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デジタルマーケティング実践における戦略立案の方法とは?

Time 2023年6月5日

 

デジタルマーケティングは、インターネットやITなどの「デジタル」を活用して行うマーケティング手法のことを指します。デジタル全盛の現在、従来のマーケティング戦略ではなくデジタルマーケティング戦略の実践がなければ、企業は時代に取り残されてしまうことでしょう。

 

しかし、デジタルマーケティング戦略を実践するにあたり、戦略立案をどのように行っていけばよいかよくわからない人も多いと思われます。デジタルマーケティングは従来型マーケティングに比べ、効率性を求める上では非常に便利ですが、効果が見えにくいことや費用がかさんでしまうという課題もあり、企業としては導入しにくい現状もあります。そのため、デジタルマーケティングを実践にはしっかりとした戦略を持って臨んでいくことが必要です。

 

この記事では、デジタルマーケティングの実践に伴う戦略立案の方法について見ていきたいと思います。

 

デジタルマーケティング戦略とは?

一昔前であれば、デジタルマーケティングといえばメルマガやWebサイトへの集客が主流でした。メールマガジンを配信し、メルマガ内のURLをたどって自社のWebサイトに集客しコンバージョンにつなげる手法を実践するため、企業はいかにメールアドレスを収集するかに日々奔走していたものです。

 

しかしその後、SEOによる検索上位表示を目指した競争の激化、スマートフォンやタブレットなどのデバイスの登場によるSNSの一般化により、デジタルマーケティングの手法も大きく変わってきました。たとえば、さまざまなSEO施策により検索順位向上のためのマーケティング、リスティング広告をはじめとしたデジタル広告でのプロモーション活動、TwitterやInstagramなどのSNSでインフルエンサーなどを活用しながら商品やサービスを紹介するSNSマーケティングなど、多彩なマーケティング手法が誕生しました。

 

デジタルマーケティングの特徴は、取得したデータを定量化して分析・検証できる点にあり、効果測定が行いやすく、有効な戦略とそうでない戦略を瞬時に判断することが可能です。

 

デジタルマーケティング戦略の代表的施策

デジタルマーケティング戦略においてはさまざまな施策がありますが、ここでは以下に挙げる代表的なものをピックアップして紹介していきます。

 

  • メールマーケティング
  • SEO
  • コンテンツマーケティング
  • SNS運用
  • オウンドメディアマーケティング

 

それぞれ見ていきましょう。

 

メールマーケティング

メールマーケティングとは、メール配信を行うことでユーザーとコミュニケーションをはかり、自社のサイトへ誘導したり、コンバージョンしたりするためのデジタルマーケティング手法のひとつです。メルマガ配信という形で古くから行われていたデジタルマーケティング戦略でありますが、スパムメールが増えたことにより企業からのメルマガを受信する人が減ったことや、SNSの普及により以前ほどは活用されなくなりました。

 

しかし、現在でもメールはデジタルコミュニケーションツールとして利用者も多くため、BtoBのビジネスを行っている企業にとってメールマーケティングは有効な手段とされており、一般的なメルマガ配信をはじめステップメール、リターゲティングメールなどが行われています。

 

SEO

SEOは検索順位を上位表示させて自社サイトに誘導するために行われるデジタルマーケティング手法です。デジタルマーケティング手法の中では認知度が高く、多くの企業がWebサイト制作において何らかの対策を施しています。

 

このSEOには2つの施策「内部施策」と「外部施策」があります。内部施策では、自社のWebサイト構造をルールに乗っ取って最適化することやキーワードに即したコンテンツの制作、ページ軽量化などを図っていきます。一方、外部施策では、被リンクを増やしてGoogleやYahoo!などの検索エンジンからの評価を高めるものです。内部施策は自社内で比較的行いやすいこともあり、SEO対策といえばこの内部施策を見直すことから行っていくのが一般的と考えられます。

 

コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングとは、Webコンテンツを作成しユーザーとコミュニケーションを行っていくデジタルマーケティング手法です。広告とは違い、ユーザーにとって有益な情報を提供していくことで顧客を自社に誘導していく狙いがあります。

 

通常コンテンツマーケティングでは、記事コンテンツや動画コンテンツを用いるのが基本です。これらのメリットは、一度コンテンツを作成してしまえば、意図的に削除しない限り集客に貢献し続ける点にあります。もちろん情報には鮮度があるので、初回アップ時から時間の経過とともに集客力は低下してしまうものの、一定の価値を保ち続けられることは大きなポイントと考えてよいでしょう。

 

SNS運用

TwitterやInstagram、YouTube、TikTokなどのSNSを活用して売上アップを図る企業は増えています。SNSの普及はデジタルマーケティングの形を大きく変化させました。世代によってはGoogleやYahoo!などの検索エンジンで情報を探すのでなく、SNSで欲しい情報を見つけることもあるのだとか。

 

SNSは老若男女あらゆる世代で利用されており、ユーザーの登録した情報をもとにターゲティングしやすく、各SNSの利用特性に合わせた広告を打つことができますし、インフルエンサーを起用して企業の商品やサービスを写真や映像などの視覚アピールを交えながら宣伝することもできます。

 

特に数百万のフォロワーを抱えるような絶大な人気を誇るインフルエンサーが情報拡散すれば、一度に多くの人の目に商品が触れることになるので、企業のSNSマーケティング戦略にインフルエンサーは必要不可欠な存在となっています。

 

オウンドメディアマーケティング

オウンドメディアマーケティングとは、自社保有のメディアを指します。広い意味では自社サイトもオウンドメディアとなりますが、一般的にはユーザーに有益な情報を提供できる自社ならではのブログなどがオウンドメディアとして扱われることが多いです。

