ノウハウ
ママ向けのデザインはこう作る!制作のポイントと流れ・成功事例を紹介
2023年6月12日
ママ向けの商品やファミリー層をターゲットにしたサービスをPRする際、家庭のなかで消費の権限をもつママにアピールできると売り上げを伸ばせるといわれています。そのため、商品の販売促進に欠かせない広告では、ママに好まれるデザインを制作しようと検討する企業も多いのではないでしょうか。
しかし、ママに訴求する広告デザインを制作したくても、どのようなポイントを押さえるとターゲットに響くものになるのかについて、知識を持ち得なければスムーズにデザインを仕上げにくくなることでしょう。
この記事では、ママ好みのデザインを制作する方法に関し、制作する際のポイントを成功事例とともに解説していきます。訴求効果の高い広告やWebサイトを制作するためにも、ぜひ参考にしてください。
ママ好みになるデザインの6つの特徴
ママへの訴求を目的にした広告には、さまざまなジャンルのものがあります。たとえば、家庭の衣食住にまつわる商品以外に、子どもの教育・旅行・レジャー施設・家具家電などにもママ目線の広告デザインが用いられています。これはママが家庭内のあらゆる消費に対して影響力をもっていることと関連しており、「ママに気に入ってもらえれば購入につながる」というマーケティング理論に基づく立派な戦略といえます。
では、具体的にどのようなデザインを取り入れるとママ好みになるのでしょうか。
ここでは6つの観点から、ママに向けたデザインの特徴を解説していきます。
1.アイキャッチは子どもの写真やポップなイラスト
ママが好むデザインには、子どもの写真やポップなイラストが用いられるケースが多くあります。これは、子育て中のママが物事を子ども目線で捉えやすくなることと関係しており、子どもの写真や可愛らしいイラストがあると、ママの視線が自然にそちらへ向く性質を押さえたものです。「ママの視線を集められる=商品情報を見てもらえる可能性がある」と思ってよいでしょう。
そのため、ママ向けのデザインを制作する際には商品そのものをアピールするのではなく、それらを使用する子どもやサービスを楽しむ家族の様子を表現できると、ママの注目を集められるデザインに仕上がります。
2.パステルカラーの優しい配色
ママが好むデザインには、パステルカラーなどの優しい配色が使用される傾向にあります。このとき、間違ってもデザイン内にビビットカラーのようなコントラストの強い色を選んではいけません。デザインを考える際は、企業がPRしたい商品に合ったベースカラーを選び、トーンを調整して明るく落ち着いた色に仕上げましょう。
そもそもデザイン制作において、ターゲットが好む色を使用するのは非常に重要なことです。色がもつ視覚効果やイメージには特徴があり、以下の3パターンを覚えておくと配色選びの際に活用しやすくなります。
- 暖色・・・赤、橙、黄など、元気で楽しそうなイメージを表現したい
- 寒色・・・青緑、青、青紫など、落ち着いて静かなイメージを表現したい
- 中間色・・・黄緑、緑、紫、無彩色など、暖色と寒色の両面をあわせたい
上記を踏まえると、カラーリングは彩度が高ければ派手な印象になり、低いと地味な印象になるとわかります。イメージを加えるなら、赤は「情熱・活動的」、オレンジ(橙)は「明るさ・親しみやすさ」、緑は「癒し・安らぎ」などが考えられます。以上のような色の仕組みを覚えておくと、ママ好みのデザイン制作以外のシーンでも役立ちます。
3.丸文字やゴシック体の柔らかな書体
ママが好むデザインでは、文字のフォントも優しいタッチで仕上げてあります。たとえば、丸文字や手書き風で少し崩した書体のものなどは、よく使用される傾向にあります。文字が表現するイメージとしては、全体的な柔らかさを考えるとよいでしょう。またママは雑誌のような世界観に憧れを抱く傾向にあるため、カリグラフィーなどの英字筆記体を用いるとさらに効果的かもしれません。
