ノウハウ
TikTokは誰でも稼げる?収益化するための仕組みや条件を徹底解説!
2024年1月20日
近頃では、YouTubeだけでなく、X(元:Twitter)でもクリエイターが各プラットフォームから収益を得られるようになっています。TikTokも例外ではなく、新たに収益化につながるプログラムを開始しています。
特に、TikTokクリエイターのスキル向上や成長を支援する「Creativity Program」は、有効動画視聴数に応じた報酬を得ることができます。これまでの配信活動をベースとしながら収益を得られるため、TikTokを通じ経済的成長を遂げられる仕組みです。
“「Creativity Program Beta」の参加対象となるクリエイターは18歳以上で、フォロワー数と動画視聴数における要件を満たし、コミュニティガイドラインを遵守し、クリエイティブな動画投稿を継続されている方です。「Creativity Program Beta」へ参加し、報酬を得るには、1分以上の高品質なオリジナル動画コンテンツを作成し、投稿する必要があります。”
引用:TikTok、クリエイターがクリエイティブなオリジナル動画を通して報酬を得られる新たな収益化プログラム「Creativity Program Beta」を公開!
本記事では、収益化するための仕組みや条件などについて解説します。
「TikTokで稼げる」というのは本当?
結論から言うと、TikTokで稼げるのは本当です。
TikTokでアカウント活動を行うクリエイターのこれまでの基本的な収入源は、企業からのPR案件やアフィリエイト、TikTok Liveでの投げ銭(ギフト)でした。
現在ではそれら以上に、クリエイターが稼げる仕組みが幅広くなっています。自分の動画コンテンツを有料で販売できるTikTokシリーズや、再生回数に応じて報酬が発生するTikTok Creativity Programなどのプログラムを経由し、報酬を獲得することが可能です。また、サブスク登録者限定で動画配信ができるなど、クリエイターの収益化の機会を広げる機能が追加されています。
ただし収益を得るためにはフォロワー数や著名度は必須です。アカウントを開設してすぐに収入を得ることは難しいため、今すぐ稼ぎたい人には向いていません。
なおTikTokはYouTubeよりもユーザー満足度が高く、視聴時間も年々伸びています(※1)。ネットユーザーに占めるTikTok利用率は19.7%と、他のSNSに比べると利用者数が少ない(※1)傾向ですが、今後もより伸びる可能性を秘めており、収益化を狙いやすいプラットフォームといえます。
TikTokで収益化する方法6選
TikTokで収益化するためには、2023年に追加された「TikTok Series(シリーズ)」「サブスク限定動画」「TikTok Creativity Program」を含め6つの方法があります。
- 企業からのPR案件
- アフィリエイト(成果報酬型広告)
- LIVEの投げ銭(ギフト)
- TikTok Series(シリーズ)
- LIVEサブスクリプション機能(サブスク限定動画)
- TikTok Creativity Program
1.企業からのPR案件
企業からクリエイターに、サービスや商品のPRを目的とした動画投稿を依頼する手法です。
報酬は依頼元企業によって異なりますが、フォロワー数に応じ起用費が定まるケースが主となります。計算式としては「フォロワー単価(約1~3円)×フォロワー数=起用費」で、フォロワー単価は案件のジャンルや複雑度、投稿本数、実施期間、下書き提出の有無、二次利用の有無等により上下します。
企業側の意図としては、サービス・商品の認知獲得のみならず、LP(ランディングページ)やECサイトなど任意URLへユーザーを推移させ、購入や申し込みなどのコンバージョン(成果)を獲得することが主目的となります。
そのため、普段からユーザーからのリアクションを獲得できていたり、ユーザー間コミュニケーション量が多いクリエイターほど依頼が集まる可能性が高まります。
2.アフィリエイト(成果報酬型広告)
クリエイターが投稿した動画経由でサービス・商品にコンバージョンが発生すると、成果に応じた報酬を得られる仕組みです。
企業からアフィリエイトを条件とした案件の形で依頼されるほか、クリエイター自身がアフィリエイト広告媒体を集約しているASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダー)というサービスを介し、TikTok動画にASP指定の広告リンクを掲載することも可能です。
