンゲージメントが低いと直帰するユーザーが多いページと判断できます。
もう一点、GA4に追加されたのが「アクティブユーザー」という指標です。アクティブユーザーとは、実際にページを画面に表示して閲覧しているユーザーのことです。
サイトを訪問しても、別タブで開いただけでページを閲覧していない場合や、他のページの背面にあり閲覧されていない場合があります。
こうしたユーザーは、アクティブユーザーとしてカウントされません。ユーザー数に対してアクティブユーザー数が少ないなら、「冒頭や見出しにユーザーが知りたい内容ではなかった」と仮説を立てることができます。
Google Analytics(アナリティクス)の設定方法
ここでは、GA4での設定方法を中心に解説します。
STEP1:Googleアカウントの作成
すでにアカウントがある場合、「STEP2:Google Analytics(アナリティクス)のアカウントを作成する」に移りましょう。
まだアカウントを持っていない場合は、Googleアカウントページから「アカウントを作成する」を選択してください。
アカウントの作成には、メールアドレスと電話番号が必要です。名前、ユーザー名、パスワードを入力して、本人確認をすればアカウントの作成が完了します。
STEP2:Google Analytics(アナリティクス)のアカウントを作成する
Googleアカウントとは別に、Google Analyticsのアカウントが必要です。まずは、Google Analyticsアカウントページにアクセスしてください。画面上部の「測定を開始する」をクリックします。
画面が切り替わるので、アカウント名(会社名や個人名)を入力しましょう。
「アカウントのデータ共有設定」の下にあるチェックマークは、全てチェックが入ったままで大丈夫です。「次へ」をクリックし、プロパティの設定に移りましょう。
STEP3:プロパティの設定
■Googleアナリティクス 4の作成
②プロパティの設定では、以下のように3つの項目を入力してください。
- プロパティ名:サイト名のようなわかりやすい名前
- レポートのタイムゾーン:「日本」に変更
- 通貨:「日本円」に変更
入力や変更が終わったら、「詳細オプションを表示」をクリックしてUAのプロパティ作成に移りましょう。
■ユニバーサルアナリティクスプロパティの作成
「ユニバーサル アナリティクス プロパティの作成」の横のボタンをクリックしてください。チェックマークに切り替えると、以下のような画面が表示されます。
ウェブサイトのURLには、自社サイトの「https://」以降のURLを入力してください。
「Google アナリティクス4とユニバーサル アナリティクスのプロパティを両方作成する」と「Google アナリティクス 4 プロパティの拡張計測機能を有効にする」にチェックが入っているのを確認して「次へ」をクリックします。
次の「ビジネスの情報」では、以下のように該当する回答を選択してから「作成」をクリックしてください。
利用規約の画面が表示されます。英語での表記になっていたら、国を「日本」に変更してください。規約を読んだら、チェックボックスをクリックします。
下にスクロールすると、「測定データ管理者間のデータ保護に関する条項」が出てくるので、条項を読んでからチェックボックスをクリックします。
最後に「同意する」をクリックすると、プロパティの設定が完了します。
STEP4:トラッキングコードの設置
トラッキングコードを設置するためには、指定のタグをすべてのページに貼り付けなければいけません。ページ数の多いサイトでは設定がかなり面倒になるので、Googleタグマネージャーを利用しましょう。
まずは、GA4の「測定ID」を取得します。左下の「管理」「データストリーム」の順にクリックし、測定するデータストリーム名を選択してください。
※「データストリーム」が表示されない場合、プロパティが「UA」になっている可能性があります。はじめに、プロパティをUAからGA4に切り替えてください。
すると、「ストリームの詳細」が出てくるので、測定IDをコピーしましょう。
次に、Googleタグマネージャーのページで、「タグ」<「新規」の順にクリックします。
「タグの設定」から「Google アナリティクス:GA4の設定」をクリックします。
アナリティクスで先ほどコピーした測定IDを貼り付けて、画面下の「トリガー」をクリックしてください。
「All Pages」を選択します。
最後に左上のタグの名前を変更し、右上の「保存」をクリックしましょう。
上の画像のように、設定したタグが表示されます。これで、トラッキングコードの設置は完了です。
STEP5:自社アクセス(IPアドレス)を除外する
会社やチームで固定IPを使用している場合、管理者がサイトを閲覧するたびにアクセスがカウントされてしまいます。固有IPを使用しているなら、自社アクセスの除外をしましょう。
まず、Google Analyticsから「管理」<「データストリーム」<「サイト名」の順にクリックしてください。
下にスクロールしてから「タグ設定を行う」をクリックし、Googleタグのページが出たら「設定」の横にある「すべて表示」をクリックします。
次に、「内部トラフィックの定義」から「内部トラフィックルール」の横にある「作成」をクリックします。
設定の画面が出てくるので、以下のように順に入力してください。
- ルール名:会社や個人の名前
- traffic_typeの値:「intemal」
- IPアドレス マッチタイプ:「IPアドレスが次と等しい」
- IPアドレス 値:固有のIPアドレスを入力する
その後、作成をクリックすると設定が完了します。
STEP6:目標(コンバージョン)を設定する
