プロジェクトストーリー
ファミリー層に届くクリエイティブを確立する、「かみむら牧場」のInstagram運用
2023年10月19日
ワタミカミチク株式会社が展開する、「かみむら牧場」。エサからこだわって作ったA4以上の黒毛和牛を始めとした上質なお肉を、食べ放題で楽しむことができる焼肉形態の飲食事業です。ファミリー層をターゲットにした店舗で、ファミレス感覚で気軽に焼肉を楽しむことができます。
マムズラボでは、この「かみむら牧場」のInstagramアカウントの運用およびコンテンツ制作を担当しています。
今回、ワタミ株式会社 焼肉営業本部 販売促進担当 海野徹基さまと、マムズラボの営業担当 知場、クリエイティブ担当 竹内が、これまでの取り組みについて振り返りました。
ワタミ様本社にある居食屋 和民1号店(展示スペース)。今回のインタビューはこちらで実施しました。
目次
子育て世代を対象としたブランドだからこそ、その領域におけるプロに企画・運用を任せたい
――御社が抱えていたSNSの活用課題についてお聞かせください。
ワタミ株式会社 焼肉営業本部 販売促進担当 海野徹基さま
海野:
私が担当を引き継ぐ2021年の秋以前は、自社でInstagramを運用しようとしていました。ただ、もちろんSNS運用は素人ですから、公式アカウントらしさには欠けていたんですね。さらに、他の業務も多々あるなかでの運用だったため、不定期更新かつクリエイティブにもばらつきがあり「店長の気まぐれ投稿」みたいな感じになっていました。
当初は「かみむら牧場」の認知拡大が主目的でしたが、私が担当を引き継いだタイミングでブランディング戦略の見直しを判断し、それをInstagramというプラットフォームを通して伝えていくことを考えていました。また、実行にあたっては元から自社運用は考えておらず、社内でも「私が担当するなら、プロに運用をお任せします」と公言していました。
――そのうえで、マムズラボに依頼することにした経緯をお聞かせください。
海野:
子育て期の女性が代表をされており、ママやパパを中心としたファミリー層に理解のあるメンバーが集まっている会社ということで、社外の方から紹介されました。
知場:
最初のご挨拶は代表の佐藤と私で御社にお伺いしましたが、たくさんの方にご同席いただきましたよね。5~6人ほどいらっしゃったかなと。
海野:
顔合わせまでにいただいていた提案書などの内容からもほぼ心は決まっていましたし、一発で決めたかったので、社内の納得を獲得するために全員引き連れていった感じでした(笑)。事業の展開スピードを鑑みると、とにかく早く前に進めたかったんです。
――ご依頼いただいた決め手は何だったのでしょうか。
海野:
仕事のスピード感のためにコミュニケーションの取りやすさを重視していますので、第一印象は重要視していました。こちらが思い描いていることを形にしてもらうわけですから、意思疎通がうまくいかないとやり取りが無駄に多くなってしまい、双方ストレスになります。
担当者の良し悪しというより相性といったところでしょうか。私にとって会話のキャッチボールがうまくできるかどうかは本当に大事なので、決め手のひとつになりましたね。
竹内:
そんなお話をお聞きしているとドキドキしてきます(笑)。私は最近ジョインさせていただきましたが…。
当社クリエイティブ担当の竹内(左)と営業担当の知場(右)
海野:
問題ありませんよ、運用も進行も安心してお任せしている状態です。こちらがお手数をおかけしているなと感じるくらいですね。代表のにのさん(佐藤)には提案や企画などの設計をしていただいていますが、当初から、フランクでありつつも攻めている方だなと思いました。知場さんは2番手として、提案や企画のとがっているところのサポートやフォローを徹底しているお立場だろうなと。
アカウント運用開始前は密にやり取りも、6か月程度で“お任せ”のフローを構築
――これまでの具体的な運用フローや進行はどのようなものでしたか?
海野:
アカウント運用開始前は、「どんな画像を撮影するか」「グランドデザインはどうするか」「クリエイティブの程度はどうすべきか」「どのような情報を可視化するか」といった話を密にしており、コミュニケーションに時間をかけていました。
投稿をするためのコンテンツ制作には撮影が必要ですが、3回ほど立ち合いまして、投稿のクリエイティブも3か月ほど事前チェックしていましたが、半年たたないうちに全面的にお任せするようになりました。現在では投稿内容の事前チェック、撮影スケジュールの確認くらいで本当にお任せ状態です。
アカウント運用・コンテンツ制作の運用フローは、クライアントのニーズに沿いつつも自動化を目指し構築。
投稿内容については、社やブランドのコンプライアンスやOK/NG表現なども事前にお伝えし、把握いただいているので、特にNGを出すことなく進めていただいています。また、投稿後の数値分析や毎月のアカウント分析もしていただけて、レポートもいただいているので振り返りや改善をしやすく助かっています。
各KPIに対する達成率や変化、その他投稿クリエイティブごとのエンゲージメントなどをレポート化し共有。
――クリエイティブに関しては、どのようなご要望がありましたか?