ただし英字体はオシャレさを表現できる一方、乱用すると非常に読みにくくなる性質もあわせもっています。使用する際は日本語とセットで用いるなどの配慮を行うのが効果的です。ママに向けたデザインを制作する際は、オシャレで柔らかいタッチのフォントを選びつつ、文字の大小や配置などの見やすさも工夫するのがよいでしょう。
4.ママの希望を叶えるキャッチコピー
ママ好みのデザインでは、ママの心に響くキャッチコピーが取り入れてあります。「ママに響く=ママの要望を叶える」と考えてもよいかもしれません。ターゲットが抱える悩み・要望を洗い出し、商品の利用がそれらの問題を解決できるとアピールしましょう。
たとえば、ベビーカーをPRしたい企業がママ向けのキャッチコピーを打ち出すとき、以下のように考案していくとターゲットの心に届くフレーズを生み出せる可能性が高くなります。
- ママの悩み・・・赤ちゃんに負担をかけたくない
- 商品の強み・・・独自の衝撃吸収素材で座席が柔らかい
- キャッチコピー・・・独自の衝撃吸収素材で赤ちゃんを心地よく包み込める
以上のような「ターゲットの悩み+商品の強み=心に届くキャッチコピー」の方程式を踏まえれば、商品をアピールしたいターゲットの希望を叶えるキャッチコピーを制作しやすくなります。ただし、このままだと単なる商品説明になるため、さらにフレーズを変化させ、短文にメッセージを凝縮させたものに仕上げていくとよいです。その際は専門用語の使用を避け、言葉のわかりやすさをポイントにフレーズを選ぶのがおすすめです。
5.すきま時間に流し見できる文字量
ママをターゲットにした広告デザインは、家事育児仕事に忙しいなかでも見てもらえるよう、流し見しても内容がわかる構成になっています。これはママが自由に過ごせる時間の短さに着目してあるのと同時に、女性が全体を大まかにしか見ないという特徴を踏まえてあるものと思われます。
そもそも女性は物事を感覚的に捉えるのを重視する傾向にあるため、デザインをパッと見た上で興味のある部分だけを読み込んでいくのが通常のスタイルです。そうなると、テキストが多く記載されているデザインは当然ママに嫌がられます。もはや流し見どころではなく、目も通してもらえないと予想できるため、そのようなデザインは控えるべきです。ママへ効果的にアピールできるデザインを制作するなら、少ない文字量かつ適宜装飾を施したテキストで工夫できるとよいかもしれません。
6.使用シーンを連想できる画像・動画・口コミの掲載
ママに好まれるデザインには、商品を使用している様子がイメージできる画像・動画・口コミなどを掲載できると非常に効果的です。前述したとおり、女性は目に映ったときの印象を大切にする性質があるため、広告などを見る際はデザインから以下がイメージできるか重視する傾向にあります。
- 理想を叶えられるか
- どのような使用感か
- どのようなメリットを得られるのか
これらの情報を自身の頭のなかで考え、商品・サービスが必要かどうかを判断するとよいでしょう。たとえば、ベビー用品のパッケージや広告サイトの場合、赤ちゃんがその商品を実際に使用している写真・動画が掲載されているのは、ママに商品の使用感を明確にイメージさせるためと思われます。よく口コミが掲載されているのも同じ心理をついたもので、実際のユーザーによるリアルな体験談や商品レビューがあると、その商品に対するママの評価は非常に信頼性の高いものとなります。
以上の内容を踏まえると、たとえファミリー層をターゲットにした商品の広告でも、おのずとママ好みのデザインに仕上がるでしょう。そのためにも、デザイン制作における一つひとつの工程を大切にしていくことが重要です。
デザイン制作の流れ
ここからは、デザイン制作の基本的な流れを解説していきます。適切なステップを踏むことで、よりスピーディーで効果的なデザインを仕上げられるはずです。ひとつずつチェックしていきましょう。
STEP1.目的を明確にする
デザインを考える場合、まずは制作の目的を明確にするのが大切です。たとえばWebサイトのデザインを制作する場合は、以下の項目に関して思いつくかぎりのことを書き出すとよいでしょう。
- ターゲット:ママの場合、年齢・収入・家族構成など
