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ママ向けのキャッチコピーとは?子育てママに響く言葉や選ばれる工夫を紹介
2023年6月9日
子どもやファミリー向けのモノやサービスを販売するとき、それらの魅力を伝えるために「キャッチコピー」に力を入れる企業は多いものです。今やテレビCMなどの広告以外に、InstagramをはじめとするSNSやECサイトでもキャッチコピーが印象的な商品が見られるようになるなど、さまざまなところでキャッチコピーの力は活用されています。
キャッチコピーは、適切なターゲット設定とユーザーの興味を引ける言葉で打ち出さなければ、売上向上を図れません。そのため多くの会社は家族のなかでもママにターゲットを絞り、印象に残りやすいキャッチコピーの作成に頭を悩ましています。
この記事では、ママ向けのキャッチコピーを作るポイントについて、成功事例を交えながら解説していきます。実際の作り方も解説しているため、参考にしてみていただけると幸いです。
キャッチコピーとは何か
「キャッチコピー」とは、ターゲットが魅力を抱く言葉や独創性の高いフレーズを用い、訴求したいモノやサービスを表現するものです。「キャッチフレーズ」「ヘッドライン」と呼ばれるケースもあり、テレビやインターネット、雑誌などさまざまなシーンで活用されています。
またキャッチコピーは、モノやサービスをターゲットに認知してもらったり、購入してもらったりするための重要な役割を担っています。キャッチコピーによって商品の売れ行きが左右されることも多いため、「伝える」ではなく「行動を起こしてもらう」を目的として広告を打つケースもあるようです。類似商品との差別化を図るのにも効果的で、自社製品ならではの魅力を伝える手段としても重要なものと言えるでしょう。
選ばれるキャッチコピーの4つの条件
では、良いキャッチコピーを作るには、どのような条件を踏まえておくとよいのでしょうか。ここでは、選ばれるキャッチコピーを作成するためのポイントを4つ挙げ、くわしく解説していきます。
1.ターゲットが明確
優れたキャッチコピーは、「ターゲット設定が明確」です。どのような人に対して商品を販売するのか、そのターゲットにはどのようなフレーズが響くのかなどが戦略的に考えられています。
たとえば、ファミリー層に対する商品なら家族内で消費の決定権をもつママ向けにキャッチコピーを考えるのが成功の秘訣となります。ママ好みの優しいフレーズを用いたり家族のためを思うママの気持ちが表現されていたりすると、ママの心に届くキャッチコピーが仕上がります。
そうして作られたキャッチコピーは、言葉がターゲットの心に刺さるため印象に残りやすくなります。フレーズを思い返したときに、商品が魅力的なライフスタイルを実現させてくれると想像できるため、商品そのものに価値を見出せるようになることもあります。
2.短くて簡潔
優れたキャッチコピーの2つ目のポイントは、「フレーズの短さ」です。これはキャッチコピーの最大の特徴ともいえるもので、少ない文字数に凝縮されたメッセージを加えることで印象に残るフレーズに仕上げられます。
仮に長文のキャッチコピーがあった場合、その言葉で商品の情報を詳細に伝えられるかもしれませんが、長いフレーズはインパクトに欠けるため、ターゲットの頭に残りにくくなると考えられます。
3.パッと見ただけで理解できる
ターゲットに響く優れたキャッチコピーの3つ目のポイントは、「理解のしやすさ」です。専門用語やまわりくどい言い回しを避け、直感的に伝わりやすいフレーズを用いるのは、誰が見てもわかる文章作りに欠かせないポイントと言えます。
また数字を用いることで、ターゲットに読みやすい文章になるケースもあります。たとえば、「あっという間にできあがる」よりも「たった20秒でできあがる」のほうが、商品の魅力が伝わりやすくなるでしょう。その他、ターゲットが抱いている悩みに寄り添ったフレーズも有効で、商品を利用すると解決できるというイメージに結びつけやすくなります。