海野:
メインターゲットであるファミリー層に届くものがいいとお願いしていました。優しく楽しくカジュアルなイメージです。初回のヒアリングでイメージをお伝えした後、方向性をいくつか提案していただき、最終的に1案に絞りました。コミュニケーションコストの大きさでいうと、この、デザインを固めるところまでが1番重たかったですね。
実際に投稿されたクリエイティブ。当社メンバーの家族写真も素材として使うことで本当に楽しんでいることが伝わるようにした。
竹内:
裏側の話でいうと、ここまで全面的に任せていただけるクライアントさんは実は珍しいんです。プレッシャーも感じつつ、身の引き締まる思いで担当させていただいています。
海野:
私としては、自分たちはファミリー層に訴求するという面では素人なので、下手に口を出すものじゃないという思いが根底にあります。プロがいいと判断したものに任せたいので、社内から「ああしたいこうしたい」という要望が上がっても反映してもらうつもりはあまりないんです。ですので社内向けの進行としては「こうなりました、載せますね」という確認だけです。
もし結果が出なかった時も、理由を振り返りやすいと思うんです。こちらがあれこれ口を挟んだことによる結果だと、要因が口出しになってしまい、何が良くなかったのかがわかりづらくなってしまうでしょうから。
我々は発信内容のコンプライアンスをしっかり行えばいい。付きっきりでやる方法もなくはないですが、そうすると最終的に内製するしかなくなってしまうので。
知場:
御社内で「こういう運用をしたい」などの要望は出るのでしょうか?
海野:
飲食業ですので、どうしても宣伝色を強くしたいという声はやはり多いです。けれど私はSNS投稿=広告ではないと認識しているので、ターゲットであるファミリー層の方々が自然と受け入れてくださる、自然な投稿を大切にしたいと考えています。運用を続けて実感しましたが、Instagramって、フォロワーさまと作り上げるコミュニケーションの場なんですよね。だからこそ、広告じみたものは出したくないんです。宣伝をしたければ、広告を出せばいいだけですしね。
SNSはファンとのコミュニケーションの起点となる場。フォロワー獲得にとどまらない幅広い活用を狙う
居食屋 和民1号店での食事やドリンク(食品サンプルです)をいただきつつ、インタビューも終盤。そろそろ締めに入ります。
――これまでの成果について、どのようにお考えでしょうか。
海野:
SNS上でのブランディングが主目的なので、フォロワーを増やしたい狙いはあります。その点でいうと、運用開始から年数が経ってきた今、少し伸び悩んでいる状況ですね。ただ、これは投稿しているコンテンツの質というより、「かみむら牧場」というブランドの社会的認知度の低さに起因する可能性もあります。
SNSの進化発達に伴いアルゴリズムに変化が発生するので、アカウント運用とフォロワー獲得の図式がいたちごっこになるのは想定内。ですので、もっと長い目で見て乗り越えていきたいと思います。ブランドとしてブレはなく、ゴールも明確に設定しているので、今後も一緒に前に進めていきましょう!
知場:
アカウントの運用には見えない苦労が多々ありますが、ご一緒させていただけることは喜びです。さらにもう一山を越えるため、制作チームと試行錯誤してフォロワー獲得や認知拡大に貢献できればと思います。
竹内:
Instagramアカウントを運用しているメリットのひとつは、ブランドファンのインサイトを獲得でき、関係値を築いていけることだと思っています。さらに仕掛けを設けてフォロワーさまの声を集め、最終的には運用から得られた新しい価値を御社へご提案できるよう、尽力できればと思います。
SNS運用を任されている価値がフォロワー獲得だけであるならば、業務を担当するのは弊社でなくてもいいわけです。私たちが運用しているからこその気付き、たとえばファンの人たちが欲しているメニューなど、情報やファクトを企画提案に活かしていくことも提供価値になると考えています。
Instagramを起点にブランド成長につなげていくお手伝いはできて然るべきだと思っていますので、今後少しずつ踏み込んで価値を生み出していきたいです。
海野:
最終的にはフォロワーさまからご要望を吸い上げてカタチにし、お返しできるようにしたいですね。
ただSNSを活用するには、弊社側がフォロワーさまの声に応えられる力、姿勢が必要です。フォロワーさまに「これってどうですか?」と共感を得ながら、社の企画にも活かせる声を集められる仕組みがSNSであることを弊社内でも周知させながら、今後もマムズラボさんと一緒に取り組んでいきたいと思います。
知場・竹内:
本日はお時間をいただき、ありがとうございました!