- サイトの内容:何が掲載されているのか、どのようなモノを取り扱っているのか
- 制作の目的:イベントの集客、商品の販売、認知度の拡大など
以上のことを考えられると、どのような情報を掲載すべきかが見えてくるはずです。
STEP2.必要な情報を整理する
制作の方向性が明確になれば、それに必要な情報を洗い出していきます。たとえばベビー玩具の販売サイトであれば、以下のようなことが必要となります。
- 販売元
- 製造元
- 問い合わせ先
- 商品の販売価格
- 商品の送料価格など
必要な情報を項目ごとにまとめていくと、全体像がある程度見えてくるでしょう。
STEP3.構成図を作る
思いつく限りの情報が出揃えば、「サイトマップ」とよばれるWebサイトの構成図を作成します。トップページからの遷移方法やどのようなカテゴリを設けるかを考え、サイトのレイアウトを決めていきます。サイト内のどこに・どのような情報を・どのような形式で配置するのかを確定していくイメージです。
このとき、前述のSTEP2でピックアップした情報に不足点があればどんどん追加していきましょう。頭で考えるのは非常に難しいため、簡単に手書きしてみたりパソコンでざっくり図を描いてみたりするのがおすすめです。
またサイト上のデザインを考える際は、視線の流れのルールを踏まえながらデザインを考案しましょう。人間は通常、デザインを見る際に視線を「左→右・上→下」へと動かします。このルールに則ってデザイン配置を考えられると、1ページのあちこちに情報が散らばることがありません。見る人の視線を一定に保つ効果もあるため、企業がアピールしたい情報を入手してもらいやすくなります。
STEP4.ビジュアルを準備する
サイトマップの枠組みが決まれば、以下のようなデザイン制作に必要となるビジュアルを準備していきます。
- テキスト情報
- 写真・動画
- イラスト
- ロゴなど
この際、前述したママが好む要素を踏まえたビジュアルがセレクトできると、よりママの注目を集められるサイトに仕上がるはずです。テキストは必要最低限にし、商品の使用感がイメージできる写真・動画などを準備しましょう。
STEP5.デザインする
最後にツールを登場させ、手書きやパソコンでざっくり作っておいたイメージ画に沿って、サイトをデザインしていきます。ここでよく使用されるツールは「Photoshop」と「Illustrator」です。このタイミングで仕上げになるため、細部まで作り込むことを意識して完成させましょう。
以上のとおり、デザイン制作はいきなりツールを用いて作ろうと思ってもうまくいきません。それまでの過程が大切で、入念に準備して制作することでよりスムーズに魅力的なデザインを仕上げられます。
ママ向けのWebデザイン事例|妊婦さんのための保険「母子保険はぐ」
最後に当社がママ目線を意識して制作した、Webサイトとランディングページのデザイン事例を紹介します。
今回事例に挙げるのは、スマートプラス少額短期保険株式会社が取り扱う妊婦さん向けの保険商品「母子保険はぐ」のWebデザインです。この制作では、出産を控えた数名のマタニティーママに対して商品の魅力や好みのデザイン・トンマナなどを調査し、得た意見を企画に反映したのがポイントとなります。
全体的にママ好みの落ち着いた配色で、出産前後の悩みに寄り添った動画・写真を掲載することで、よりユーザー目線を意識したWebデザインに仕上がりました。
まとめ
以上、ママ好みのデザインを制作する方法やポイントについて、成功事例を交えてご紹介しました。
ママに訴求するデザインを制作する際は、ターゲットが好む色・書体・画像・フレーズなどを用い、確実に商品をアピールできる構成を考えることが大切です。すぐにツールを用いるのではなく、目的やターゲットの属性などの情報を整理した上で制作に取り掛かることでよりユーザーニーズの高いデザインに仕上げられます。今回紹介した内容を、ぜひ企業や個人のWebデザインに取り入れてみてください。
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