4.モノと言葉がマッチしている
ターゲットに届くキャッチコピーを作るポイントの4つ目は、「商品とフレーズがマッチしている」ことです。どんなにキャッチコピーを短くわかりやすい言葉でまとめていても、モノとフレーズがちぐはぐだと魅力を伝えられません。
ターゲットに響くキャッチコピーを作りたいなら、その商品がどのようなものなのか、ユーザーに何を提供したいのかを考えた上で言葉を選びましょう。それができなければ、たとえキャッチコピーでユーザーを引き付けられても、商品説明を読み込んでいくうちに「イメージと違う」と思われてしまう恐れがあります。企業に対する信頼損失にもつながりかねないため、モノと言葉の一致はかなり重要です。
ママ向けのキャッチコピーの作り方
ここからは、ファミリー層をターゲットにした商品を販売する際の、ママ向けのキャッチコピーの作り方を解説していきます。以下は、キャッチコピーを作成するにあたって考えたい4つのことです。
- ターゲットとなるママの属性を絞る
- ママの悩みを考える
- ママに伝えたいメッセージを絞る
- 絞ったメッセージを組み合わせる
それぞれの内容をくわしく解説していきます。
1.ターゲットとなるママの属性を絞る
ママ向けのキャッチコピーを考える場合、まずママの属性を絞らなければ心に響くフレーズを生み出せません。子どもの有無や性別・年齢・家族構成・仕事など、その商品を利用するママの周辺環境を挙げることで、よりキャッチコピーの内容も明確にできます。
たとえばベビーカーを販売する場合のターゲット決めには、以下の要素を考えてみるのがよいでしょう。
- ママの年齢層
- 出産経験
- 家族構成
- 世帯収入
- 購入の目的(新規・買い替え・セカンド利用など)
上記を踏まえた上でターゲットを絞れると、誰に向けたキャッチコピーを作ればよいのかが明確になります。方向性が決まれば選ぶフレーズも定まってくるため、キャッチコピーの作成もスムーズです。
2.ママの悩み・要望を考える
ママの属性が定まれば、そのターゲットがもつ悩みを考えていきます。たとえば、初めての出産準備にベビーカーを探しているママの悩みや要望には、以下のことが挙げられます。
- なるべく費用を抑えたい
- 丈夫で長持ちするものがいい
- 赤ちゃんに心地よいものがいい
- 赤ちゃんと対面式になるものがいい
- デザイン性に欠けるものは避けたい
- 軽くて持ち運びしやすいものがいい
- かんたんに折りたためるデザインがいい など
以上のような悩み・要望を解決できる商品だとターゲットにアピールできれば、品物の魅力を伝えることが可能です。
しかし、これらの悩みはママの生活環境によって大きく変化するものと思われます。そのため、事前に製品を購入する客層や市場のニーズを調べた上で購入者の傾向を分析しておくと、よりユーザーニーズに寄り添って考えられるようになるはずです。
3.ママに伝えたいメッセージを挙げる
ターゲットであるママの悩みや要望を洗い出した後、そのママに伝えたいメッセージを考えましょう。このとき「伝えたいメッセージ=商品の強み」と考え、自社製品ならではのポイントや他社製品に勝る部分や違いも挙げられると、より独創性の高いキャッチコピーを作ることができます。
たとえば、前述のベビーカー製品なら、以下のメッセージを込められるかもしれません。
- 子どもの成長に合わせてシートの形を変えられる
- ワンタッチ開閉でラクに折りたためる
- 独自の衝撃吸収素材で座席が柔らかい
- コンパクトで邪魔にならない
- 車輪が小さく小回りできる
- ××㎏で軽い など
なお、メッセージを挙げる段階では、商品の特徴を思いつく限りすべてリストアップするのがおすすめです。
4.絞ったメッセージを組み合わせる
ママの悩み・要望と伝えたいメッセージを挙げた後、それらを組み合わせたキャッチコピーを考えていきます。
ここでもベビーカー製品を例に挙げていますが、以下のようなアピール文章を作成してみました。
