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ママ向けの広告クリエイティブ|基礎知識と制作のポイントを解説
2023年6月9日
ファミリーをターゲットにした商品を販売する際、多くの企業がママ向けの広告を打ち出す傾向にあります。これはママが家庭内で重要なポジションを担っていることを表しており、消費における決定権を保有しているためと思われます。とくにインターネットへの広告表示は、家事・育児に忙しいママに対して商品を効率的にPRできるものとされ、高いクリエイティブスキルが求められているのも事実です。
しかし、ママに向けた広告クリエイティブを制作するなかで、担当者によっては「ママ向けの制作方法がわからない」「広告クリエイティブのポイントが知りたい」と思う方も多いでしょう。
この記事では、広告クリエイティブの基礎知識に加え、ママに向けた広告を制作する上で大切にしたいことを解説していきます。成果の見込めるクリエイティブ制作に携わりたい方は、参考にしてみましょう。
広告クリエイティブとは何か
そもそも「広告クリエイティブ」という言葉は、どのようなものを指すのでしょう。
広告クリエイティブとは、インターネットなどで広告運用するために用いられる制作物をいいます。たとえば、Webサイト内に表示される広告ページはもちろん、バナーに用いられる素材なども広告クリエイティブのひとつです。
以上のような広告クリエイティブはインターネットの普及により重要性が高まっており、とくにWeb業界では2022年の広告費が3兆912億円にのぼるなど、年々増加傾向にあります。な激戦市場で成果を出すには、高いクリエイティブスキルが必要でしょう。
【参考】
2022年 日本の広告費|株式会社電通
広告クリエイティブの種類
商品を効果的にPRできる広告クリエイティブには、どのような種類があるのでしょうか。まず広告クリエイティブは、大きくわけて以下の2種類が存在しています。
広告クリエイティブの種類 | 特徴 |
オンライン広告 | インターネット上に掲載される広告 検索画面・サイト内・動画内など、表示される箇所はさまざま |
オフライン広告 | インターネットの普及以前から存在する広告 チラシ・ポスターなど、折り込みチラシや店頭掲示物なども該当 |
なかでもママに向けた広告なら、オンライン広告をうまく活用するのがよいと思われます。ここからは、広告クリエイティブのなかでも「オンライン広告」の種類を解説していきます。
ディスプレイ広告
「ディスプレイ広告」とは、オンライン広告のなかでも各種Webサイトの広告枠に表示されるものを指します。代表的なオンラインの広告と聞いて多くのユーザーが思い浮かべるものには画像で作成された「バナー広告」があります。
リスティング広告
「リスティング広告」とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンを利用した際、検索結果画面に掲載されるテキストで作られた広告です。ユーザーが検索したキーワードと並んで表示されるため、悩みを持つユーザーがリスティングを経由してWebサイトを訪れてくれる可能性が高まります。
ネイティブ広告
「ネイティブ広告」とは、広告であることを明確にした上で、Webサイト内のコンテンツの一部であるかのように見せる手法を指します。記事と広告が自然に表示されるため、ユーザーにストレスを与えず商品をPRできるのがメリットです。
ビデオ広告
「ビデオ広告」とは、動画を活用して商品をPRする手法を指します。PRしたい情報を短時間でわかりやすく伝えられるメリットがあり、現在注目される広告形式のひとつです。インターネットやスマートフォンの普及で動画視聴が一般的になったことで、導入する企業が増加したものと思われます。
アフィリエイト広告
「アフィリエイト広告」とは、ブログやSNSにリンクを設置し、サイト運営者がユーザーからの直接的な売り上げを狙う手法を指します。別名「成果報酬型広告」とも呼ばれます。
リターゲティング広告
「リターゲティング広告」とは、Webサイトに訪れたユーザーに対して離脱後も追跡して表示させる広告です。そのサイトで表示されていた広告が継続的に配信されるため、ユーザーの興味のあるものであれば商品の売上につながる可能性が高くなります。
リワード広告
「リワード広告」とは、リンク先で動画視聴やアンケートの回答、アプリのダウンロードなどの条件を満たした際に、ユーザーに対して報酬が付与される広告手法です。報酬の一例には、買い物に利用可能なポイントやアプリ内での特典の付与が挙げられます。
記事広告
「記事広告」とは、Webサイトのコンテンツ内で商品をPRしてもらう広告です。第三者目線で商品をPRできる特徴があり、別名「タイアップ広告」「PR記事」と呼ばれるケースもあります。
SNS広告
SNS広告とは、TwitterやInstagram、Facebook、LINEなどの各SNSプラットフォームへ配信する広告を指します。ユーザーがアカウント登録した際の情報や利用傾向に基づき、正確なターゲティングのもとでPRすることが可能です。
デジタル音声広告
デジタル音声広告とは、音楽配信サイトやインターネットラジオで定期的に流れる広告を指します。音声は聞く人の記憶に残りやすい特徴があるため、広告を通じて商品をPRでき、ユーザーに対して高い訴求効果が期待できます。
メール広告
メール広告とは、メールを活用してユーザーへ直接配信する広告を指します。ユーザーが登録した情報に基づいて配信されるため、ターゲティングを明確にできる点がメリットです。
以上のように、広告クリエイティブを用いたオンライン広告には、さまざまな種類のものがあります。なかでもママに向けて広告を表示するなら、スキマ時間でも効果的に商品をアピールできるSNS広告がよいとされています。
そのほか、記事広告やリターゲティング広告も活用できるとより効果の高い広告施策を打てるでしょう。