 

オウンドメディアの役割としては、企業や自社商品・サービスのファンを増やすことにあります。SNSもファンを増やす点では同じ意味合いを持ちますが、SNSの場合、新鮮な情報しか見向きをしてもらえません。その点オウンドメディアは、企業のナレッジデータベースとして必要な情報を保有する砦のような立ち位置でユーザーに接することができます。

 

デジタルマーケティング戦略の4ステップ

以上で紹介したようなデジタルマーケティング手法を戦略化して実行していくのにはいくつかのステップがあります。

 

基本的な流れとしては

 

  • KPI・KGIの設定
  • 自社ポジショニングの確立
  • ターゲットの明確化
  • 実行可能な施策の検討

 

という形で進んでいきます。

 

ここからは、デジタルマーケティング戦略の各ステップの詳細について見ていきましょう。

 

1.KPI・KGIの設定

デジタルマーケティングでまず行うべきことはKPI・KGIの設定です。KPI(Key Performance Indicator)とは「重要業績評価指標」を意味し、組織の目標達成に向けたプロセスが問題なく行われているかどうかを数値化して評価することをいいます。

 

企業が目標とすべき具体的数値とは

 

  • 訪問件数
  • 受注件数
  • 問合せ件数

 

などがありますが、何を指標とするかは企業や部署によって異なります。一般的にデジタルマーケティングでは、PV(ページビュー)数やコンバージョン率、クリック率、直帰率などを指標とすることが多いです。

 

また、KPIよりも上位概念としてKGI(Key Goal Indicator)というものがあり、こちらは「需要目標達成指標」を意味します。KPIが業績評価としての目標達成を目指すものであるのに対して、KGIは企業としての最終目標を具体的に表したものとなります。こちらは具体的に売上金額などが該当します。

 

2.自社ポジショニングの確立

デジタルマーケティング戦略では、競合との差別化を図る上で自社のポジショニングを明確にすることも重要です。自社の特性や得意分野などを考慮し、勝負できるフィールドで戦わなければ勝負に勝つことは難しいでしょう。そのために、自社がどの領域であれば戦えるかをまずは決める必要があります。

 

それにはSTPを定義するのが有効です。STPとは「セグメンテーション(Segmentation:市場細分化)」「ターゲティング(Targeting:ターゲット市場の選択)」「ポジショニング(Positioning:自社の立ち位置)」の3つの頭文字を取った分析用のフレームワークです。自社商品・サービスを欲する顧客層を設定し、狙うべき市場を決定、自社が優位でいられるポジションを探し出します。

 

3.ターゲットの明確化

戦える市場が決まれば、よりターゲットを鮮明にしていきます。たとえば、「30~40代の独身女性」「世帯収入が年収500万円以上」など詳細にペルソナを定義した上で、カスタマージャーニーを作成していくのがよいでしょう。それにより、顧客がどのような行動の結果、商品やサービスを手に入れることができるのかを具体的にすることができます。

 

4.実行可能な施策の検討

これまでのステップは、単に机上の空論にすぎません。KPI達成に向けて具体的なマーケティング施策を決定していきます。リソースや予算、実施期間などを考慮した上で実行する内容を固めていくことになると思いますが、どんなに魅力的であっても決して実現不可能な施策を無理に行おうとはしないことです。

 

たとえばSNSに精通した担当者がいないにもかかわらず、コストをかけたくないからといって社内メンバーだけでSNSマーケティングを実行しようとしても、施策を実行・継続できないのは明らかです。その場合、素直にインフルエンサーを確保するか、デジタルマーケティング専門の企業に依頼するなど実行できる方法を検討しましょう。

 

デジタルマーケティング戦略の注意点

デジタルマーケティングは、戦略の進め方を間違えてしまうとコスト・時間が無駄になる危険性をはらんできます。
デジタルマーケティング戦略を成功に導くために、以下の点に注意するようにしましょう。

 

PDCAを実行し続ける

デジタルマーケティングの中には、すぐに効果が出るものもあればそうでないものもあります。たとえば、SEOやコンテンツマーケティング、オウンドメディアマーケティングなどは、成果が出るまでに一定の時間を要してしまうため、「すぐに効果が出ないのならやめた」とならないよう、PDCAサイクルを実行し続ける必要があります。

 

PDCAサイクルで重要なのは「Check」の部分です。実行した結果どのような成果が出たのか、反対に出なかったのかをしっかりと分析することで、次の施策に活かすことが可能となります。1度PDCAを回したくらいでは成果が出る可能性は薄い、ということは知っておきましょう。

 

何を優先して実行するのかを明確にする

これまで紹介してきたように、デジタルマーケティング戦略の手法はひとつではありません。実行に移していく中で知りえた最新のデジタルマーケティング手法に目移りすることがあるかもしれません。

 

しかし、最初に計画したプランを実行し続けることこそが成功への近道です。常に何を優先して行うべきか、そのためにやる必要のないことはやらないという強い意志を持ってデジタルマーケティングに取り組むようにしましょう。

 

まとめ

以上、デジタルマーケティングの実践に伴う戦略立案の方法についてご紹介しました。

 

デジタルマーケティングを実行するためには、その企業に即した戦略立案と実現可能な具体的な施策が必要です。昨今SNSマーケティングや動画マーケティングが主流となっていますが、さらに今後はAIを活用したデジタルマーケティングも登場することが期待されています。いずれにせよ、自社に最適なデジタルマーケティング戦略を行うことが、KPIの達成には必要です。本記事を参考にして、ぜひデジタルマーケティングを成功に導きましょう。

 

 

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