一般的には、動画でアフィリエイト商材の宣伝やPRを行い、ASP指定の広告リンクを紹介し、ユーザーを誘導する手法が主となります。
▼TikTokでのアフィリエイト広告の設置方法
- プロフィールやコメントに広告リンクを貼り、リンク先でサービス・商品をコンバージョンさせる
- 広告リンクを掲載した他のSNSやブログへ誘導し、他のSNSやブログからリンク先へ推移させ、リンク先でサービス・商品をコンバージョンさせる
3.LIVEの投げ銭(ギフト)
引用:TikTok
TikTok Liveの投げ銭は、視聴者がライブ配信者に対して贈る投げ銭と呼ばれるバーチャルギフトの機能です。視聴者はTikTok内でバーチャルコインを購入し、コインでさまざまな投げ銭アイテムを手に入れ、クリエイターのLive内で投げ銭アイテムを投げ銭(ギフト)として贈ります。
投げ銭を贈るためには、視聴者がコインを購入する必要があります。視聴者が購入するコインは一度に120円(70コイン)から30,000円(17,500コイン)分のほか、カスタム(30~2,500,000コイン)して購入可能で、換金レートは約1.7~2円です。
クリエイターが投げ銭から受け取る収益(=換金率)は、コイン金額の約30%相当だといわれています。
▼TikTok LIVEギフトの利用資格
- LIVEギフトを利用できる地域に居住している。
- 18 歳以上である (韓国の場合は 19 歳以上)。
- LIVEを配信する資格がある。
- 良好な状態のアカウントを持っており、TikTokのコミュニティガイドラインと利用規約に準拠している。
- 政府、政治家、政党のアカウント、およびその他公共のアカウントは、LIVEギフトを通じたダイヤモンド獲得は不可。
4.TikTok Series(シリーズ)
TikTok Seriesは一部の対象クリエイターのみが利用できる制度で、クリエイターの動画を限定コンテンツとしてユーザーに有料販売できるシステムです。
1つのシリーズに対して、30秒から20分の動画を最大で80本収録でき、シリーズに参加するためには参加資格が必要です。視聴者は動画内のリンクまたはクリエイターのプロフィール欄からTikTokシリーズへのアクセス権を購入することができ、購入すると限定コンテンツを閲覧できます。
なお、限定コンテンツの価格はクリエイター自身が設定でき、クリエイターがTikTokから受け取る収益(=換金率)は100%です。
TikTokシリーズの参加資格を得るためには、いくつかの条件をクリアしている必要があります。たとえば、過去30日間の視聴数が1,000回以上であることやオリジナルコンテンツを投稿していることなどです。
▼TikTok Series参加資格
- 18歳以上である。
- 作成後30日以上が経過したアカウントを持っている
- 公開されている個人アカウントがある。 ビジネスアカウント、政治的アカウント、非公開アカウントは使用不可。
- 過去30日間に3本以上のコンテンツを公開設定で投稿している。
- 過去30日間の視聴数が1,000回以上である。
- オリジナルのコンテンツを投稿している。
- これまでに販売したプレミアムコンテンツへのリンクを提供している(クリエイターによっては、この情報を提供する必要はなし)。
- TikTokのコミュニティガイドラインへの違反を繰り返しておらず、アカウントが良好な状態である。
参考:TikTokシリーズについて | TikTok ヘルプセンター
5.LIVEサブスクリプション機能(サブスク限定動画)
ユーザーがお気に入りの配信者を応援するための仕組みです。クリエイターが自由に特典を設定し、視聴者にオリジナルの月額サービスを提供できます。 特典にはバッジ、エモート、サブスク登録者限定LIVE、サブスク登録者限定限定チャット、限定動画、限定ギフト、オリジナル特典などさまざまな内容が設定できます。
クリエイターは、サブスク登録者数に応じて報酬を得ることができます。収益化しながらもファンとの深い交流などが可能で、ファンコミュニティを築ける唯一の方法です。
▼LIVEサブスクリプション機能利用資格
- LIVE配信権限がある。
- 合計配信時間が1時間以上かつ合計配信日数が2日以上。
- コミュニティガイドラインを遵守している。
- ユーザーは18歳以上である。