次に、サイト運営の目標を設定しましょう。商品やサービスの購入、資料請求の申し込みといった特定のイベント(ユーザーの行動)を測定して、目標の達成度を確認できます。
コンバージョンの設定には、測定対象となるイベントが必要です。今回の設定では、「特定のページを閲覧すること」をイベントとして作成します。
Google Analyticsから「設定」<「イベント」<「イベントの作成」の順でクリックし、次の画面で「作成」をクリックしてください。
カスタムイベント名には、誰が見てもわかるような簡単な名称を設定しましょう。「一致する条件」では、以下のように入力してください。
- パラメーター:event_name
- 演算子:次と等しい
- 値:page_view
「条件の追加」をクリックすると新しく項目が追加されます。先ほどと同様に、以下のように入力してください。
- パラメーター:page_location
- 演算子:次を含む
- 値:指定のページのURL
入力後は右上の「作成」をクリック。以上で「特定のページの閲覧」をイベントとして作成できました。
作成したイベントの計測を始めるには、Google Analyticsの画面から「コンバージョン」<「コンバージョンイベント」とクリックしてください。作成したイベント名の横にある「コンバージョンとしてマークを付ける」をクリックすれば、コンバージョンの設定が完了です。
STEP7:Google SearchConsole(サーチコンソール)と連携する
Google Search Consoleは、Google検索での順位や表示回数、クリック数など「サイトに来る前の行動」を計測できるツールです。Google Analyticsと連携させることでデータを共有し、サイトの改善点を把握しやすくなります。
Google Analyticsの「管理」を選択し、下にスクロールして「Search Console」をクリックしてください。
「①プロパティを選択」では「アカウントの選択」をクリックします。以下のように表示されたら「次へ」に進み、「ウェブストリームを選択する」に移ります。
「ウェブストリーム」をクリックして、自分のGA4アカウントを選択して「次へ」をクリックしましょう。
管理サイトやアカウント名が出てくるので、間違いがなければ「送信」をクリックしてください。これで2つのツールの連携は完了です。
初心者向け分析のコツ|Google Analytics(アナリティクス)の見方とポイント
Google Analyticsを導入したら、サイト全体のアクセス数やページごとの数値、流入経路の3つのデータに注目しましょう。以下のように、目的別に使い分けてください。
- 全体のアクセス数:Webサイトのターゲットや方向性を見直したいとき
- ページごとの数値:コンテンツを見直したいとき
- サイトへの流入経路:集客の方針を見直したいとき
それぞれのデータの見方を説明します。
Google Analytics(アナリティクス)でWebサイトのアクセス数を把握する
自社サイトへのアクセス数は、Google Analytics 4の「ホーム」から閲覧できます。より詳しいデータを見るときは「レポート」から、以下の4つのデータを確認してください。
- ユーザー属性:ユーザーの住む国や地域、性別、年齢
- テクノロジー:ユーザーが閲覧するデバイスやプラットフォームなど
- 集客:ユーザーが自社サイトにたどり着くまでの経路
- エンゲージメント:スクロールやクリックなどのユーザーの行動
上記の項目を確認することで、「どんなユーザーが、どんな状況で検索して自社サイトにたどり着いたか」把握することができます。集計したデータをもとに、サイトのメインターゲットや方向性などを見直しましょう。
「リアルタイム」をクリックすると、過去30分以内のユーザーのデータを閲覧できます。集計期間はデフォルトで28日間に設定されているので、データが少なければ、右上の「期間」から集計期間を変更してください。
Google Analytics(アナリティクス)でページ単位の数値を把握する
ページごとのコンテンツを見直すときには、ページ単位のデータを確認しましょう。ページ単位でのデータは、「エンゲージメント」<「ページとスクリーン」から確認が可能です。
縦軸にページのタイトル、横軸に重要な指標(イベントの数や表示回数、エンゲージメントなど)が表示されます。閲覧数の多いページの方がデータを集めやすく、改善した効果がデータに反映されやすいです。
まずは、表示回数やユーザーが多く訪れているページを中心に、コンテンツの内容や構成を見直しましょう。
Google Analytics(アナリティクス)で流入経路の数値を把握する
流入経路とは、Webサイトを訪れる直前に見ていたページのことです。流入元を確認すれば、「どのようなきっかけで自社サイトに訪れたか」がわかり、集客の方針を決める参考材料になります。
Google Analytics 4にアクセスして「集客」<「トラフィックの獲得」の順にクリックして、流入元を確認しましょう。
流入元のデータには、専門用語が使われています。正しくデータを把握するために、以下の用語を理解しておきましょう。
まとめ
Google Analyticsはサイト内でのユーザーの行動を分析できるツールです。
2023年7月から移行するGA4では、多様化するユーザーの検索行動に対応して、デバイスや流入元といったさまざまな分析軸で計測できます。
サイトに来るユーザーの年齢や性別、国や地域といったデータがわかるので、サイト全体の方向性や集客の方針を見直すツールとしても役立ちます。
Google AnalyticsとGoogle Search Consoleで得たデータをもとに、サイトを改善して、成約率アップを目指しましょう。