- 独自の衝撃吸収素材で赤ちゃんを心地よく包み込める
- ××㎏で軽く、赤ちゃんを抱っこしたまま片手で持ち運べる
- 子どもの成長に応じてシートを変えられるためジュニアカーが不要 など
このように、商品がもつ特徴や強みによって、ママの悩みを解決できるという組み合わせがベスト。ベースを仕上げた後は、さらにフレーズを変化させてキャッチコピーを完成に近付けていきます。
しかしキャッチコピーの作り方がわかっていても、効果的な内容を考えるのはなかなか難しいことです。ママの興味を引くキャッチコピーを作るには、女性らしさや柔らかさなど、言葉がもつ印象も留意しながら考えられるとよいかもしれません。
ママ向けキャッチコピーの成功事例
ここからは、各企業が公表した「ママ向けのキャッチコピー」について、成功事例をいくつかピックアップして紹介していきます。ぜひ自社製品のキャッチコピーを考える際の参考にしてみましょう。
「赤ちゃんから大人まで。」ナチュラルサイエンス
「赤ちゃんから大人まで。」は、Mama&Kidsというブランド名で低刺激スキンケア商品を販売する、ナチュラルサイエンスが打ち出したキャッチコピーです。「デリケートな赤ちゃんの肌をやさしく包めるスキンケア用品を探したい」という、ママの想いに寄り添い生まれたキャッチコピーとなります。
また、このキャッチコピーには「大人も使える」という特徴が含まれているのがポイント。「赤ちゃんと一緒に使える」「産前産後の肌トラブルをやさしくいたわれる」など、ママと赤ちゃんのスキンケアタイムが温かい時間になるようなメッセージが込められています。
【参考記事】
赤ちゃんから大人まで使える低刺激スキンケア|Mama&Kids
「ひとりでできる!楽しく学べる!」ベネッセコーポレーション
「ひとりでできる!楽しく学べる!」は、通信教育「こどもちゃれんじタッチ」を提供しているベネッセが打ち出したキャッチコピーです。ママが抱く「子どもの学習意欲を伸ばしてあげたい」「小学校入学前にある程度の力をつけさせておきたい」などの悩みに寄り添い、多くのママから共感を得ています。
また、このキャッチコピーがママに響くのは「ひとりでできる!」というフレーズが入っているのがポイント。誰かがそばにいなければ進まない、間違った部分は指摘してあげたい、でもそんな暇がないという世の中のママの声を反映した言葉がキャッチコピーに集約され、心に刺さるフレーズとなっています。
【参考記事】
こどもちゃれんじタッチ|ベネッセコーポレーション
「絶対もらさない宣言!」ユニ・チャーム
「絶対もらさない宣言!」は、赤ちゃん用おむつ「ムーニーマン」を販売しているユニ・チャームが打ち出したキャッチコピーです。赤ちゃんを育てる多くのママが経験しているおむつ漏れに着目し、製品の利用で悩みを解決できるとアピールしています。
また、このキャッチコピーは「絶対」というフレーズを付けている点で、信頼性を高めていることがうかがえます。おむつ漏れによる外出先でのトラブルや、洗濯物の増加を防げるなどのメリットを感じられるため、ママの記憶に残りやすいのでしょう。
【参考記事】
ムーニーマン(パンツタイプ)|ユニ・チャーム
まとめ
以上、ママ向けのキャッチコピーを作るポイントや成功事例についてご紹介しました。
キャッチコピーは、自社が販売するモノ・サービスの印象を決定づける重要な役割を担う宣伝方法です。そのため、ユーザーの悩みや要望に寄り添い、どのようなフレーズを用いればインパクトを与えられるかを考えなければいけません。
とくにママ向けのキャッチコピーとなれば、訴求したい商品を実際に利用する人物はママ以外のケースも多く、ターゲットの興味関心を引く言葉を考えるのは難しいかもしれません。商品に好感をもってもらえるフレーズを打ち出せるよう、本記事の内容を参考にしてみましょう。
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