参考:TikTokにて、LIVEサブスクリプション登録者だけが見られるショート動画投稿機能「サブスク限定動画」を公開!クリエイターの収益化手段を拡充!、LIVEサブスクリプション機能について
6.TikTok Creativity Program
TikTok Creativity Programとは、有効視聴数(再生数)に基づき、クリエイターが報酬を獲得できるシステムです。動画のエンゲージメントなど複数の要素によって有効視聴者数が決定されます。
条件などにより金額が異なる可能性がありますが、1視聴ごとに0.02円〜0.06円の報酬が発生し、視聴数が1,000回をこえると報酬が蓄積されていきます。
▼TikTok Creativity Program 参加資格
- 18歳以上である。
- 登録視聴者数1万人以上である。
- オリジナルのコンテンツを投稿している。
- 過去30日間の動画視聴数が10万回以上。
- コミュニティガイドラインを遵守している。
- 動画の尺が1分を超えている。
- 政府、政治家、政党のアカウント、およびその他公共のアカウントは申し込み不可。
参考:TikTok、クリエイターがクリエイティブなオリジナル動画を通して報酬を得られる新たな収益化プログラム「Creativity Program Beta」を公開!、TikTok Creativity Program Beta
TikTokで収益化を目指すためのポイント5つ
TikTokで収益化を目指すためには、さまざまな条件をクリアしなければいけません。ここからは、TikTokで収益化を目指すためのポイントについて解説します。
なおいずれの場合も、TikTokコミュニティガイドラインや規約に従いコンテンツを作成することが前提です。適切なコンテンツを投稿しアカウントを運営し、プラットフォーム上でトラブルが発生しないように気を付けましょう。
- コンテンツの投稿
- アカウントの分析
- コラボ動画を投稿
- ハッシュタグの活用
- 時間帯を意識したLIVE配信
1.コンテンツの投稿
まず、質の高いコンテンツの継続的な投稿を行うことで視聴者の興味関心をキープすることができます。コンスタントに投稿することで、フォロワーの獲得やエンゲージメントが高まります。
オリジナルかつ高品質で、高解像度で撮影・編集されており、編集レベルが高いことが基準です。コメントや保存、シェアなどのユーザーアクションがとられる作りであることも、エンゲージメント獲得のために大切です。
ほか、ユーザーの視聴興味を促進するクリエイティブなコンテンツが好まれるため、ビジュアルの魅力も重要です。カラフルさ、意外性、目を惹く編集技術を活用しましょう。
なおTikTokのみならず、動画文化はα(アルファ)世代、Z(ゼット)世代と呼ばれる10代~20代若者層の利用者数が多いことが特徴です(※2)。視聴回数を底上げするために、彼らに視聴されるような動画構成、興味関心を惹けるようなトレンドの踏襲がポイントになります。
引用:総務省情報通信政策研究所「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書 <概要>」
2.アカウントの分析
アカウント毎に設定されているインサイトでは、視聴者数やインプレッション数のほか、プロフィールの表示回数、いいね数、コメント数などを確認できます。フォロワー数の男女比や年齢、フォロワーに人気のコンテンツについても確認可能です。
インサイトを活用しアカウントの分析を行うことで、動画単位やプロフィール面の改善点が明らかになるほか、今後の投稿の指標も得られます。インサイト内指標を分析することで、コンテンツの効果やフォロワーとの対話などを理解し、戦略を最適化できます。
なおTikTokの分析ツールについては「TikTok分析ツール活用術!効果的な選び方と使い方を徹底解説」でも解説しています。
▼インサイトを開く手順
- プロフィールを開き、右上のハンバーガーメニュー(三本線)をタップ
- クリエイターツールを開き、インサイトをタップ
▼インサイトで確認できる指標
- 総視聴回数:アカウント全体の総視聴回数
- プロファイルビュー:ユーザーのアカウント訪問数
- フォロワー数:特定の期間内に獲得した新しいフォロワーの数
- エンゲージメント率:いいねやコメント、共有などのアクション総数を総視聴回数で割ったもの。高いほどフォロワーとのコミュニケーション量があるとみなされる
- トラフィックソース:プロフィールへの流入経路
- アクティブフォロワーの時間帯:フォロワーがTikTokを利用する時間帯