ママ向けの広告を展開するメリット
ママに向けた広告クリエイティブを制作すると、どのような効果があるのでしょうか。ここではファミリー層をターゲットにした商品のマーケティング事情に関して、解説していきます。
ファミリー層の獲得につながる
ママに向けた広告クリエイティブを制作すると、より多くのファミリー層を獲得できるメリットがあります。これは出産による女性の思考の変化が関係しており、独身時代は自身のファッションやコスメに消費していた女性が、出産を経て子ども・家族のための消費にシフトする特徴を押さえたマーケティング戦略です。
なお以下は、ママに向けた広告クリエイティブを検討すべきジャンルの一例です。
- 食料品・通販食品・健康食品
- 通信教育・習い事
- レジャー施設
- キッズ玩具
- ベビー用品
- 保険
これらのジャンルはファミリー層をターゲットにしたものが多いですが、アプローチ先はママになっているケースがほとんどです。ママに響く広告クリエイティブを制作することで、より多くのユーザー獲得につながるものと考えられます。
高額商品の購入につながる
ママ目線の広告クリエイティブを制作すると、高額商品の購入にも訴求できる効果があります。前述のとおり、ママは自身のことよりも家族の消費を優先に考える傾向にあります。
子どもがベビー期なら、ひとつ数万円するベビーカーやチャイルドシートの購入、ブランドを好むママだと洋服にも数万円かけるケースがあるなど、どれも高額を費やすことになります。また家族が増えるとなれば、家具家電製品の購入や買い替え、マイホームの購入まで検討するケースがあるかもしれません。
その他、投資や習いごとの検討など、ママが決定している高額商品は多岐にわたると考えてよいでしょう。ママ向けの広告クリエイティブにはそのような消費動向の背景が関係しており、いかにママ好みの広告を制作できるかがポイントとなっています。
ママ向けの広告クリエイティブを制作する際のポイント
では、ママに向けた広告クリエイティブを制作するには、どのようなポイントを押さえるべきでしょうか。ここからは、ママへの訴求効果が高いとされる広告の特徴を解説していきます。
パッと見ただけでわかるキャッチコピー
広告クリエイティブの宣伝効果を高めるには、その広告が何を目的にしているのかを明確にする必要があります。そのためには、ひと目見れば商品の強みや特徴がパッとわかる、優れたキャッチコピーを取り入れるのが大切です。
ママの目に留まる優れたキャッチコピーを制作するには、以下の点を意識できるとよいでしょう。
- 短くて簡潔
- メッセージ性がある
- ママの悩みに寄り添っている
- 商品と言葉がマッチしている
また、スキマ時間に興味のあるものだけピックアップして閲覧するママには、数字を用いたPRも効果的です。たとえば「おどろきの冷却効果間」よりも「マイナス5度の冷却効果」のほうが、パッと見たときに印象に残りやすくなります。
その他、専門用語を避けたり直感的にわかりやすいフレーズを使用したりできると、誰が見ても理解可能なママに優しい広告クリエイティブを制作できるといえるでしょう。
書体・色味はやさしさ重視で統一
ママ向けの広告クリエイティブでは、やさしさを感じられるフォントやカラーを用いるとママが親しみを感じるものに仕上がります。たとえば書体であれば、以下のものを使用するとママ好みの広告クリエイティブに近づけられます。
- ゴシック体
- 丸みのあるもの
- 手書き風のもの
- カリグラフィーなど
一方、カラーリングには、以下を取り入れてみましょう。
- 明るく落ち着き感のある色
- コントラストを抑えた色
- パステルカラー
なおママが好むのは、明るくやわらかな印象の色といわれています。カラーを決める際は、色が放つ印象(赤:情熱、黄:元気など)と商品のイメージを組み合わせて、広告クリエイティブを制作するのもひとつの方法です。
また原色やビビットカラーは子どもっぽさが出てしまうため、ママの注目を集められるのでは?と思う方もいるかもしれません。しかし、コントラストの強い色を全面的に出すと、ママは子どもらしさよりも派手な印象を感じとってしまうため、あまりおすすめとはいえません。
ママが感覚的に「自分に関係している」と感じられる広告クリエイティブを制作するためにも、ママ好みのフォント・色を全体的に用いることが大切です。
画像はイラストや子どもの写真がベター
ママに向けた広告クリエイティブの場合、商品をPRするページには子どものイラストや写真を用いるのがよいとされています。これは、ママの視線が無意識に子どもへ向く性質を利用したものです。また、単に子どもが写っていればOKというわけではなく、商品を利用している様子を感じられる写真を利用しましょう。
ただし、それらはファミリー層をターゲットにした商品をPRする場合であり、子どもや家族になんら関係のない商品をPRする際には無効です。コスメやスキンケア商品など、明らかにママのみが使用する商品の広告を制作する場合は、その商品のイメージに適した画像を用いましょう。
このように、ママ向けの広告クリエイティブ制作は特段難しいものはなく、ポイントを押さえていれば訴求効果の高いママ好みのものが仕上がるとわかります。
まとめ
以上、広告クリエイティブの基礎知識やママに向けた広告を制作する上で大切にしたいことについてご紹介しました。
ママに訴求する広告クリエイティブは、ママが好むフォントやカラーを用いながら、確実に商品をPRできるデザインを考えるのが大切です。またインターネット上の掲載場所も大切で、ママの利用頻度の高いWebサイトやSNSをうまく活用して広告掲載できると、より多くのユーザーを獲得できるようになるはずです。今回解説した内容を、ぜひ企業の広告クリエイティブに活かしてみてください。
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