- トップビデオ:特定の期間内に最も多くの視聴回数を獲得した動画
3.コラボ動画の投稿
コラボ動画は通常、両クリエイターのコミュニティが交わる仕組みで構成されているため、コラボ相手のフォロワーに自分のアカウントが露出する機会があります。登録フォロワー数が多かったり、自分のアカウントに似たクリエイターとのコラボ動画を投稿することで、自分のフォロワーが伸びる可能性があります。
▼コラボ投稿のメリット
コラボ投稿により、お互いのフォロワー同士が相互フォローすることが期待されます。またクリエイター同士の信頼関係が見えたとき、コラボ相手のファンベースからのフォローを助長する可能性もあり得ます。
なおトTikTokではトレンドが非常に重要です。コラボ動画が特定のトレンドに関連しているとき、両クリエイターのコミュニティはそのトレンドに共感しやすい状態です。トレンドに乗ることで動画やアカウントの露出が増大し、さらに新しいフォロワーを引き込むことができます。
▼コラボ投稿のデメリット
コラボ動画は、お互いのフォロワー層が似ているクリエイターを選定することが大切です。異なるジャンルやタイプのクリエイターでは、ユーザーが求めているコンテンツにならない可能性があり、ユーザーの離脱やフォロワー登録解除につながる可能性があります。
またコラボすることで、アカウントのメッセージやスタイルなど世界観に対する統一性が保たれないこともあります。コラボ相手とは事前に、双方のブランディングやコンセプトの一貫性を保つ点についての取り決めを行うことをおすすめします。
4.ハッシュタグの活用
他のSNS同様、TikTokでもハッシュタグを活用するのは効果的です。ユーザーがハッシュタグ検索を行ったときに検索結果に表示され、ユーザーの目に止まりやすくなり、認知度の向上も狙えます。
TikTokでのハッシュタグ数は3~6つが望ましいといわれています。またハッシュタグには検索ボリュームがあり、人気の高いハッシュタグでは競合が多く埋もれる可能性があります。人気のものやトレンドのもののみならず、定番化しているものなどを入れることもおすすめです。
▼TikTokでハッシュタグをつけるポイント
- 動画と関連したもの
- 人気があるものとニッチなものを組み合わせる
- トレンドに関連したもの
- 定番ハッシュタグ
- 独自ハッシュタグ
- 地理ハッシュタグ
5.曜日や時間帯を意識したLive配信
TikTok Liveでは、ターゲットの視聴者層や地域、プラットフォーム全体のアクティビティを考慮して、開催にあたり最適な時間帯を選択することが重要です。
平日夜の時間帯は一般的にTikTokのアクティビティが高まるといわれています。夕方~夜にかけては多くのユーザーが自宅でリラックスしていることが多いため、この時間帯にiLveを行うことをおすすめします。また週末は自由時間がある人が多いので、土曜日や日曜日の夜、または昼間にLiveを開催すると、より多くの視聴者が参加しやすくなるでしょう。
ただしターゲットがママ層であるとき、平日夜や週末は育児や家事のボリュームタイムであることが多いため、Live開催はおすすめできません。子どもの年齢にもよりますが、子どもが保育園・幼稚園・学校に滞在している平日午前中や、子どもを寝かしつけ終えた平日深夜(22~24時)の場合、参加しやすいことが多いようです。
まとめ
TikTokではさまざまな収益化プログラムが開始されていますが、各種条件をクリアする必要があります。条件はプログラムにより異なりますが、フォロワー数や動画視聴数など事前にアカウントを運用していなければ達成できないものが多く、すぐにクリアできるようなものではありません。
収益化を狙う場合、前もってアカウントを開設しながら動画を投稿し、安定的な運用を行うことをおすすめいたします。アカウント解説や動画制作、運用代行についてお困りの際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
なおTikTokで集客を行う方法である広告の出稿方法については、「TikTok広告どうやってはじめる?出稿方法や効果を出すポイント」でも解説しています。
参考・引用
※1…株式会社 ICT総研「2022年度SNS利用動向に関する調査」
※2…総務省情報通信政策研究所「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書 <概要>」第5章5-1 主なソーシャルメディア系サービス/アプリ等の利用率①